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〈SDGs×SEIKYO〉 解説編「海の豊かさを壊す、乱獲や違法漁業」 2023年9月26日

 「SDGs×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える 未来のカタチ」。今回のテーマは、SDGs(持続可能な開発目標)の目標14「海の豊かさを守ろう」です。ここでは特に、海洋資源の乱獲や違法漁業の問題について考えます。

「魚を取りすぎると、将来、こうなっちゃうかも……」 作・迎朝子
「魚を取りすぎると、将来、こうなっちゃうかも……」 作・迎朝子

 ねえねえ、将来、マグロが食べられなくなるかもしれないって本当? 

 いきなりどうしたんだい?

 母さんと買い物に行った時、魚屋のおじさんが言ってたの!

 えーっと、マグロにはいろいろな種類があるよね。日本ですごく人気の「クロマグロ(本マグロ)」は、たしか以前、絶滅危惧種になっていたなあ。

 ゼツメツ?

 うん、たくさん取りすぎちゃって、海からいなくなる危険性が出てきたんだよ。

 えーっ! 私、マグロのお刺し身、大好きなのに……。

 でも大丈夫。国際的なルールをつくったから、状況は改善されてきたんだ。ただ、注意は必要だよ。
 ところで「ニホンウナギ」も絶滅危惧種だって知ってた? シラスウナギという、ウナギの子どもたちは、海を泳いで日本の川にやって来る。日本では、それを養殖して食べているんだ。最近は、シラスウナギたちも少なくなっているなあ……。

 そっか。そういえば父さんも、「ウナギが高くて食べられない」って言ってたよ。どうしたらいいんだろう……。

 約20年前、ある海外の研究チームが、「現状のままでなにも対策をとらずに漁獲と消費をつづければ、2048年には食用の魚がいなくなる」と発表したことがある。びっくりしたよ。だから世界の国が協力して、漁業を管理してきたんだ。

 それで良くなったの?

 いや、世界の水産資源の消費量は、この半世紀で2倍にも増えている。その資源の35%が、いまだに「取りすぎ」の状態なんだ。

 日本の漁師さんも魚たちを守るために、すごい頑張っているって、魚屋のおじさんが言ってた!

 そうだね! でも残念なことに、SDGsの目標14(海の豊かさを守ろう)の日本の達成度はとても低いんだ。それに日本では、水産資源の消費の多くが、乱獲や違法漁業によるもの、とも言われている。

 どういうことなの?

 少し複雑な話なんだ……。日本は、水産物の輸入額がアメリカに次いで世界2位。水産物の加工品などは、その原料が、どこで、誰が、どうやって取ったものなのか、なかなか分からないんだよ。だから日本の人たちは、知らないうちに、ルール違反で取られた水産物を食べてしまっている場合があるんだ。

 そうだったんだ……。

 海は世界とつながっている。乱獲や違法漁業は海の生態系を壊し、魚だけでなく人々の生活をも脅かしてしまう。すでに近海の魚が減り、生活に問題が起きている国もあるよ。

 私たちにできることはある?

 持続可能な漁業・養殖であることを証明する「ラベル」があるのを知っているかい? 買い物をする時には、そうしたラベルを意識してみるのも良いかもしれないね。
 また、全国各地で、持続可能な漁業に、工夫して挑戦している人がいる。そういう人の取り組みについて調べたり、聞いてみたりすると、いろいろな発見があると思うよ!

※ご感想をお寄せください
sdgs@seikyo-np.jp
  
※聖教電子版の「SDGs」特集ページが閲覧できます。
https://www.seikyoonline.com/summarize/sdgs_seikyo.html

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