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〈SDGs×SEIKYO〉 全国で「子ども食堂」が普及――地域全体で“孤育て”対策を 2022年8月16日
各地で開設が進む「子ども食堂」。コロナ禍の中で一層、ニーズが高まっている(2020年10月、千葉・松戸市内で)
日本では「子どもの貧困」が大きな社会問題となっています。
18歳未満の子どもの「7人に1人」が相対的貧困に陥っているといわれ、特に厳しい状況に置かれているのが、貧困率が5割に迫る「ひとり親世帯」の子どもです。
2019年の政府の発表では、「食料が買えない経験」がある「ひとり親世帯」は34・9%に上りました。
こうした中、子どもの貧困対策として、近年、各地で急速に普及しているのが「子ども食堂」です。
子どもに低額・無料で食事を提供する「子ども食堂」は、12年に東京都内でボランティアが始めた活動に端を発し、21年には全国6000カ所に広がりました。
「子ども食堂」の役割は食事面の支援だけにとどまりません。地域の大人と交流する中で、子どもが心を開き、悩みを打ち明ける場所にもなっています。
日本の相対的貧困は“見えづらい貧困”ともいわれ、子どもの相談先があることは重要です。地域・社会から孤立する、家庭での“孤育て”を防ぐためにも、地域全体で子どもと関わる取り組みが必要です。