〈SDGs×SEIKYO〉　解説編「日本の『ごみ排出量』は世界4位」 〈SDGs×SEIKYO〉　解説編「日本の『ごみ排出量』は世界4位」 2023年11月30日

　「SDGs×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える　未来のカタチ」。今回のテーマは、SDGs（持続可能な開発目標）の目標12「つくる責任　つかう責任」です。人や環境に害を及ぼすごみの問題について考えます。

　「SDGs（エスディージーズ）×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える　未来のカタチ」。今回のテーマは、SDGs（持続可能な開発目標）の目標12「つくる責任　つかう責任」です。人や環境に害を及（およ）ぼすごみの問題について考えます。

　いやー、週明けのごみは、たくさんあって大変だね。

　いやー、週明けのごみは、たくさんあって大変だね。

　三つも袋がある！

　三つも袋（ふくろ）がある！

　なんでそんなにあるの？

　なんでそんなにあるの？

　この前、一緒に衣替えしたでしょ？　古い服は捨てようと思って。

　この前、一（いっ）緒（しょ）に衣（ころも）替（が）えしたでしょ？　古い服は捨（す）てようと思って。

　え、まだ着られるものもあるんじゃない⁉　父さん、日本は世界で4番目に、ごみの排出量が多いって知ってる？　特に食品、衣服、プラスチック廃棄物の割合が高いんだよ。

　え、まだ着られるものもあるんじゃない⁉　父さん、日本は世界で4番目に、ごみの排（はい）出（しゅつ）量が多いって知ってる？　特に食品、衣服、プラスチック廃（はい）棄（き）物（ぶつ）の割（わり）合（あい）が高いんだよ。

　そうなの？　知らなかったよ。

　そうなの？　知らなかったよ。

　毎年、多くの服が捨てられている。1年間に10億枚もの新品の服が、一度も使われることなく捨てられているとも聞いたよ。それに、ほとんどが焼却処分されている。

　毎年、多くの服が捨（す）てられている。1年間に10億枚（まい）もの新品の服が、一度も使われることなく捨てられているとも聞いたよ。それに、ほとんどが焼（しょう）却（きゃく）処（しょ）分（ぶん）されている。

　なんと！　焼却処分となると、二酸化炭素が出る。それは温室効果ガス……。つまり、地球温暖化にも影響しているということだね……。

　なんと！　焼却処分となると、二酸化炭素が出る。それは温室効果ガス……。つまり、地球温（おん）暖（だん）化（か）にも影（えい）響（きょう）しているということだね……。

　そう。最近は、いろいろな服のお店で、衣服の回収ボックスが設置されている。服は捨てずに、リサイクルする時代だよ。

　そう。最近は、いろいろな服のお店で、衣服の回（かい）収（しゅう）ボックスが設置されている。服は捨てずに、リサイクルする時代だよ。

　食品ロスも、日本は多すぎるって、カッパさんが悲しんでた。

　食品ロスも、日本は多すぎるって、カッパさんが悲しんでた。

　そうだね。国連機関が飢餓で苦しむ人々のために行う食料支援の1・2倍以上もの食料が、日本では捨てられているんだって。その約半分は家庭から出ているんだ。

　そうだね。国連機関が飢（き）餓（が）で苦しむ人々のために行う食料支（し）援（えん）の1・2倍以上もの食料が、日本では捨てられているんだって。その約半分は家庭から出ているんだ。

　これは、一人一人が何とかしないといけない問題だ！

　これは、一人一人が何とかしないといけない問題だ！

　ごみを削減する「3R」って聞いたことある？
　まず、ごみ自体を「減らす」という意味の「リデュース」。二つ目は、古着や中古の物を活用する「リユース（再使用）」。そして三つ目は、「リサイクル（再生利用）」だよ。

　ごみを削（さく）減（げん）する「3R」って聞いたことある？
　まず、ごみ自体を「減（へ）らす」という意味の「リデュース」。二つ目は、古着や中古の物を活用する「リユース（再使用）」。そして三つ目は、「リサイクル（再生利用）」だよ。

　リサイクルなら私も知ってる！　あっ、父さん、このごみ袋、小さなペットボトルも混ざっているよ！

　リサイクルなら私も知ってる！　あっ、父さん、このごみ袋、小さなペットボトルも混（ま）ざっているよ！

　おや、気が付かなかった。ごみの分別もしっかりやらないとね……。

　おや、気が付かなかった。ごみの分（ぶん）別（べつ）もしっかりやらないとね……。

　ちなみに世界では今、20億人がごみの収集制度を利用できていないみたい。さらに30億人は、ごみの処理施設がない状況で生活している。国によって課題はさまざまだけど、ごみを減らし、ごみを適切に処理する環境を整えていかないと、人にも自然にも、悪影響が出てしまう。

　ちなみに世界では今、20億人がごみの収（しゅう）集（しゅう）制度を利用できていないみたい。さらに30億人は、ごみの処（しょ）理（り）施（し）設（せつ）がない状（じょう）況（きょう）で生活している。国によって課題はさまざまだけど、ごみを減らし、ごみを適（てき）切（せつ）に処理する環（かん）境（きょう）を整（ととの）えていかないと、人にも自然にも、悪（あく）影（えい）響（きょう）が出てしまう。

　そうなんだ……。

　そうなんだ……。

　SDGsの目標12では“2030年までに自然と調和した暮らし”の実現を目指している。その上で大事なのは、もう一つの「R」だよ！

　SDGsの目標12では“2030年までに自然と調和した暮（く）らし”の実現を目指している。その上で大事なのは、もう一つの「R」だよ！

　もう一つの「R」？

　もう一つの「R」？

　そう、ケニアの環境活動家のワンガリ・マータイさんが、日本の「もったいない」の言葉を世界に紹介した時、心の「R」も大事だって言った。「リスペクト」のこと。

　そう、ケニアの環境活動家のワンガリ・マータイさんが、日本の「もったいない」の言葉を世界に紹（しょう）介（かい）した時、心の「R」も大事だって言った。「リスペクト」のこと。

　つまり「尊敬」だね？

　つまり「尊（そん）敬（けい）」だね？

　うん。私たちの身の回りの物は、自然資源や、多くの人々の労働のおかげで成り立っている。そうした全てに対するリスペクト、尊敬の心を持てば、「ごみ」への考え方も変わるんじゃないかな。
　物が豊かな日本では、「使えなくなったから」捨てるんじゃなくて、「新しい物がほしいから」捨てる場合が多い。こうした意識そのものを変えていくべきだと思う。

　うん。私たちの身の回（まわ）りの物は、自然資（し）源（げん）や、多くの人々の労働のおかげで成り立っている。そうした全（すべ）てに対するリスペクト、尊敬の心を持てば、「ごみ」への考え方も変わるんじゃないかな。
　物が豊（ゆた）かな日本では、「使えなくなったから」捨てるんじゃなくて、「新しい物がほしいから」捨てる場合が多い。こうした意識そのものを変えていくべきだと思う。