【創価学園NAVI】　6言語！？　28科目！？　創価高校の多彩な「学校設定科目」 【創価学園NAVI】　6言語！？　28科目！？　創価高校の多（た）彩（さい）な「学校設定科目」 2023年10月1日

• 生徒が選択できる学校独自の授業
• 生徒が選（せん）択（たく）できる学校独（どく）自（じ）の授業

　多様化する生徒の学習ニーズや地域の特色に合わせて、各高校は、独自に「学校設定科目」を開設することができる。創価高校（東京・小平市）の「学校設定科目」では、28にも上る多彩な授業を実施している。生徒の自発性を引き出し、可能性を広げる学びの現場を取材した。

　多様化する生徒の学習ニーズや地域の特色に合わせて、各高校は、独（どく）自（じ）に「学校設定科目」を開設することができる。創価高校（東京・小平市）の「学校設定科目」では、28にも上（のぼ）る多（た）彩（さい）な授業を実（じっ）施（し）している。生徒の自発性を引き出し、可能性を広げる学びの現場を取材した。

　創価高校で、少し変わった合唱祭が開かれた。
　
　リズミカルなポップス、ミュージカルの力強い劇中歌……よく聴けば、どの歌も日本の歌ではない。さまざまな国の歌を、生徒たちは現地の言葉で歌っている。
　
　これは2月に行われた「6言語合唱祭」。中国語、ハングル、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ロシア語の6つの言語から第二外国語を選択できる創価高校では、年1回、各科目を学んできた3年生が一堂に会して、各国の歌を披露する。
　
　「歌を通して“世界”を感じる、貴重な機会でした」と、生徒たちからも大好評だ。

　創価高校で、少し変わった合唱祭が開かれた。
　
　リズミカルなポップス、ミュージカルの力（ちから）強（づよ）い劇（げき）中（ちゅう）歌（か）……よく聴（き）けば、どの歌も日本の歌ではない。さまざまな国の歌を、生徒たちは現地の言葉で歌っている。
　
　これは2月に行われた「6言語合唱祭」。中国語、ハングル、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ロシア語の6つの言語から第二外国語を選（せん）択（たく）できる創価高校では、年1回、各科目を学んできた3年生が一（いち）堂（どう）に会（かい）して、各国の歌を披（ひ）露（ろう）する。
　
　「歌を通して“世界”を感じる、貴（き）重（ちょう）な機会でした」と、生徒たちからも大（だい）好（こう）評（ひょう）だ。

　こうした第二外国語の学習は、いずれも「学校設定科目」の中で行われる。「学校設定科目」とは、文部科学省が1999年の学習指導要領に加えた、学校が独自に設定できる科目のこと。各校の特色が表れる授業として、注目されてきた。
　
　「創価高校では3年生を対象に、全部で28の『学校設定科目』を設け、生徒はその中から2つの授業を選べます。中でも語学系は、英語を含めて7言語の中から選択できます。“学園生に語学力を磨いてほしい”との創立者・池田先生の期待を具体化した授業です」と石野正好教頭。
　
　第二外国語を教える高校は607校（2021年度の文科省による調査）に上るが、創価高校のように6言語もの授業を開設するのは全国に数校。まさに「創造性豊かな世界市民の育成」を目指す創価学園の特徴が表れた、多彩な語学学習が展開されている。

　こうした第二外国語の学習は、いずれも「学校設定科目」の中で行われる。「学校設定科目」とは、文部科学省が1999年の学習指（し）導（どう）要（よう）領（りょう）に加（くわ）えた、学校が独自に設定できる科目のこと。各校の特色が表（あらわ）れる授業として、注（ちゅう）目（もく）されてきた。
　
　「創価高校では3年生を対象に、全部で28の『学校設定科目』を設（もう）け、生徒はその中から2つの授業を選べます。中でも語（ご）学（がく）系（けい）は、英語を含（ふく）めて7言語の中から選択できます。“学園生に語学力を磨（みが）いてほしい”との創立者・池田先生の期待を具（ぐ）体（たい）化（か）した授業です」と石野正好教頭。
　
　第二外国語を教える高校は607校（2021年度の文科省による調査）に上（のぼ）るが、創価高校のように6言語もの授業を開設するのは全国に数校。まさに「創（そう）造（ぞう）性（せい）豊かな世界市民の育成」を目指す創価学園の特（とく）徴（ちょう）が表れた、多（た）彩（さい）な語学学習が展（てん）開（かい）されている。

　中国語を選んだ片岡春乃さんは「これほど“ハマる”とは思いませんでした」と話す。
　
　「漢字」など日本語と共通点が多いことや、中国語の美しい“音”に心を引かれた片岡さん。ネーティブの講師の丁寧な指導で、モチベーションはみるみる高まった。
　
　9月の授業では、日中関係が厳しい時期に池田先生が発表した「日中国交正常化提言」から55周年を特集した中国語の新聞を読んだ。創価大学が国交正常化後初の中国からの国費留学生を受け入れた歴史を学び、両国の民間交流に大きな役割を果たしたことを知った。
　
　片岡さんは「もっと中国語を学び、大学では中国に留学して、友情を広げたい」と目を輝かせる。

　中国語を選（えら）んだ片岡春乃さんは「これほど“ハマる”とは思いませんでした」と話す。
　
　「漢字」など日本語と共通点が多いことや、中国語の美しい“音”に心を引かれた片岡さん。ネーティブの講師の丁（てい）寧（ねい）な指導で、モチベーションはみるみる高まった。
　
　9月の授業では、日中関係が厳（きび）しい時期に池田先生が発表した「日中国交正常化提言」から55周年を特集した中国語の新聞を読んだ。創価大学が国交正常化後初の中国からの国費留学生を受け入れた歴史を学び、両国の民間交流に大きな役（やく）割（わり）を果（は）たしたことを知った。
　
　片岡さんは「もっと中国語を学び、大学では中国に留学して、友情を広げたい」と目を輝（かがや）かせる。

　充実の授業は語学系だけではない。多岐にわたって魅力ある科目が用意されている。
　
　その一つ、「ことばと自分」の授業をのぞくと、「友達とは」をテーマに対話会が開かれていた。
　
　授業に出ていた米澤寛太郎さんは「答えが一つではない『問い』について話し合うことで、自分と向き合い、友達の知らない一面を見ることができます」と実感を話す。

　充（じゅう）実（じつ）の授業は語学系だけではない。多（た）岐（き）にわたって魅（み）力（りょく）ある科目が用意されている。
　
　その一つ、「ことばと自分」の授業をのぞくと、「友達とは」をテーマに対話会が開かれていた。
　
　授業に出ていた米澤寛太郎さんは「答えが一つではない『問（と）い』について話し合うことで、自分と向き合い、友達の知らない一面を見ることができます」と実感を話す。

　授業では、担当の恒岡義洋教諭の話を皆、真剣に聞いていた。
　
　「考える力を養うために、あらゆることに疑問を持ってほしい。ただし、考える力が弱いと、一人で疑問を抱えて苦しんだり、疑問に心を支配されて社会に不信を抱いたりしてしまうことがある。だからこそ疑問や考えを“ことば”にして共有しよう。それらは全て、成長の糧になります」
　
　米澤さんは語る。
　
　「自分の思いを相手にことばで伝えることや、相手のことばに秘められた思いを理解することは、難しいけど、おもしろい。この授業を通して、人間をより深く知ることができた気がします」

　授業では、担当の恒（つね）岡（おか）義洋教（きょう）諭（ゆ）の話を皆、真剣に聞いていた。
　
　「考える力（ちから）を養（やしな）うために、あらゆることに疑（ぎ）問（もん）を持ってほしい。ただし、考える力が弱いと、一人で疑問を抱（かか）えて苦しんだり、疑問に心を支配されて社会に不信を抱（いだ）いたりしてしまうことがある。だからこそ疑問や考えを“ことば”にして共有しよう。それらは全て、成長の糧（かて）になります」
　
　米澤さんは語る。
　
　「自分の思いを相手にことばで伝えることや、相手のことばに秘（ひ）められた思いを理解することは、難（むずか）しいけど、おもしろい。この授業を通して、人間をより深く知ることができた気がします」

　「ライフデザイン」は、家庭科を発展させた内容で、料理や手芸を通して、SDGs（持続可能な開発目標）について考える。
　
　父親の仕事の関係で、タイで生まれ育った大久保咲希さんは、創価高校の入学を機に日本へ。下宿生活を送る彼女は、日本の文化をより知りたいと授業を選択した。
　
　「刺しゅうで古着をおしゃれに手直ししたり、着なくなった服の布を活用して小物を作ったりと、日本人の『無駄にしない』『もったいない』という精神を学んでいます。それを友達とおしゃべりしながら、楽しく実践できるのが、『ライフデザイン』の魅力です！」

　「ライフデザイン」は、家庭科を発（はっ）展（てん）させた内容で、料理や手芸を通して、SDGs（エスディージーズ）（持続可能な開発目標）について考える。
　
　父親の仕事の関係で、タイで生まれ育った大久保咲（さ）希（き）さんは、創価高校の入学を機に日本へ。下宿生活を送る彼女は、日本の文化をより知りたいと授業を選択した。
　
　「刺（し）しゅうで古（ふる）着（ぎ）をおしゃれに手（て）直（なお）ししたり、着なくなった服の布（ぬの）を活用して小物を作ったりと、日本人の『無（む）駄（だ）にしない』『もったいない』という精神を学んでいます。それを友達とおしゃべりしながら、楽しく実（じっ）践（せん）できるのが、『ライフデザイン』の魅（み）力（りょく）です！」

　あえて自身の課題に挑戦する生徒もいる。
　
　國分伸作さんは、「文章トレーニング」を選択。“読むこと”も“書くこと”も苦手だった彼は、「初回の授業で後悔しました（笑）」と。
　
　しかし、苦手だからこそ、成長も実感できた。ゲームなどを通して文章表現を学び、実際に小説などを書いて、生徒同士で評価し合う中、最初に実感したのは“読解力”の向上だったという。

　あえて自身の課題に挑（ちょう）戦（せん）する生徒もいる。
　
　國（こく）分（ぶ）伸作さんは、「文章トレーニング」を選（せん）択（たく）。“読むこと”も“書くこと”も苦手だった彼は、「初回の授業で後（こう）悔（かい）しました（笑）」と。
　
　しかし、苦手だからこそ、成長も実感できた。ゲームなどを通して文章表現を学び、実際に小説などを書いて、生徒同士で評価し合う中、最初に実感したのは“読（どっ）解（かい）力（りょく）”の向上だったという。

　「どんなことが書いてあるのか、格段に理解が速くなりました」
　
　文章も、要点を捉えた内容を書けるようになり、学んだことが日常的なコミュニケーションにも生かされていると実感する。
　
　「所属するサッカー部でも、自分の考えを的確に伝えるのに役立っています。成績だけでなく、自分の成長を感じられて、うれしいです」

　「どんなことが書いてあるのか、格（かく）段（だん）に理解が速くなりました」
　
　文章も、要点を捉（とら）えた内容を書けるようになり、学んだことが日常的なコミュニケーションにも生かされていると実感する。
　
　「所属するサッカー部でも、自分の考えを的（てき）確（かく）に伝えるのに役（やく）立（だ）っています。成績だけでなく、自分の成長を感じられて、うれしいです」

　「平和学入門」は毎回、創価大学から平和に関する各分野の専門家を講師に招いて行われる。この授業をきっかけに、国際機関の職員や大学教員などを目指す生徒も少なくないという。
　
　「あの授業を受けたことが、今の人生を歩む原点です」
　
　こう振り返るのは、広島県内の私立大学で教員を務める黒木貴人さん（33期）。
　
　高校生の時、授業の中で、紛争地域で敵対する民族の子ども同士が、仲良く勉強している様子を見た黒木さんは、教育の重要性を知った。創大教育学部を経て、国立大学の大学院で教育学の修士号を取得。博士課程を単位取得満期退学の後、現在は大学の講師として、海外の教育政策・教育制度の研究を進める傍ら、教員等を目指す学生たちを指導する。
　
　黒木さんは語る。
　「青春時代の経験は将来を大きく左右します。“教育の力で平和な社会を築く”との高校時代の誓いを果たすため、今後も研究に励みます」
　
　◇◆◇　
　
　取材を通して気付くのは、多種多彩な授業が、生徒の“知りたい”という興味や関心を引き出し、知識の習得のみならず、人間的な成長につながっていることだ。
　
　池田先生はかつて学園生に呼びかけた。
　
　「学ぶことは、小さく閉ざされた自分の殻を打ち破っていくことです。
　
　私とともに、また素晴らしき学園の先生方とともに、開かれた心で、人類の尽きることのない精神遺産を学んでいこう！　そして、世界と宇宙の限りない英知の天空へ、心を高めていこうではありませんか！」
　
　創価高校の生徒たちは主体的な学びの中で、自身を見つめ、秘められた才能の芽を大きく伸ばしている。

　「平和学入門」は毎回、創価大学から平和に関する各分野の専（せん）門（もん）家（か）を講師に招（まね）いて行われる。この授業をきっかけに、国際機関の職員や大学教員などを目指す生徒も少なくないという。
　
　「あの授業を受けたことが、今の人生を歩（あゆ）む原（げん）点（てん）です」
　
　こう振（ふ）り返（かえ）るのは、広島県内の私立大学で教員を務める黒木貴（たか）人（ひと）さん（33期）。
　
　高校生の時、授業の中で、紛（ふん）争（そう）地域で敵対する民族の子ども同士が、仲良く勉強している様子を見た黒木さんは、教育の重要性を知った。創大教育学部を経（へ）て、国立大学の大学院で教育学の修士号を取得。博士課程を単位取得満期退学の後、現在は大学の講師として、海外の教育政（せい）策（さく）・教育制度の研究を進める傍（かたわ）ら、教員等を目指す学生たちを指導する。
　
　黒木さんは語る。
　「青春時代の経験は将（しょう）来（らい）を大きく左右します。“教育の力で平和な社会を築（きず）く”との高校時代の誓（ちか）いを果たすため、今後も研究に励（はげ）みます」
　
　◇◆◇　
　
　取材を通して気付くのは、多種多彩な授業が、生徒の“知りたい”という興（きょう）味（み）や関心を引き出し、知識の習得のみならず、人間的な成長につながっていることだ。
　
　池田先生はかつて学園生に呼（よ）びかけた。
　
　「学ぶことは、小さく閉（と）ざされた自分の殻（から）を打ち破（やぶ）っていくことです。
　
　私とともに、また素（す）晴（ば）らしき学園の先生方とともに、開かれた心で、人類の尽（つ）きることのない精神遺（い）産（さん）を学んでいこう！　そして、世界と宇（う）宙（ちゅう）の限（かぎ）りない英知の天空へ、心を高めていこうではありませんか！」
　
　創価高校の生徒たちは主体的な学びの中で、自身を見つめ、秘（ひ）められた才能の芽（め）を大きく伸（の）ばしている。

●「学校設定科目」一覧（2023年度）
　　
　〈語学系〉
　①中国語
　②ハングル
　③ドイツ語
　④スペイン語
　⑤フランス語
　⑥ロシア語
　⑦英語演習【基礎】
　⑧英語文化コミュニケーション
　⑨英語演習【上級】（SAT）
　⑩英語演習【上級】（TOEFL）
　⑪英語入試問題演習【標準】
　⑫英語入試問題演習【上級】
　　
　〈理数・社会科学系〉
　⑬総合解析
　⑭総合代数
　⑮ヒューマンバイオロジー
　⑯ライフケミストリー
　⑰情報基礎
　⑱地理演習
　⑲平和学入門
　　
　〈人文科学・教養系〉
　⑳ことばと自分
　㉑文学講読
　㉒古典講読
　㉓文章トレーニング
　㉔ライフデザイン
　㉕上級音楽
　㉖上級美術
　㉗上級書道
　㉘生涯スポーツ　　　

●「学校設定科目」一覧（2023年度）
　　
　〈語学系〉
　①中国語
　②ハングル
　③ドイツ語
　④スペイン語
　⑤フランス語
　⑥ロシア語
　⑦英語演習【基礎】
　⑧英語文化コミュニケーション
　⑨英語演習【上級】（SAT）
　⑩英語演習【上級】（TOEFL）
　⑪英語入試問題演習【標準】
　⑫英語入試問題演習【上級】
　　
　〈理数・社会科学系〉
　⑬総合解析
　⑭総合代数
　⑮ヒューマンバイオロジー
　⑯ライフケミストリー
　⑰情報基礎
　⑱地理演習
　⑲平和学入門
　　
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