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〈御書の力――THE POWER OF GOSHO〉 2025年8月31日

 日蓮大聖人の御書をひもとき、わが胸中に師子王の勇気をみなぎらせる。眼前の苦難に立ち向かい、勝利のドラマをつづっていく。今や全世界の創価家族が、誉れある「御書根本」「大聖人直結」の伝統を受け継ぎ、使命の舞台で躍動しています。今回の「御書の力――THE POWER OF GOSHO」では、ブラジルとオセアニアのリーダーが心肝に染める御書の一節や信仰体験などを紹介します。

ブラジル ヒカルド・ミヤモト 教学部長
御文

 蒼蠅、驥尾に附して万里を渡り、碧蘿、松頭に懸かって千尋を延ぶ。(立正安国論、新36・全26)

通解

 青バエは名馬の尾に付いて万里を渡り、緑のつる草は松の枝先に掛かって千尋にまで伸びることができる。

思い描いた通りの人生を楽しめる

 ――日蓮仏法の醍醐味は何ですか。
 
 それは、真の自由をもたらしてくれる点にあると思います。師匠を心のど真ん中に置いて信心を貫けば、一切の苦難が、「人間を縛るもの」から「幸福への糧」に変わるのです。仏界という自由自在の境涯を開き、自分が思い描いた通りの人生を楽しんでいけることに魅力を感じます。
 こうした妙法の功力を現実生活で体現する同志の姿は、身近な家庭や地域を照らす光源となり、ブラジルでも仏法理解の輪が広がっています。
 
 ――信心の確信を教えてください。
 
 母の大病や父のアルコール依存による家庭不和、経済苦など、私の青春時代は、容赦ない宿命との連続闘争でした。そんな苦境の一家を支えようと、ひたぶるに題目を唱え、純粋な信心に徹する母の姿を忘れることはできません。
 ある時、私と同じような家庭環境の不遇を克服した青年から信仰体験を聞き、「何が起きても10年先を見据えて頑張るんだ」との言葉をもらいました。以来、「立正安国論」にある「青バエ」のように、“池田先生と学会の組織から絶対に離れない”と決め、学会活動に奔走してきました。
 その心温まる励ましから11年後の2001年9月、日本での研修会で、池田先生と出会いを結ぶことができたのです。「ご両親を大切に」――その時の先生のご指導を胸に親孝行に励んだ結果、願った通りの和楽の家庭を築くことができました。
 
 ――教学運動での工夫はありますか。
 
 ライフスタイルの多様化に応じた教学研さんの機会を提供するため、昨年からオンラインツールを導入しました。通信教育のノウハウを取り入れ、音声や映像を交えたコンテンツを通して、いつでもどこでも日蓮仏法の基礎を学び深めることができます。学習者が理解した内容を日々の生活で生かしていけるように、組織の先輩がサポートする体制も整えています。
 また、機関紙「ブラジル・セイキョウ」では、座談会や訪問・激励に活用してもらえるように、御書の本文と関連する小説『新・人間革命』の一節などを紹介する企画を連載しています。
 
 ――本年は池田先生のブラジル初訪問65周年の節目です。
 
 当時、体調が優れない中、命懸けで訪れてくださった池田先生の一念によって、今やブラジルに創価の陣列が広がりました。池田先生のおかげで、今の自分があると感謝は尽きません。2030年までの5年を50年にも匹敵させゆく決意で、青年を糾合する拡大のドラマをつづります。

フミエ・ヒラマツ オセアニア長
御文

 大地はささばはずるるとも、虚空をつなぐ者はありとも、潮のみちひぬことはありとも、日は西より出ずるとも、法華経の行者の祈りのかなわぬことはあるべからず。(祈禱抄、新592・全1351)

通解

 大地をさして外れることがあっても、大空をつなぐ者があっても、潮の満ち干がなくなっても、日が西から出ることがあっても、法華経の行者の祈りが叶わないことは絶対にない。

今いる場所で人間革命の実証を

 ――信心の確信を教えてください。
 
 父の事業が破綻して、将来への不安を抱いていた17歳の時に、女子部の班長(当時)の任を受けました。“広宣流布のために動けば、自身の悩みが解決しないわけがない”との先輩の確信を抱き締めながら、一軒一軒の家庭訪問に歩く中で、全部員と心の絆を結べたことは金の思い出です。
 就職試験では不合格の通知が続きましたが、最終的に学会活動が存分にできる企業に就職でき、そこでオーストラリア生まれの夫に出会うことになりました。
 
 ――その後、1972年2月に日本からオーストラリアに渡られました。
 
 夫と結婚して移住した数年後、長男と次男が病気やアレルギーで苦しむ時期がありました。その時、懸命に題目をあげながらも、“なぜこんなにも、つらい目に遭うのか”との思いに苛まれていました。
 しかし、「祈禱抄」に示された大聖人の御確信を何度も胸に刻むように祈りを重ねる中で、“自身の宿命を転換しない限り、根本の解決にはならない”と気付いたのです。御本尊に向かう一念が変わると、眼前の苦難が次々に開けていき、以来、愚痴や文句が一切出なくなりました。
 
 ――教学を深める意義は何ですか。
 
 メンバーが地域社会で信頼を広げていくためには、今いる場所で人間革命の実証を示すことが肝心です。教学研さんで得られた納得や共感が一人一人の信心の深化につながり、現実生活をより良い方向へ変革する原動力になるのです。
 オーストラリアでは、参加者が主体的に意見を交わしながら仏法理解を深められるように、一対一のペアでのディスカッションに重きを置いた教学研修会などを開催しています。また島しょ国では、後継の育成のために、小学校高学年から高校生までを対象に、小説『新・人間革命』の学習会をオンラインで定期的に行っています。
 
 ――日蓮仏法が果たす役割をどのように考えていますか。
 
 オーストラリア婦人部長の任を受けた直後の1993年10月、池田先生とお会いする機会をいただきました。その折にかけてくださった「オーストラリアで1人を折伏するということは、日本で100人を折伏することに匹敵するんだよ」との言葉を思い浮かべるたび、広布への情熱がみなぎります。
 移民の受け入れが進み、多民族が共生するオセアニアにあって、万人に尊極の仏性を見いだす創価の究極の平等思想が、人々の心を結び、社会を調和に導く力になると確信します。師匠の心をわが心として、人間革命の歓喜の波動を広げていきます。

【取材を終えて】

 現代はVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代と言われる。激動の社会を生き抜くためには、“これまで通りで良い”との固定観念に縛られない柔軟な発想が求められるだろう。 ブラジルのオンラインツールや、地域の実情に合わせたオセアニアの教学運動など、時代の流れや世代の感覚を捉え、学会活動の在り方をアップデートする潮流は、世界同時で進行する。
 変化に即応するには、ぶれない中心軸が不可欠だ。かつて池田先生は「師弟不二の精神」が肝要であると示した。“師に応えん”とする弟子の一念にこそ、永続的な広布拡大の本因がある。

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