〈インタビュー〉 錦織一清さん演出×久本雅美さん主演 舞台「毒薬と老嬢」
〈インタビュー〉 錦織一清さん演出×久本雅美さん主演 舞台「毒薬と老嬢」
2025年2月20日
- 3月27日(木)から、東京・三越劇場で
- 3月27日(木)から、東京・三越劇場で
1941年に初演されるや大ヒットし、米ブロードウェーや英ウエストエンドを席巻。2778回ものロングラン上演を記録した舞台「毒薬と老嬢」が、久本雅美さんと大湖せしるさんのW主演で、3月27日(木)から東京・三越劇場で始まる。演出は、錦織一清さんが担当する。上演に先立ち、錦織さんと久本さんに作品の魅力や公演への意気込みなどを聞いた。
1941年に初演されるや大ヒットし、米ブロードウェーや英ウエストエンドを席巻。2778回ものロングラン上演を記録した舞台「毒薬と老嬢」が、久本雅美さんと大湖せしるさんのW主演で、3月27日(木)から東京・三越劇場で始まる。演出は、錦織一清さんが担当する。上演に先立ち、錦織さんと久本さんに作品の魅力や公演への意気込みなどを聞いた。
演出を担当する錦織一清さん㊧と、老姉妹の姉・アビー役の久本雅美さん
演出を担当する錦織一清さん㊧と、老姉妹の姉・アビー役の久本雅美さん
◆希有な演出
◆希有な演出
――「毒薬と老嬢」は、米ブロードウェー発の戯曲で、後に映画化もされた名作です。
錦織「安楽死などをテーマにした、結構“攻めている”演劇ですが、やっぱりジョークだから面白いんだと思います。本当によくできたブラックコメディーです」
久本「老姉妹がやっているのは悪いことなんですけど、脚本がしっかりしているので、クスッと笑えちゃうんです。錦織さんのユーモアも随所にちりばめられていて、面白いですよ」
――2022年に続く3年ぶりの公演となります。
久本「大好きな作品なので再演はとてもうれしいです。初共演の大湖さんとの掛け合いから生まれる“化学反応”にも、ぜひ期待してください」
錦織「舞台の面白いところは、今日がうまくいったからといって、明日も同じようにはいかないところ。だから“舞台は成長するもの”といわれるんです。なので今回も、前作を超える“新作”を生み出す思いで臨みますよ」
――「毒薬と老嬢」は、米ブロードウェー発の戯曲で、後に映画化もされた名作です。
錦織「安楽死などをテーマにした、結構“攻めている”演劇ですが、やっぱりジョークだから面白いんだと思います。本当によくできたブラックコメディーです」
久本「老姉妹がやっているのは悪いことなんですけど、脚本がしっかりしているので、クスッと笑えちゃうんです。錦織さんのユーモアも随所にちりばめられていて、面白いですよ」
――2022年に続く3年ぶりの公演となります。
久本「大好きな作品なので再演はとてもうれしいです。初共演の大湖さんとの掛け合いから生まれる“化学反応”にも、ぜひ期待してください」
錦織「舞台の面白いところは、今日がうまくいったからといって、明日も同じようにはいかないところ。だから“舞台は成長するもの”といわれるんです。なので今回も、前作を超える“新作”を生み出す思いで臨みますよ」
――錦織さんの演出は独特なようですね。
久本「稽古中、演出家は席に座りながら指示を出すことが多いんですけど、錦織さんはずっと動き回っています(笑)」
錦織「僕は演者でもあるから、実際の舞台の上で役者の視点に立たないと、いいアイデアが出ないんです。みんなの邪魔をしているわけじゃないんですよ(笑)」
久本「そういう演出法だからこそ、独特の笑いや世界観ができるんだと思います。とても希有な演出家です」
――錦織さんの演出は独特なようですね。
久本「稽古中、演出家は席に座りながら指示を出すことが多いんですけど、錦織さんはずっと動き回っています(笑)」
錦織「僕は演者でもあるから、実際の舞台の上で役者の視点に立たないと、いいアイデアが出ないんです。みんなの邪魔をしているわけじゃないんですよ(笑)」
久本「そういう演出法だからこそ、独特の笑いや世界観ができるんだと思います。とても希有な演出家です」
◆カモの水かき
◆カモの水かき
――錦織さんから見て、舞台俳優としての久本さんはどう映っていますか?
錦織「簡単に劇場を沸かせているように見えるけど、人知れぬ努力を重ねている人です。例えて言うと、水面をスーッと気持ちよく泳いでいるようで、実は必死に足を動かしている。カモの水かきのような“苦労を見せない美学”を持っている方だと思います」
久本「いえいえ恐縮です。夜、横になっても“この方が面白いんじゃないか”“こんな言い方なら観客の心に響くのでは”ということを、ずっと考えています。体に悪いことをしているなと思いますよ、本当に(笑)。でも、それほど舞台が大好きなんです」
――錦織さんから見て、舞台俳優としての久本さんはどう映っていますか?
錦織「簡単に劇場を沸かせているように見えるけど、人知れぬ努力を重ねている人です。例えて言うと、水面をスーッと気持ちよく泳いでいるようで、実は必死に足を動かしている。カモの水かきのような“苦労を見せない美学”を持っている方だと思います」
久本「いえいえ恐縮です。夜、横になっても“この方が面白いんじゃないか”“こんな言い方なら観客の心に響くのでは”ということを、ずっと考えています。体に悪いことをしているなと思いますよ、本当に(笑)。でも、それほど舞台が大好きなんです」
◆芝居の間
◆芝居の間
――そこまでされる、舞台の魅力は何ですか。
久本「やっぱり、お客さんの反応を目の前で見られることですね。喜んでいただけると、全ての苦労が報われます。間合いの取り方も、お客さんの反応によって変わっちゃいます」
錦織「久本さんのすごいところは、常にお客さんとの間合いを計っていること。若い俳優にも言うけど、それが“芝居の間”。昨日と同じ演技だとダメなんですよ」
久本「これは自分でも分からないけど、空気がそうさせますね。若い頃は言われるままに演じていたけど、場数を踏むうちに、その時の空気によって、せりふのタイミングや言い方が変わるのを体が覚えていくんです」
――最後に、読者にメッセージをお願いします。
錦織「いつも、作品の出来具合を聞かれたら、“1回見ただけでは分からないように作りました”と答えています(笑)。面白い舞台ですので、ぜひ劇場に足をお運びください」
久本「舞台が始まる前に、こうやって錦織さんと話ができて身が引き締まりました。私も改めて役柄と向き合い、新作をつくる思いで精いっぱい頑張ります」
――そこまでされる、舞台の魅力は何ですか。
久本「やっぱり、お客さんの反応を目の前で見られることですね。喜んでいただけると、全ての苦労が報われます。間合いの取り方も、お客さんの反応によって変わっちゃいます」
錦織「久本さんのすごいところは、常にお客さんとの間合いを計っていること。若い俳優にも言うけど、それが“芝居の間”。昨日と同じ演技だとダメなんですよ」
久本「これは自分でも分からないけど、空気がそうさせますね。若い頃は言われるままに演じていたけど、場数を踏むうちに、その時の空気によって、せりふのタイミングや言い方が変わるのを体が覚えていくんです」
――最後に、読者にメッセージをお願いします。
錦織「いつも、作品の出来具合を聞かれたら、“1回見ただけでは分からないように作りました”と答えています(笑)。面白い舞台ですので、ぜひ劇場に足をお運びください」
久本「舞台が始まる前に、こうやって錦織さんと話ができて身が引き締まりました。私も改めて役柄と向き合い、新作をつくる思いで精いっぱい頑張ります」
一言で表せば“互いをたたえ合う言葉の応酬”。そこに偽りはない。二人の絆の強さを感じるひとときだった。“前作を上回る作品を”と、たゆまぬ向上心を持つ錦織さんや久本さんらによる新生「毒薬と老嬢」の開幕を心待ちにしたい。
一言で表せば“互いをたたえ合う言葉の応酬”。そこに偽りはない。二人の絆の強さを感じるひとときだった。“前作を上回る作品を”と、たゆまぬ向上心を持つ錦織さんや久本さんらによる新生「毒薬と老嬢」の開幕を心待ちにしたい。
【記事】鈴木政己 【写真】工藤正孝
【記事】鈴木政己 【写真】工藤正孝
◆錦織さんプロフィル
◆錦織さんプロフィル
にしきおり・かずきよ 1965年生まれ、東京都出身。85年、アイドルグループの一員としてデビュー後、俳優としても活躍する。99年の舞台「蒲田行進曲」への出演を機に舞台演出に携わるように。自らが演出を手がける舞台「熱海殺人事件」が4月30日(水)から上演予定。
にしきおり・かずきよ 1965年生まれ、東京都出身。85年、アイドルグループの一員としてデビュー後、俳優としても活躍する。99年の舞台「蒲田行進曲」への出演を機に舞台演出に携わるように。自らが演出を手がける舞台「熱海殺人事件」が4月30日(水)から上演予定。
◆久本さんプロフィル
◆久本さんプロフィル
ひさもと・まさみ 1958年生まれ、大阪府出身。劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、84年に柴田理恵さんらと「WAHAHA本舗」を結成。タレントのほか、俳優としても活躍。「秘密のケンミンSHOW極」(日テレ系)、「ヒルナンデス!」(同)などにレギュラー出演中。
ひさもと・まさみ 1958年生まれ、大阪府出身。劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、84年に柴田理恵さんらと「WAHAHA本舗」を結成。タレントのほか、俳優としても活躍。「秘密のケンミンSHOW極」(日テレ系)、「ヒルナンデス!」(同)などにレギュラー出演中。
◆ストーリー
◆ストーリー
米ニューヨーク・ブルックリンの閑静な住宅街に住んでいる、アビー(久本)とマーサ(大湖)の老姉妹。二人は、おいのテディ(渋谷天笑)と同居している。
アビーとマーサは町で評判の慈善家で、身寄りのない年寄りに施しを行っていると、うわさされていた。その老人たちへのおもてなしは、手作りの“ぼけ酒”だ。
ある日、テディの弟モーティマー(納谷健)は、応接間にあるチェストの中で二人の秘密を見てしまう……。
米ニューヨーク・ブルックリンの閑静な住宅街に住んでいる、アビー(久本)とマーサ(大湖)の老姉妹。二人は、おいのテディ(渋谷天笑)と同居している。
アビーとマーサは町で評判の慈善家で、身寄りのない年寄りに施しを行っていると、うわさされていた。その老人たちへのおもてなしは、手作りの“ぼけ酒”だ。
ある日、テディの弟モーティマー(納谷健)は、応接間にあるチェストの中で二人の秘密を見てしまう……。
〈公演情報〉
〈公演情報〉
【日時・会場】3月27日(木)~4月4日(金) 東京・三越劇場 ※4月2日(水)は休演。日により公演回数は異なる
【料金】1等席1万1000円、2等席8000円、3等席6000円、4等席4000円(税込み) ※一般販売は2月22日(土)から
【問い合わせ】三越劇場 0120(03)9354
※各公演終わりにアフタートークあり(初日と最終日は除く)。久本さんは3月30日(日)と4月1日(火)に参加予定
【日時・会場】3月27日(木)~4月4日(金) 東京・三越劇場 ※4月2日(水)は休演。日により公演回数は異なる
【料金】1等席1万1000円、2等席8000円、3等席6000円、4等席4000円(税込み) ※一般販売は2月22日(土)から
【問い合わせ】三越劇場 0120(03)9354
※各公演終わりにアフタートークあり(初日と最終日は除く)。久本さんは3月30日(日)と4月1日(火)に参加予定
〈直筆サイン入り色紙をプレゼント〉
〈直筆サイン入り色紙をプレゼント〉
錦織さんと久本さんの直筆サイン入り色紙を、それぞれ5人の読者にプレゼントします。応募方法は紙面でご確認ください。
錦織さんと久本さんの直筆サイン入り色紙を、それぞれ5人の読者にプレゼントします。応募方法は紙面でご確認ください。
公式ホームページはこちら
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