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〈インタビュー〉 数々の国際映画賞に輝くジャッキー・ウーさん 映画「演歌の坂道」で原案・監督 2026年10月15日
- 10月16日(金)から全国順次公開
10月16日(金)から順次公開される映画「演歌の坂道」で、原案・監督を務め、主題歌の作詞・作曲も手がけたジャッキー・ウーさん。同作の見どころを聞くとともに、これまで数々の国際映画賞に輝いてきた、その原動力に迫った。
――つつましく暮らしていた主人公・高橋良子(丘みどり)が、あるきっかけからプロの歌手を目指す物語です。
着想は若い頃にあります。作詞家のアシスタントをしていた時、さまざまな歌手志望の方に出会いました。メジャーデビューする方もいれば、挫折を余儀なくされたり、目標を追いかけるあまり身近な人との関係が壊れたりする方もいました。
歌手の世界は、聴く人の心に影響を与えることもできれば、聴衆の拍手・喝采を浴びて勘違いしてしまう場合もある。そんな状況を見てきて、自分も歌い手として実際に学んできたことを、今作に込めたいと思いました。
――今作のタイトルに“坂道”とありますが、良子が歩む歌手への道には、上り坂も下り坂も描かれます。
良子は歌手として華やかさをまとって成長していきますが、夢が大きくなり、前を急ぎ過ぎてしまう。そんな時、大御所の歌手に「歌は心だよ」と諭されます。そこで良子は、自分の本当の気持ちに気付き、大切にすべき存在も再確認できます。
主人公は、華麗でありながらも純朴であることが重要でした。演じていただいた丘さんは美しい方ですが、素朴さも持ち合わせていて、ぴったりでした。
――“人生賛歌”をうたう今作ですが、どんな方へ届けたいですか。
この映画のテーマの一つは、勇気です。夢に向かっていくのに、年齢は関係ないと思います。人生において一番大事なことは、幾つになっても一歩踏み出す勇気を持つことだと思っています。
その勇気によって、人生は動いていく。良いように変わる場合もあれば、そうじゃないこともあるかもしれない。でもそれは、どちらにしても答えに“たどり着く”ということ。勇気を出して得た答えは、必ず自分の財産になっていくと思います。
夢を持っている方、特にその夢に臆病になっている方に見てほしいですね。
――世界を股にかける活躍の中で培ってきた、経験や信念を教えてください。
祖父が中国人で中国系3世として日本に生まれ、幼い頃から人種の壁を感じてきました。自分は、純血の日本人でもなければ中国人でもない。じゃあ、どう生きるのかと――。
ある時、「桜梅桃李」(独自の個性を磨き、自分らしく輝くこと)との言葉に出あって、“そうだ、自分らしく生きよう!”と決めたんです。
どの国で活動するときも、「日本だ」「中国だ」と国籍で語らず、生身の自分で表現することに徹しました。いわば“無国籍の個性”が自分の武器となり、周囲にも認められていったように思います。
映画の世界で生きる者として、映像の力を使って遠い未来まで、自分が得てきた大切なことを届けたいと思っています。映画とそのメッセージは、国境を越えて伝わり、世代を超えて残る。普遍で、朽ちないものだと信じています。
【記事】木村英治 【写真】宮田孝一
横浜市出身。映画監督、俳優。1996年、香港に渡り映画の世界へ。98年からフィリピンでも活躍し、歌手としても成功を収める。2013年、プロデュース・出演作「DEATH MARCH」がカンヌ国際映画祭「ある視点部門」に出品される。これまで世界各国・地域の映画祭で多数の賞を受けている。
静岡の小さな町で、乾物屋の女将として家族を支える高橋良子(丘=写真)と夫・菊雄(アキラ100%)は、平凡ながら幸せな日々を送っていた。
ある日、人気テレビ番組「目指せ!歌う武道館」の地方予選が、二人の住む町で行われることに。良子は、周囲から押し出される形で出場を決めたが、予選当日を迎えると気が気でない。だが、彼女の歌声は、聴衆の心を一気につかむ。
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