〈ドキュメント〉 なんでやろ? ここやと読書がおもろくなるねん――関西創価中学・高校「万葉図書館」の一日
〈ドキュメント〉 なんでやろ? ここやと読書がおもろくなるねん――関西創価中学・高校「万葉図書館」の一日
2026年11月8日
万葉図書館の前で、関西創価高校・図書委員会の生徒が“推しの一書”を手に
万葉図書館の前で、関西創価高校・図書委員会の生徒が“推しの一書”を手に
〈創価学園のページ〉
〈創価学園のページ〉
全国の中学生だと4人に1人。高校生は2人に1人。これは「1カ月の間に一冊も本を読まなかった」割合です(本年6月、全国学校図書館協議会調べ)。そんな中、関西創価中学・高校(大阪・交野市)の万葉図書館では、「読書がおもろくなるねん」「つい読んでまう」等々と生徒たちが言うのだとか。いったい、なぜ? 開館から閉館まで、その一日に密着しました。(記事=大宮将之、写真=種村伸広)
全国の中学生だと4人に1人。高校生は2人に1人。これは「1カ月の間に一冊も本を読まなかった」割合です(本年6月、全国学校図書館協議会調べ)。そんな中、関西創価中学・高校(大阪・交野市)の万葉図書館では、「読書がおもろくなるねん」「つい読んでまう」等々と生徒たちが言うのだとか。いったい、なぜ? 開館から閉館まで、その一日に密着しました。(記事=大宮将之、写真=種村伸広)
【8時00分】10月23日。館内では十数人の生徒が勉強中。「おはよー!」。図書館スタッフと小声でおしゃべりを始める中学3年の女子生徒も。聞けば「そんなに本は読まないほうだけど」。スタッフのことが大好きで、来るのが日課なのだそう。自然と館内散歩へ。10万冊以上の蔵書と出合える書棚を眺め、3冊を手に取っていました。
【8時00分】10月23日。館内では十数人の生徒が勉強中。「おはよー!」。図書館スタッフと小声でおしゃべりを始める中学3年の女子生徒も。聞けば「そんなに本は読まないほうだけど」。スタッフのことが大好きで、来るのが日課なのだそう。自然と館内散歩へ。10万冊以上の蔵書と出合える書棚を眺め、3冊を手に取っていました。
「最近、家だと勉強のやる気が出えへんくて」。そんな中学1年生が選んだ一冊は、『勉強が面白くなる瞬間』(パク・ソンヒョク著)。きっかけは「ビブリオバトル(書評合戦)全国大会で優勝した先輩が紹介してたんで」。関西中では全生徒が毎学期、ビブリオバトルに挑みます。本の魅力を自分の言葉で楽しく伝え、誰かの「読みたい」を引き出す。また「あの人が言うから」読んでみようとも思えるのでしょう。
「最近、家だと勉強のやる気が出えへんくて」。そんな中学1年生が選んだ一冊は、『勉強が面白くなる瞬間』(パク・ソンヒョク著)。きっかけは「ビブリオバトル(書評合戦)全国大会で優勝した先輩が紹介してたんで」。関西中では全生徒が毎学期、ビブリオバトルに挑みます。本の魅力を自分の言葉で楽しく伝え、誰かの「読みたい」を引き出す。また「あの人が言うから」読んでみようとも思えるのでしょう。
【8時26分】机に向かう高校3年の女子生徒は、ラオス出身。4年前に両親と共に来日し、今は下宿生活をしています。傍らにはノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイさんの自伝と、英語試験の対策本が。「マレーシアの大学を受験するんです」
【8時26分】机に向かう高校3年の女子生徒は、ラオス出身。4年前に両親と共に来日し、今は下宿生活をしています。傍らにはノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイさんの自伝と、英語試験の対策本が。「マレーシアの大学を受験するんです」
【8時45分】教室。静寂。朝読書の時間です。「みんなで一緒に」「約5分」「好きな本を」「ただ読むだけ」――目指すのは読書の習慣化。読みやすい文庫本から『三国志』『レ・ミゼラブル』などの長編まで。思い思いの一書を手に。
【8時45分】教室。静寂。朝読書の時間です。「みんなで一緒に」「約5分」「好きな本を」「ただ読むだけ」――目指すのは読書の習慣化。読みやすい文庫本から『三国志』『レ・ミゼラブル』などの長編まで。思い思いの一書を手に。
【10時14分】中学3年の生徒たちが図書館の丸テーブルを囲んでいます。目の前には、洋書がずらり。2限目の「英語」の授業です。館内には英語の「多読」に適した本が充実していて、絵本から小説まで難易度も幅広い。辞書に頼らず、自分に合った本を楽しみながら読み進めます。「SUA(アメリカ創価大学)に行くまでに読んでほしい」「海外大学へ進学するなら!」というコーナーも。授業後、貸し出し手続きに並ぶ生徒の姿がありました。
【10時14分】中学3年の生徒たちが図書館の丸テーブルを囲んでいます。目の前には、洋書がずらり。2限目の「英語」の授業です。館内には英語の「多読」に適した本が充実していて、絵本から小説まで難易度も幅広い。辞書に頼らず、自分に合った本を楽しみながら読み進めます。「SUA(アメリカ創価大学)に行くまでに読んでほしい」「海外大学へ進学するなら!」というコーナーも。授業後、貸し出し手続きに並ぶ生徒の姿がありました。
こうした授業の背景には教員と図書館職員との連携があります。「図書館協議会」を毎月実施。国語、英語、数学、理科、社会に加え、体育や美術等の教員も参加して、図書館を授業にどう生かすか、話し合っているのです。「読書を通じた人格形成」を人間教育の柱の一つに――これこそが創立者・池田大作先生の示した理念でした。
こうした授業の背景には教員と図書館職員との連携があります。「図書館協議会」を毎月実施。国語、英語、数学、理科、社会に加え、体育や美術等の教員も参加して、図書館を授業にどう生かすか、話し合っているのです。「読書を通じた人格形成」を人間教育の柱の一つに――これこそが創立者・池田大作先生の示した理念でした。
各教科の教員たちと司書が話し合う「図書館協議会」(10月14日)。生徒一人一人の「好き」を育み、「得意」を伸ばす居場所としての図書館を目指す
各教科の教員たちと司書が話し合う「図書館協議会」(10月14日)。生徒一人一人の「好き」を育み、「得意」を伸ばす居場所としての図書館を目指す
全教員が授業でお薦めの一冊を紹介する「ブックナビウイーク」。15年続く取り組み。音楽教員の紹介でダンテの『神曲』を借りた中学1年生も
全教員が授業でお薦めの一冊を紹介する「ブックナビウイーク」。15年続く取り組み。音楽教員の紹介でダンテの『神曲』を借りた中学1年生も
3限目。高校3年4組の「国語」の授業も図書館で。最初の20分は館内を“探検”し、面白そうな本を探す時間です。生徒はそれぞれの「好き」に応じて書棚へ。「先生、私は○○に興味があんねんけど」と尋ねれば、教諭はまるで“歩く図書検索システム”。「こんな本があるよ」と教えてくれます。
「数学」のコーナーで書棚を眺める、体の大きな男子生徒がいました。高校の硬式野球部で投手を務め、今秋、引退したばかり。中学3年の時、インターネットで「野球 強い 大阪」と検索すると関西創価高校が出てきたそう。「実は知らんくて(苦笑)」。調べてみたら「めっちゃいい学校やん」。数学とアニメが大好き。「ここの本の種類と量、えぐいですよね。読みたい本が9割、見つかる」。授業を通して図書館をよく利用するように。勉強面でも特待生として頑張るほど。将来は税理士か公認会計士になりたいそうです。
3限目。高校3年4組の「国語」の授業も図書館で。最初の20分は館内を“探検”し、面白そうな本を探す時間です。生徒はそれぞれの「好き」に応じて書棚へ。「先生、私は○○に興味があんねんけど」と尋ねれば、教諭はまるで“歩く図書検索システム”。「こんな本があるよ」と教えてくれます。
「数学」のコーナーで書棚を眺める、体の大きな男子生徒がいました。高校の硬式野球部で投手を務め、今秋、引退したばかり。中学3年の時、インターネットで「野球 強い 大阪」と検索すると関西創価高校が出てきたそう。「実は知らんくて(苦笑)」。調べてみたら「めっちゃいい学校やん」。数学とアニメが大好き。「ここの本の種類と量、えぐいですよね。読みたい本が9割、見つかる」。授業を通して図書館をよく利用するように。勉強面でも特待生として頑張るほど。将来は税理士か公認会計士になりたいそうです。
【13時19分】昼休み。昼食を終えた中高の生徒が図書館に次から次へ。図書委員会のメンバーは“推しの一書”を紹介する企画の準備をしています。
【13時19分】昼休み。昼食を終えた中高の生徒が図書館に次から次へ。図書委員会のメンバーは“推しの一書”を紹介する企画の準備をしています。
【13時30分】4人の生徒が表彰を受けました。「青少年読書感想文全国コンクール」に挑戦した生徒たちです。大阪府の優秀賞を受賞した高校2年生が読んだのは、エーリッヒ・フロム著『生きるということ』。感想文の題名は「私の『存在価値』」。生き方に悩んだ末にこの一書に出合い、思索を重ね、ある思いに至ったと言います。「私は私として生きている。そのこと自体がすでにかけがえのない価値なんだ」
【13時30分】4人の生徒が表彰を受けました。「青少年読書感想文全国コンクール」に挑戦した生徒たちです。大阪府の優秀賞を受賞した高校2年生が読んだのは、エーリッヒ・フロム著『生きるということ』。感想文の題名は「私の『存在価値』」。生き方に悩んだ末にこの一書に出合い、思索を重ね、ある思いに至ったと言います。「私は私として生きている。そのこと自体がすでにかけがえのない価値なんだ」
【13時43分】幸せそうに館内を歩く男子が一人。「ここの雰囲気が、めっちゃ好きで」。手に取ったのは金融リテラシーを学べる新書。書棚を眺めているうち、自分が何に興味を抱くのかにも気付けるのだそう。「そこから学びたいことも見つかるんですよね」
【13時43分】幸せそうに館内を歩く男子が一人。「ここの雰囲気が、めっちゃ好きで」。手に取ったのは金融リテラシーを学べる新書。書棚を眺めているうち、自分が何に興味を抱くのかにも気付けるのだそう。「そこから学びたいことも見つかるんですよね」
【15時07分】図書館に入ってすぐの所に、表紙を隠した本のコーナーがあります。代わりに貼られているのは、こんな一言。「オール1が教師!? 何があったん?」「桃太郎史上最高傑作」「ストレッチは世界を救う」……国語の授業で生徒が考えたもの。中身が気になりません? 「本の太さにまどわされないで!」。生徒が思わず開いたのは、1000ページ超の小説でした。
【15時07分】図書館に入ってすぐの所に、表紙を隠した本のコーナーがあります。代わりに貼られているのは、こんな一言。「オール1が教師!? 何があったん?」「桃太郎史上最高傑作」「ストレッチは世界を救う」……国語の授業で生徒が考えたもの。中身が気になりません? 「本の太さにまどわされないで!」。生徒が思わず開いたのは、1000ページ超の小説でした。
【16時03分】放課後は「図書館に行こうDAY」と題するイベント。「七夕お茶会」「百人一首カルタ会」「落語会」など多彩なテーマで開催してきました。101回目のこの日は、日本の名城巡りが趣味の数学科教諭が「史上最強の城はどこ?」と掲げて熱弁。これも大盛況! 高校サッカー部の部員は全員参加なのだそう。顧問いわく「一流の選手は必ず本を読んでいる」。
【16時03分】放課後は「図書館に行こうDAY」と題するイベント。「七夕お茶会」「百人一首カルタ会」「落語会」など多彩なテーマで開催してきました。101回目のこの日は、日本の名城巡りが趣味の数学科教諭が「史上最強の城はどこ?」と掲げて熱弁。これも大盛況! 高校サッカー部の部員は全員参加なのだそう。顧問いわく「一流の選手は必ず本を読んでいる」。
【16時51分】中学3年の女子生徒3人が、「ポップ」と呼ばれる本の手作り紹介広告を持ってきました。美術の授業で作ったそう。本を読み、言葉を考え、デザインに落とし込む。「読書がいろんな力につながっていく感じ」
【16時51分】中学3年の女子生徒3人が、「ポップ」と呼ばれる本の手作り紹介広告を持ってきました。美術の授業で作ったそう。本を読み、言葉を考え、デザインに落とし込む。「読書がいろんな力につながっていく感じ」
【17時13分】静けさを増す図書館。一人で、また友と一緒に、勉強や読書に励む生徒たち。閉館間際。男子生徒が借りていったのは、シェークスピアの古典です。17時35分。館内の照明が落ちました。
【17時13分】静けさを増す図書館。一人で、また友と一緒に、勉強や読書に励む生徒たち。閉館間際。男子生徒が借りていったのは、シェークスピアの古典です。17時35分。館内の照明が落ちました。
●最後までお読みいただき、ありがとうございます。ご感想は、こちらからお寄せください。
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●万葉図書館で、学園生のステキな表情にたくさん出あいました。その瞬間瞬間を収めた電子版フォトブックは、こちらから。
●万葉図書館で、学園生のステキな表情にたくさん出あいました。その瞬間瞬間を収めた電子版フォトブックは、こちらから。
万葉図書館のキャラクター「マンヨ~ちゃん」。本が大好き。緑の毛に見えるのは、実は1万枚の葉。2016年に図書委員会の生徒がデザインした
万葉図書館のキャラクター「マンヨ~ちゃん」。本が大好き。緑の毛に見えるのは、実は1万枚の葉。2016年に図書委員会の生徒がデザインした