〈Seikyo Gift〉 スマホ・パソコンが不調の原因?〈健康PLUS〉
〈Seikyo Gift〉 スマホ・パソコンが不調の原因?〈健康PLUS〉
2026年3月28日
東京脳神経センター理事長 松井孝嘉さん
東京脳神経センター理事長 松井孝嘉さん
多くの人にとって生活に欠かすことができないスマートフォンやパソコン。使用する際の典型的な前傾姿勢は、首や肩などの負荷を強めます。約50年にわたり首と自律神経の関係を研究してきた脳神経外科医の松井孝嘉さんに首を守るポイントを聞きました。(1月17日付)
多くの人にとって生活に欠かすことができないスマートフォンやパソコン。使用する際の典型的な前傾姿勢は、首や肩などの負荷を強めます。約50年にわたり首と自律神経の関係を研究してきた脳神経外科医の松井孝嘉さんに首を守るポイントを聞きました。(1月17日付)
〈ポイント〉
〈ポイント〉
① 首は自律神経の通り道
② 4~6キロの頭を支える
③ 15分に1回、休ませる
① 首は自律神経の通り道
② 4~6キロの頭を支える
③ 15分に1回、休ませる
原因は年齢や体質、疲れだけではない
原因は年齢や体質、疲れだけではない
PIXTA
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成人の頭の重さは約4~6キロあります。
頸椎(首の骨)の緩やかなカーブ形状によって、負荷を分散させながら、この重さを支えています。
しかし、パソコンやスマホの使用時などの前傾姿勢には注意が必要です。首筋の張りや肩凝りなどの筋肉疲労だけでなく、さまざまな健康被害のリスクを高めます。頭が前に突き出た前傾姿勢になると、頸椎本来のカーブ形状が失われ、頭の重さの数倍の負荷が首の後方に集中し、首の曲がる角度に比例して増していきます。15度で12キロ、30度で18キロ、45度で22キロ、60度では27キロもの負荷がかかるといわれています。
成人の頭の重さは約4~6キロあります。
頸椎(首の骨)の緩やかなカーブ形状によって、負荷を分散させながら、この重さを支えています。
しかし、パソコンやスマホの使用時などの前傾姿勢には注意が必要です。首筋の張りや肩凝りなどの筋肉疲労だけでなく、さまざまな健康被害のリスクを高めます。頭が前に突き出た前傾姿勢になると、頸椎本来のカーブ形状が失われ、頭の重さの数倍の負荷が首の後方に集中し、首の曲がる角度に比例して増していきます。15度で12キロ、30度で18キロ、45度で22キロ、60度では27キロもの負荷がかかるといわれています。
首の角度による頸部負荷の変化
首の角度による頸部負荷の変化
首は、脳から全身に行き届く自律神経の通り道でもあり、凝りや張りは自律神経の調整機能の低下を招きます。具体的には体をリラックスさせて、疲労を回復させる副交感神経の働きが弱まり、頭痛や倦怠感などの不調につながってしまいます。
こうした症状は、「疲れがたまっているだけ」「年齢や体質のせい」と受け止められやすい傾向があります。結果、“前傾姿勢による首の異常”という原因にたどりつかないまま、首の状態が悪化してしまうことが少なくありません。
すると、筋肉の緊張が慢性化し、頸椎の前方カーブが恒常的に失われてしまう「ストレートネック」のリスクが高まります。
常に頭の重量が首後方に集中するようになることから、原因不明の疲労・だるさが出て、何もする気が起きなくなります。意欲・気力が減退し、さらに不安も併発し、“自律神経うつ”という首凝りの病によるうつが発症するようになります。これが放置されると、うつは重症化します。命に関わることもあり、早めの対処が大切です。
首は、脳から全身に行き届く自律神経の通り道でもあり、凝りや張りは自律神経の調整機能の低下を招きます。具体的には体をリラックスさせて、疲労を回復させる副交感神経の働きが弱まり、頭痛や倦怠感などの不調につながってしまいます。
こうした症状は、「疲れがたまっているだけ」「年齢や体質のせい」と受け止められやすい傾向があります。結果、“前傾姿勢による首の異常”という原因にたどりつかないまま、首の状態が悪化してしまうことが少なくありません。
すると、筋肉の緊張が慢性化し、頸椎の前方カーブが恒常的に失われてしまう「ストレートネック」のリスクが高まります。
常に頭の重量が首後方に集中するようになることから、原因不明の疲労・だるさが出て、何もする気が起きなくなります。意欲・気力が減退し、さらに不安も併発し、“自律神経うつ”という首凝りの病によるうつが発症するようになります。これが放置されると、うつは重症化します。命に関わることもあり、早めの対処が大切です。
自己流のストレッチや
マッサージは要注意
自己流のストレッチや
マッサージは要注意
スマホやパソコン、ゲームを使用する際は、小まめに首のストレッチをするといいでしょう。
私は15分ごとに30秒間の首の体操をしています。両手を首の後ろで組んで、首を倒して天井を見るだけ。それだけで十分な予防になります。
15分ごとに休憩が取れない時は、例えば1時間ごとでもいいでしょう。その際は30秒ではなく1分ほど、先の姿勢を取ることを心がけてください。「ネック・リラクゼーション」(下)を参考にしてください。
一方で、自己判断で首を強くもんだり、自己流のストレッチを行ったりすると逆効果になる可能性が非常に高いです。市販の器具や機器に頼るのもおすすめできません。
首は脳に近いなど、非常に繊細な部位のため、日常で負担を軽減すること。違和感があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
スマホやパソコン、ゲームを使用する際は、小まめに首のストレッチをするといいでしょう。
私は15分ごとに30秒間の首の体操をしています。両手を首の後ろで組んで、首を倒して天井を見るだけ。それだけで十分な予防になります。
15分ごとに休憩が取れない時は、例えば1時間ごとでもいいでしょう。その際は30秒ではなく1分ほど、先の姿勢を取ることを心がけてください。「ネック・リラクゼーション」(下)を参考にしてください。
一方で、自己判断で首を強くもんだり、自己流のストレッチを行ったりすると逆効果になる可能性が非常に高いです。市販の器具や機器に頼るのもおすすめできません。
首は脳に近いなど、非常に繊細な部位のため、日常で負担を軽減すること。違和感があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
【ネック・リラクゼーション】
【ネック・リラクゼーション】
15分に1回、上を向くだけ。首休めを習慣にする、手始めの簡単ケア。
15分に1回、上を向くだけ。首休めを習慣にする、手始めの簡単ケア。
① 頭の後ろで両手を組む
① 頭の後ろで両手を組む
背もたれのあるイスに深く座る。両手を頭の後ろに回し、後頭部と首の上部の境目あたりで両手を組む。
背もたれのあるイスに深く座る。両手を頭の後ろに回し、後頭部と首の上部の境目あたりで両手を組む。
② 頭を後ろに倒して、30秒静止
② 頭を後ろに倒して、30秒静止
頭の重さを預けるように両手で支え、ゆっくり後ろに倒す。無理のない位置(痛いと感じる手前、気持ちいいと感じるあたり)で30秒止める。その後、両手で頭をアシストしながら元の位置に戻す。
※反動をつけず、呼吸を止めないこと。痛みを感じる場合はやらない。
頭の重さを預けるように両手で支え、ゆっくり後ろに倒す。無理のない位置(痛いと感じる手前、気持ちいいと感じるあたり)で30秒止める。その後、両手で頭をアシストしながら元の位置に戻す。
※反動をつけず、呼吸を止めないこと。痛みを感じる場合はやらない。
近著『不調の9割は「スマホ首」が原因』(幻冬舎新書)
近著『不調の9割は「スマホ首」が原因』(幻冬舎新書)
まつい・たかよし 医学博士。脳神経外科医。東京脳神経センター理事長。東京大学医学部卒業。1978年に、首の筋肉異常が副交感神経の不調を招いてさまざまな症状を引き起こす頸性神経筋症候群を発見し、診断・治療法を確立した。日本のCT大国化に尽力し、死因1位だった脳卒中死が激減した。『自律神経が整う 上を向くだけ健康法』(朝日新聞出版)など著書・監修書多数。
まつい・たかよし 医学博士。脳神経外科医。東京脳神経センター理事長。東京大学医学部卒業。1978年に、首の筋肉異常が副交感神経の不調を招いてさまざまな症状を引き起こす頸性神経筋症候群を発見し、診断・治療法を確立した。日本のCT大国化に尽力し、死因1位だった脳卒中死が激減した。『自律神経が整う 上を向くだけ健康法』(朝日新聞出版)など著書・監修書多数。
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