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〈SDGs×SEIKYO〉 解説編「差別なき社会へ」 2024年11月23日

 「SDGs×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える 未来のカタチ」。今回のテーマは、SDGs(持続可能な開発目標)の目標10「人や国の不平等をなくそう」。差別なき社会を実現するための課題について考えます。

「みんなが社会の大切な一員」 作・迎朝子
「みんなが社会の大切な一員」 作・迎朝子

 この前、地域の役所に行ったら、たくさんの外国人がいました。普段は会わないけれど、身近に、たくさんの外国出身の方々が住んでいることを実感しました。 

 うむ。さまざまな事情から外国に移り住む国際移民の数は、年々増えておる。日本も、約50年後には、全人口の10人に1人が移民になる、という推定もある。

 へー、そうなんだ! いろいろな国の人と友達になれて楽しそう!

 そうじゃな。だが深刻な問題もある。移民の人々が、適切な医療を受けられなかったり、過酷な労働環境で働かざるを得なかったりするなど、福祉政策が十分でない国がたくさんあるんじゃ。

 日本でも、移民に関しては多くの課題がありますよね。今後は、ますます「社会的包摂」が大事だと、学校で学びました。

 社会的包摂って何?

 ソーシャルインクルージョンともいう。誰もが排除されず、社会の一員として生活できることを指す。SDGsの目標10でも、「年齢、性別、障がい、人種、民族、生まれ、宗教、経済状態」などにかかわらず、全ての人々が社会に参画できるようにする、とある。

 人種差別は、今も世界的な問題ですね。

 歴史的に有名なのは南アフリカのアパルトヘイト。有色人種を差別し、白人を優遇する人種隔離政策じゃ。1991年に廃止されたが、いまだに黒人の失業率は白人の4倍もあるという。近年は、アメリカで始まった「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)」運動など、黒人の人権を訴える活動が世界中に広がった。人種差別は、歴史的に根深い問題じゃ。

 そうなんだ……。

 障がいのある人々への差別も大きな課題じゃ。世界では、約6億5000万人に身体的、精神的な障がいがあるとされる。

 知らなかったです。

 特に開発途上国では、障がい者を守る福祉制度や環境が整っていない。教育を受けたり、仕事に就いたりする機会が与えられず、貧困に陥ることが多い。先進国である日本でも、障がい者の相対的貧困率は25%を超えているんじゃ。

 障がいのある子どもたちは、どんな状況なの?

 開発途上国では、障がいのある子どもとない子どもでは、学ぶ機会に大きな差がある。例えば、アフリカのエチオピアの農村部では、障がいのない子どもの場合、53%が中学校に通えている。一方で、障がいのある子どもたちは、約2%しか通えていないという。

 さまざまな対策が必要ですね。

 世界では、社会保障を受けられる子どもの割合は35%しかない。つまり、家族の収入が途絶えたりして生活を送るのが難しくなった時に、政府がサポートをしてくれる制度のある国に暮らしているのは、世界の子どものうち3人に1人しかいないことになる。
 平等な社会の実現には、まだほど遠いのが実情じゃ。「誰一人取り残さない」というSDGsの理念を、一人一人が深く心に刻んで、社会を変えていかねばならん。

※ご感想をお寄せください
sdgs@seikyo-np.jp
  
※聖教電子版の「SDGs」特集ページが閲覧できます。
https://www.seikyoonline.com/summarize/sdgs_seikyo.html

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