〈インタビュー〉 久本雅美さん「“ワハハならではのショービジネスを見せつけてやれ”というメッセージだと感じ取りました」 喰始さんと語るワハハ本舗特別公演「最後のショービジネス」への思い
〈インタビュー〉 久本雅美さん「“ワハハならではのショービジネスを見せつけてやれ”というメッセージだと感じ取りました」 喰始さんと語るワハハ本舗特別公演「最後のショービジネス」への思い
2026年9月24日
- 11月11日(水)から東京・シアターサンモールで
- 2027年2月にシアター1010、そのほか全国でも公演予定
- 11月11日(水)から東京・シアターサンモールで
- 2027年2月にシアター1010、そのほか全国でも公演予定
インタビューを受けてくれた久本雅美さん㊨と喰始さん
インタビューを受けてくれた久本雅美さん㊨と喰始さん
既成概念にとらわれない“ノンジャンル”の劇団として“唯一無二の笑い”を追求し続ける劇団「ワハハ本舗」。今回の公演タイトルは、「最後のショービジネス」と決まった。11月からの本番を前に、構成・演出を手がける喰始さんと出演する久本雅美さんに、舞台へ懸ける熱い思いや見どころを聞いた。
既成概念にとらわれない“ノンジャンル”の劇団として“唯一無二の笑い”を追求し続ける劇団「ワハハ本舗」。今回の公演タイトルは、「最後のショービジネス」と決まった。11月からの本番を前に、構成・演出を手がける喰始さんと出演する久本雅美さんに、舞台へ懸ける熱い思いや見どころを聞いた。
元々は映画監督になるのが夢だったと語る喰始さん
元々は映画監督になるのが夢だったと語る喰始さん
◆素質を引き出す
◆素質を引き出す
ワハハ本舗の舞台演出には、これといった型がない。それは、役者一人一人が本来持つ素質を最大限に引き出す、喰さん独自の演出法によるものだ。そこには「役者であっても、自分で“脚本”を作る力が必要」との信念がある。
喰さんはしばしば劇団員に対し、「課題」を出すことがある。それは日常のささいな出来事や恋人とのデートの思い出など、一見すると芝居とは関係のない話題を示し、皆の前で楽しく話してみようというものだ。
「いろいろなことに好奇心を向けていくことが大事。何が役者のプラスになるのか分からないですから」と言う喰さんに対し、久本さんは「今、自分が何を面白がっているのかを、毎回突き付けられています。ある意味で、ワハハ本舗ほど、しんどい舞台はない(笑)」と率直に言葉を返す。
こうした“自らを捉え直す挑戦”が、用意された台本をなぞるだけとは違う、喰さんが求める「役者の作家性」につながっていくのだろう。過去の成功体験にすがり、同じことを繰り返すのを、喰さんは何より嫌うそうだ。
「一つの物事が終わろうとしても、それは次へのスタートになっているもの。(今回のタイトルに)“最後”とうたっていながらも、これから始まるのだというメッセージを込めたい」
ワハハ本舗の舞台演出には、これといった型がない。それは、役者一人一人が本来持つ素質を最大限に引き出す、喰さん独自の演出法によるものだ。そこには「役者であっても、自分で“脚本”を作る力が必要」との信念がある。
喰さんはしばしば劇団員に対し、「課題」を出すことがある。それは日常のささいな出来事や恋人とのデートの思い出など、一見すると芝居とは関係のない話題を示し、皆の前で楽しく話してみようというものだ。
「いろいろなことに好奇心を向けていくことが大事。何が役者のプラスになるのか分からないですから」と言う喰さんに対し、久本さんは「今、自分が何を面白がっているのかを、毎回突き付けられています。ある意味で、ワハハ本舗ほど、しんどい舞台はない(笑)」と率直に言葉を返す。
こうした“自らを捉え直す挑戦”が、用意された台本をなぞるだけとは違う、喰さんが求める「役者の作家性」につながっていくのだろう。過去の成功体験にすがり、同じことを繰り返すのを、喰さんは何より嫌うそうだ。
「一つの物事が終わろうとしても、それは次へのスタートになっているもの。(今回のタイトルに)“最後”とうたっていながらも、これから始まるのだというメッセージを込めたい」
喰さんとテンポの良い掛け合いを見せた久本さん
喰さんとテンポの良い掛け合いを見せた久本さん
◆“不器用”を強みに
◆“不器用”を強みに
今や国民的スターとして活躍する久本さんだが、喰さんの最初の印象は「ガッツはあるが、芝居が下手で不器用な子」との厳しい評価だった。当時の久本さんは「周りと比べて、自分は特徴がない、インパクトもない」と思い悩み、舞台上で本来の面白さを発揮できずにいたと振り返る。
そんな彼女に、喰さんは「久本らしくていいんだよ」「絶対面白いから」と言葉をかけ続け、自分が心から面白いと信じるものを、ありのまま出し切ればいい、と伝え抜いた。久本さんは「本気で付き合っていこうと思っていなければ、そんなこと言わないじゃないですか。本当に感謝ですよね」と述懐する。
後に、久本さんは喰さんの励ましを胸に挑んだネタ「オカルト二人羽織」で、見事に自らの殻を破る。魂を込めた全力のパフォーマンスに、客席はかつてない爆笑に包まれた。
喰さんは語る。「小器用な人はすぐに使われるけど、そこで止まってしまうこともある。不器用な人は時間がかかるが、ある時、誰も予想しなかった場所まで大きく成長する可能性がある」。久本さんは「テレビであろうが、演劇であろうが、どんな場所でも、喰さんから学んだことが全て生かされていると実感します」と満面の笑みを浮かべた。
今や国民的スターとして活躍する久本さんだが、喰さんの最初の印象は「ガッツはあるが、芝居が下手で不器用な子」との厳しい評価だった。当時の久本さんは「周りと比べて、自分は特徴がない、インパクトもない」と思い悩み、舞台上で本来の面白さを発揮できずにいたと振り返る。
そんな彼女に、喰さんは「久本らしくていいんだよ」「絶対面白いから」と言葉をかけ続け、自分が心から面白いと信じるものを、ありのまま出し切ればいい、と伝え抜いた。久本さんは「本気で付き合っていこうと思っていなければ、そんなこと言わないじゃないですか。本当に感謝ですよね」と述懐する。
後に、久本さんは喰さんの励ましを胸に挑んだネタ「オカルト二人羽織」で、見事に自らの殻を破る。魂を込めた全力のパフォーマンスに、客席はかつてない爆笑に包まれた。
喰さんは語る。「小器用な人はすぐに使われるけど、そこで止まってしまうこともある。不器用な人は時間がかかるが、ある時、誰も予想しなかった場所まで大きく成長する可能性がある」。久本さんは「テレビであろうが、演劇であろうが、どんな場所でも、喰さんから学んだことが全て生かされていると実感します」と満面の笑みを浮かべた。
◆不幸の履歴書
◆不幸の履歴書
“ワハハ”の稽古場では、既存の価値観をひっくり返すために、「不幸の履歴書」というワークショップが行われている。自分の身に起きた悲しい出来事を思い思いに書き出し、皆の前で発表しようという試みだ。
「不幸で、かわいそう」と思われそうなことも、普段あまり付き合いのない人に話すと、肯定的な意味で「何それ、逆に面白い人生だね」と受け取られることがあるそうだ。そして、そんな周囲の反応を目の当たりにして、「そういう考え方もあるのか」と、発想が転換されるのだという。
このワークショップを踏まえ、喰さんは「これは恥ずかしいことだとか、自分で自分を決めつけないことが大切」と強調する。
喰さんは自身に厳しく、ストイックだ。毎月30本もの映画を鑑賞し、部屋が本であふれるほどの愛読家でもある。日々さまざまなものを吸収して自身をアップデートしている。固定観念に縛られず、多様な視点を持とうとする姿勢は、圧倒的なインプットの副産物なのかもしれない。
“ワハハ”の稽古場では、既存の価値観をひっくり返すために、「不幸の履歴書」というワークショップが行われている。自分の身に起きた悲しい出来事を思い思いに書き出し、皆の前で発表しようという試みだ。
「不幸で、かわいそう」と思われそうなことも、普段あまり付き合いのない人に話すと、肯定的な意味で「何それ、逆に面白い人生だね」と受け取られることがあるそうだ。そして、そんな周囲の反応を目の当たりにして、「そういう考え方もあるのか」と、発想が転換されるのだという。
このワークショップを踏まえ、喰さんは「これは恥ずかしいことだとか、自分で自分を決めつけないことが大切」と強調する。
喰さんは自身に厳しく、ストイックだ。毎月30本もの映画を鑑賞し、部屋が本であふれるほどの愛読家でもある。日々さまざまなものを吸収して自身をアップデートしている。固定観念に縛られず、多様な視点を持とうとする姿勢は、圧倒的なインプットの副産物なのかもしれない。
今作の取材会に登壇した出演者たち
今作の取材会に登壇した出演者たち
◆“最後”との覚悟で
◆“最後”との覚悟で
いよいよこれから本格的な稽古が始まる。今作では、多彩な外部出演者を積極的に迎え、過去最多の出演者で挑む“新しいワハハ本舗”を前面に押し出している。
喰さんは「私も来年で80歳。これで終わりという思いで挑まないと、生ぬるいものになりそうなんで。やり残しがないように、“本当にこれが最後”と思って臨みます」と決意を述べた。
一方、久本さんは「ワハハがスタートして42年。創立メンバーも70歳近くになってきました。公演のタイトルを聞いた時、“ワハハならではの本当のショービジネスを見せつけてやれ”というメッセージだと感じ取りました」と笑顔を見せながらも、気合十分だ。
かつてない規模と密度を備えた“ショービジネス”に期待は高まる。「絶対に面白いです!」と声を合わせる二人の瞳から、覚悟と情熱が真っすぐに伝わってきた。
いよいよこれから本格的な稽古が始まる。今作では、多彩な外部出演者を積極的に迎え、過去最多の出演者で挑む“新しいワハハ本舗”を前面に押し出している。
喰さんは「私も来年で80歳。これで終わりという思いで挑まないと、生ぬるいものになりそうなんで。やり残しがないように、“本当にこれが最後”と思って臨みます」と決意を述べた。
一方、久本さんは「ワハハがスタートして42年。創立メンバーも70歳近くになってきました。公演のタイトルを聞いた時、“ワハハならではの本当のショービジネスを見せつけてやれ”というメッセージだと感じ取りました」と笑顔を見せながらも、気合十分だ。
かつてない規模と密度を備えた“ショービジネス”に期待は高まる。「絶対に面白いです!」と声を合わせる二人の瞳から、覚悟と情熱が真っすぐに伝わってきた。
◆公演情報
◆公演情報
【東京公演】
●日程・会場=11月11日(水)~15日(日) シアターサンモール 料金=1万1000円(税込み)
●日程・会場=2027年2月5日(金)~7日(日) シアター1010 料金=S席1万1000円、A席9800円(税込み)
※当日券は両公演とも800円増し 問い合わせ=ワハハ本舗 03(3406)4472
※そのほか、11月に宮城、福島、大阪、12月に長野、富山。2027年1月に鹿児島、福岡、静岡、群馬、2月に愛知、兵庫で上演予定。日時などの詳細は公式ホームページを参照。
【東京公演】
●日程・会場=11月11日(水)~15日(日) シアターサンモール 料金=1万1000円(税込み)
●日程・会場=2027年2月5日(金)~7日(日) シアター1010 料金=S席1万1000円、A席9800円(税込み)
※当日券は両公演とも800円増し 問い合わせ=ワハハ本舗 03(3406)4472
※そのほか、11月に宮城、福島、大阪、12月に長野、富山。2027年1月に鹿児島、福岡、静岡、群馬、2月に愛知、兵庫で上演予定。日時などの詳細は公式ホームページを参照。
◆プロフィル
◆プロフィル
たべ・はじめ 1947年12月25日生まれ、香川県出身。「ワハハ本舗」代表取締役。演出家、放送作家。84年、ワハハ本舗を主宰。“ワハハ作品”の作・演出を手がけるほか、「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」(日テレ系)など、数々のバラエティー番組の構成を担当してきた。
たべ・はじめ 1947年12月25日生まれ、香川県出身。「ワハハ本舗」代表取締役。演出家、放送作家。84年、ワハハ本舗を主宰。“ワハハ作品”の作・演出を手がけるほか、「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」(日テレ系)など、数々のバラエティー番組の構成を担当してきた。
ひさもと・まさみ 1958年7月9日生まれ、大阪府出身。劇団東京ヴォードヴィルショーの一員としてキャリアを積み、84年に喰始や柴田理恵、佐藤正宏らと共に「ワハハ本舗」を設立。舞台のほかテレビ、ラジオ、CMなど、活躍は多岐にわたる。「秘密のケンミンSHOW極」「ヒルナンデス!」(日テレ系)などに出演中。
ひさもと・まさみ 1958年7月9日生まれ、大阪府出身。劇団東京ヴォードヴィルショーの一員としてキャリアを積み、84年に喰始や柴田理恵、佐藤正宏らと共に「ワハハ本舗」を設立。舞台のほかテレビ、ラジオ、CMなど、活躍は多岐にわたる。「秘密のケンミンSHOW極」「ヒルナンデス!」(日テレ系)などに出演中。
【記事】小滝清 【写真】伊野光
公演の公式ホームページはこちら
【記事】小滝清 【写真】伊野光
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