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〈SDGs×SEIKYO〉 解説編「トイレから見た世界の問題」 2024年2月27日

 「SDGs×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える 未来のカタチ」。今回のテーマは、SDGs(持続可能な開発目標)の目標6「安全な水とトイレを世界中に」。安全に管理されたトイレがないことで起きる問題などを考えます。

「トイレの力で、ぴかぴかな未来へ」 作・迎朝子
「トイレの力で、ぴかぴかな未来へ」 作・迎朝子

 ねえねえ、私は、このお花畑に行ってみたいな!

 ちょうど見頃の季節だね!

 二人とも何をしとるんじゃ?

 今ね、春の家族旅行の計画を立てているんだ!

 ほう、それは楽しそうじゃな。ところで、訪れる場所にトイレがあるかは、ちゃんと確かめたかな?

 博士、トイレなんて、どこにでもあるから大丈夫ですよ(笑)。

 いや、あえて質問したんじゃよ。あらゆる場所に清潔なトイレがある日本――。これは、世界的には例外なんじゃ。実は、世界の約34億人、約4割強もの人々が、安全に管理されたトイレを使うことができない。

 そういう人たちは、どうしているんですか?

 約4億1900万の人々は、草むらや道端など、屋外で排せつをしている。これが、たくさんの問題を引き起こす原因になっておる。

 えー! どんな問題?

 至る所に放置された排せつ物が、川や池、地下水などに流れ込み、環境を悪化させる。これにより、多くの人が、汚染された危険な水を飲むことになるんじゃ。
 コレラなどの病気は聞いたことがあるかな? 汚染水による感染症のせいで、毎日1400人もの子どもたちが命を落としている、ともいわれる。トイレがあれば、人の健康や命を守ることができるんじゃ。

 そもそもトイレがないと、普通の生活もできません……。

 私たちは1日に何回もトイレに行く。もし学校にトイレがなかったら、和楽さんはどうする?

 想像もできないです……。

 世界では、特に女性が、屋外で排せつをしないといけないため、用を足すのを我慢することも多い。ちなみに、アフリカの女の子の10人に1人は、トイレがないという理由で生理中は学校を休むそうじゃ。トイレに行くために、授業の合間に家に走って帰る子もいる。でも結局、学校を辞めてしまう子も多いんじゃ。

 信じられないよ……。

 トイレをはじめ、きちんとした「衛生施設」の整備は、人間の尊厳、女性の人権、就学率の向上など、多くの課題を解決する大きな鍵なんじゃ。国際社会が協力して取り組まないといかん。

 どこにでも清潔なトイレがある日本は、本当にすごいんですね。

 ふむ。日本は長年、世界のトイレ事情を改善するために尽力してきた。例えば、インドでは、ガンジス川の流域に1000以上の公衆トイレを設置しているという。

 すごい!

 だが、考えなきゃならんこともある。日本ではトイレのほとんどが水洗式で、大量の水を使うんじゃ。実は、水を1回流すたびに、大きなペットボトル数本分もの水が使われているのは、知っていたかな?
 だから最近は、大事な水資源の節約のために、いろいろな種類のトイレが開発されている。雨水を使った水洗式トイレもある。トイレのあり方から、持続可能な未来を考えることも大切じゃよ。

※ご感想をお寄せください
sdgs@seikyo-np.jp
  
※聖教電子版の「SDGs」特集ページが閲覧できます。
https://www.seikyoonline.com/summarize/sdgs_seikyo.html

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