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〈子どもと学ぶ仏教説話――ミライの冒険〉 スダツの夢 2025年2月13日

 創作童話「子どもと学ぶ仏教説話――ミライの冒険」では、主人公のミライが、仏教説話の世界を巡る冒険に出かけます。座談会の未来部コーナーなどでご活用ください!(イラスト 逸見チエコ)

“みんなのため”は楽しい!

 「大きな林だなぁ~」
 ミライの目の前には、りっぱな林が広がっています。
 そこへ、一人のおじさんが現れて言いました。
 「ここだ! この場所が良い!」

 「こんにちは。ここで何をしているんですか?」
 「私はスダツ。大きな屋敷を建てられる場所を探しているんだ。多くの人々が集まり、幸せになるための修行ができる屋敷を建てたいんだ」
 「そんな屋敷があると、うれしいね!」
 二人は、この林の持ち主を探すことに。すると、持ち主は、いじわるな王子さまだったのです。

 「この林がほしければ、林いっぱいに金貨を敷きつめることだ。そうすれば林をあげよう。君はお金持ちのようだから、ムリではないだろう?」
 スダツとミライは、さっそく金貨を林に並べ始めました。
 林はとても広いので、いつまでかかるか、わかりません。

 何日もかけて、終わりが見えてきたころ。スダツが大声で言いました。
 「ダメだ! ほんの少し金貨が足りない!」
 「あきらめちゃダメだよ。ミライがなんとかする!」

 物を運んだり、水をくんだり……。ミライは町の人たちのお手伝いをして、少しずつ金貨を分けてもらったのです。
 そのミライの姿に、スダツも再び立ち上がります。
 「よし。私もやるぞ!」

 スダツもミライといっしょに、町の人のお手伝いに汗を流して金貨を用意したのです。
 そして、林いっぱいに金貨を敷きつめることができました。

 「まさか、本当にやってみせるなんて……。みんなのために、そこまで頑張る君たちに、申し訳ないことをした。金貨はいらない。あの林は、スダツにゆずろう」

 こうして、林には、りっぱな屋敷が建ち、人々が楽しく集まるようになりました。
 スダツは、その様子をうれしそうに見守っていました。
 (つづく。前回は1月9日付)

今回のお話の解説

 今回のお話の基になったのは、須達長者の説話です。須達長者は、釈尊とその弟子たちが修行をするのにちょうど良い土地を見つけます。その土地の所有者である王子の命令に従い、土地を手に入れるため、須達長者は金を敷き詰めました。その誠意に心を打たれ、王子は心を入れ替え、土地を寄付したといわれています。こうして、その土地に修行のための建物が建てられました。この建物は、「祇園精舎」と呼ばれています。
 “人々のために”と、財産をなげうつ覚悟をした須達長者の志に驚かされます。
 池田先生は、「自分のためだけでなく、人のために、社会のためにと行動するからこそ、そこに真の『喜び』が湧くのです」と教えています。
 真に楽しく、幸福に満ちた人生――その道は、人のために一心に行動する先に続いているのです。

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