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スリランカで戸田平和研究所の学術会議 2026年8月18日

  • インド洋・ベンガル湾地域の気候変動と紛争回避を検討
南アジアの海洋国家・スリランカで開かれた戸田記念国際平和研究所の学術会議(3日)
南アジアの海洋国家・スリランカで開かれた戸田記念国際平和研究所の学術会議(3日)

 戸田記念国際平和研究所(スタイン・トネソン所長)による学術会議が3、4の両日、スリランカの最大都市コロンボで開催された。
 
 スイスに本部を置く「人道対話センター(HD)」、ドイツのシンクタンク「アデルフィ」、国連開発計画(UNDP)との共催。国際的なNGOの関係者や研究者に加え、スリランカ政府の関係者など25人が参加した。
 
 学術会議は同研究所が推進する、「気候変動と紛争」プログラムの一環で開かれたもの。
 
 同プログラムでは、気候変動や紛争によって引き起こされる負の影響について、“民衆の側に立つ”視点で研究を行っている。
 
 今回は、世界有数の人口密集地帯であるインド洋・ベンガル湾地域における気候変動の影響を議論。環境の悪化や資源の枯渇などによって地域の緊張が高まる中で、紛争が激化するリスクを回避する方途を模索した。
 
 会議では、冒頭、サイクロン被害や天然資源の減少が深刻化する同地域が、世界的な気候変動の「ホットスポット」となっている現状を確認。
 
 その後、気候変動の影響は単線的ではなく、一つの問題が複合的に危機を引き起こすとの指摘があり、各国・各機関が共通のデータや分析手法を用いる必要性が論じられた。
 
 また、漁獲規制などの政策によって、生計手段を失った家庭が教育機会を喪失する事例などが紹介され、「環境保全の成功」と「社会的公正の実現」は必ずしも一致しないことが指摘された。
 
 インフラ被害や経済損失といったマクロ的視点だけでなく、地域に暮らす人々の生活実態というミクロな視点を、研究や政策形成に反映すべきだとの声も上がった。さらに、資源の状況と、地域ガバナンスの在り方を組み合わせた三つのシナリオを設定し、グループごとに討議した。
 
 ここでは、地域間の紛争や対立など“最悪の事態”に陥らないために、着手すべき政策を検討。政府間の協力だけでなく、市民の倫理観や協力意識の変革が重要であるとの意見が出された。
 
 最後に、今後の研究・政策課題として、NGOや地域コミュニティーの役割の強化、ジェンダー視点の主流化などが提起された。
 
 今回の会議の成果については、政策提言やリポートにまとめられ、同研究所のウェブサイト等で公開される予定である。

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