〈トーク2024〉　歌手　島谷ひとみさん、シンガー・ソングライター　HIPPYさん 〈トーク2024〉　歌手　島谷ひとみさん、シンガー・ソングライター　HIPPY（ヒッピー）さん 2024年9月14日

　昨年から、新たな音楽フェス「PEACE　STOCK」がスタートしました。発起人は、広島県出身の歌手・島谷ひとみさんと、シンガー・ソングライターのHIPPYさんです。PEACE　STOCKには、“平和感の備蓄――平和で過ごすことの蓄積が人間の幸福感を育てていく”との思いが込められています。今回は、お二人をゲストに迎え、中国青年部長の本田光司さんと平和への思いを語り合いました。

　昨年から、新たな音楽フェス「PEACE（ピース）　STOCK（ストック）」がスタートしました。発（ほっ）起（き）人（にん）は、広島県出身の歌手・島谷ひとみさんと、シンガー・ソングライターのHIPPY（ヒッピー）さんです。PEACE　STOCKには、“平和感の備（び）蓄（ちく）――平和で過ごすことの蓄（ちく）積（せき）が人間の幸福感を育てていく”との思いが込（こ）められています。今回は、お二人をゲストに迎（むか）え、中国青年部長の本田光司さんと平和への思いを語り合いました。

　本田　3月に東京・国立競技場で開催された「未来アクションフェス」は、お二人の圧巻の歌声で盛り上がりましたね！　出演されていかがでしたか。
　島谷　皆さんの雰囲気がとても温かくて、パワーをもらいました。
　

　本田　3月に東京・国立競技場で開（かい）催（さい）された「未来アクションフェス」は、お二人の圧巻の歌声で盛り上がりましたね！　出演されていかがでしたか。
　島谷　皆（みな）さんの雰（ふん）囲（い）気（き）がとても温かくて、パワーをもらいました。
　

　HIPPY　全員が平和に対して一つになって向かう気持ち、幸せな“うねり”のようなものを感じました。最高に楽しかったです。
　

　HIPPY　全員が平和に対して一つになって向かう気持ち、幸せな“うねり”のようなものを感じました。最高に楽しかったです。
　

　本田　「核兵器の廃絶と気候危機の打開」をテーマに開催され、創価学会青年部もSGI（創価学会インタナショナル）ユースとして参画。中国地方の青年メンバーも、地域の清掃活動を始めるなど、各地で自分ができるアクションを起こしています。
　
　HIPPY　一人一人の力は小さいかもしれないけれど、参加した7万人が誰か一人に伝えると、もっと大きな力になる。“自分事”として取り組む人の輪を広げたいですね。
　
　本田　お二人が立ち上げた音楽フェス「PEACE　STOCK」は、音楽の力で平和を発信されていますね。昨年11月に広島で初開催され、約1万人を動員。本年6月は長崎で開催されました。どのような思いで立ち上げたのでしょうか。

　本田　「核（かく）兵（へい）器（き）の廃（はい）絶（ぜつ）と気候危（き）機（き）の打開」をテーマに開催され、創価学会青年部もSGI（創価学会インタナショナル）ユースとして参画。中国地方の青年メンバーも、地域の清（せい）掃（そう）活動を始めるなど、各地で自分ができるアクションを起こしています。
　
　HIPPY　一人一人の力（ちから）は小さいかもしれないけれど、参加した7万人が誰（だれ）か一人に伝えると、もっと大きな力（ちから）になる。“自（じ）分（ぶん）事（ごと）”として取り組む人の輪を広げたいですね。
　
　本田　お二人が立ち上げた音楽フェス「PEACE（ピース）　STOCK（ストック）」は、音楽の力（ちから）で平和を発信されていますね。昨年11月に広島で初（はつ）開（かい）催（さい）され、約1万人を動員。本年6月は長崎で開（かい）催（さい）されました。どのような思いで立ち上げたのでしょうか。

　島谷　5年くらい前から、被爆地・広島で生まれ育った私たちに何かできることはないかと模索していました。その中で、「戦争や平和を語る時って、どこかかしこまった感じになるよね」と話していました。であれば、音楽なら、子どもや若い人たちにも、“明るく”伝えていけると思ったんです。
　
　HIPPY　戦後の焼け野原から、先輩たちが築いてくれた環境の中で、僕たちは生活しています。その感謝を胸に、“朗らかに”前へ踏み出せるような、ピースアクションを起こしました。
　
　島谷　私たちは学校の平和学習などで、被爆体験を聞いてきました。被爆の実相は恐ろしいものです。それでも、被爆者の誰もが話の最後には、笑顔で「頼んだよ」「頑張ってね」と、私たちにエールを送ってくださった。その“笑顔”を未来へ伝えていきたい。また、平和に関することだけでなく、子どもたちや被災地への支援、環境問題にも取り組んでいます。

　島谷　5年くらい前から、被（ひ）爆（ばく）地（ち）・広島で生まれ育った私たちに何かできることはないかと模（も）索（さく）していました。その中で、「戦争や平和を語る時って、どこかかしこまった感じになるよね」と話していました。であれば、音楽なら、子どもや若（わか）い人（ひと）たちにも、“明るく”伝えていけると思ったんです。
　
　HIPPY　戦後の焼け野原から、先（せん）輩（ぱい）たちが築いてくれた環（かん）境（きょう）の中で、僕たちは生活しています。その感謝を胸（むね）に、“朗（ほが）らかに”前へ踏（ふ）み出せるような、ピースアクションを起こしました。
　
　島谷　私たちは学校の平和学習などで、被（ひ）爆（ばく）体験を聞いてきました。被（ひ）爆（ばく）の実相は恐（おそ）ろしいものです。それでも、被（ひ）爆（ばく）者（しゃ）の誰もが話の最後には、笑顔で「頼（たの）んだよ」「頑（がん）張（ば）ってね」と、私たちにエールを送ってくださった。その“笑顔”を未来へ伝えていきたい。また、平和に関することだけでなく、子どもたちや被（ひ）災（さい）地（ち）への支（し）援（えん）、環（かん）境（きょう）問題にも取り組んでいます。

　本田　被爆者の姿が、お二人の行動の動機になっているのですね。
　広島青年部でも、被爆者や国内外の識者を招いて、平和について学ぶ「広島学講座」を1989年から開催し、196回を数えます。
　
　HIPPY　すごいですね。僕は、父方の祖父が被爆者でした。でも祖父は、被爆体験をほとんど語らなかった。思い出したくないほど、つらい経験だったのだと思います。

　本田　被（ひ）爆（ばく）者（しゃ）の姿（すがた）が、お二人の行動の動機になっているのですね。
　広島青年部でも、被（ひ）爆（ばく）者（しゃ）や国内外の識者を招いて、平和について学ぶ「広島学講（こう）座（ざ）」を1989年から開（かい）催（さい）し、196回を数えます。
　
　HIPPY　すごいですね。僕（ぼく）は、父方の祖父が被（ひ）爆（ばく）者（しゃ）でした。でも祖父は、被爆体験をほとんど語らなかった。思い出したくないほど、つらい経験だったのだと思います。

　本田　私の祖母も被爆し、原爆症に苦しみました。あの日、電車に1本早く乗っていたら、爆心地付近にいて命はなかっただろうと言っていました。
　
　島谷　私が生まれた倉橋島（呉市）でも、原子爆弾が落ちた時の激しい光と大きなキノコ雲が見えたと祖母が言っていました。被爆2世のいとこが白血病を患い、若くして亡くなったことも、原爆が影響しているのではないかと聞いています。
　
　本田　原爆は無差別に多くの命を奪う。絶対に許されるものではありません。
　創価学会の戸田城聖第2代会長は「原水爆禁止宣言」を発表し、核兵器は生存の権利を脅かす「絶対悪」と厳しく糾弾。“遺訓の第一”として核兵器の廃絶を青年に託されました。池田大作第3代会長も生涯、その重要性を世界に訴え続けました。バトンを受け取った私も「核兵器なき平和社会」の実現へ取り組んでいきます。
　HIPPYさんは毎月6日に、「原爆の語り部　被爆体験者の証言の会」を開催するなど、伝承活動に取り組まれていますね。

　本田　私の祖母も被（ひ）爆（ばく）し、原（げん）爆（ばく）症（しょう）に苦しみました。あの日、電車に1本早く乗っていたら、爆（ばく）心（しん）地（ち）付近にいて命はなかっただろうと言っていました。
　
　島谷　私が生まれた倉橋島（呉（くれ）市）でも、原子爆（ばく）弾（だん）が落ちた時の激（はげ）しい光と大きなキノコ雲が見えたと祖母が言っていました。被（ひ）爆（ばく）2世のいとこが白血病を患（わずら）い、若（わか）くして亡（な）くなったことも、原爆が影（えい）響（きょう）しているのではないかと聞いています。
　
　本田　原（げん）爆（ばく）は無差別に多くの命を奪（うば）う。絶対に許されるものではありません。
　創価学会の戸田城聖第2代会長は「原（げん）水（すい）爆（ばく）禁止宣（せん）言（げん）」を発表し、核（かく）兵（へい）器（き）は生（せい）存（ぞん）の権（けん）利（り）を脅（おびや）かす「絶対悪」と厳（きび）しく糾（きゅう）弾（だん）。“遺（い）訓（くん）の第一”として核（かく）兵（へい）器（き）の廃（はい）絶（ぜつ）を青年に託（たく）されました。池田大作第3代会長も生（しょう）涯（がい）、その重要性を世界に訴（うった）え続けました。バトンを受け取った私も「核（かく）兵（へい）器（き）なき平和社会」の実現へ取り組んでいきます。
　HIPPYさんは毎月6日に、「原（げん）爆（ばく）の語（かた）り部（べ）　被（ひ）爆（ばく）体験者の証言の会」を開（かい）催（さい）するなど、伝承活動に取り組まれていますね。

　HIPPY　そうなんです。前任者から引き継いで7年になりますが、証言してくださる被爆・戦争体験者が減っていることを感じます。直接、話を聞けなくなる時は必ず来る。だからこそ今、全力を尽くして毎月開催し続け、一緒に聞ける仲間を増やしていきたいんです。
　
　島谷　過去の歴史を知ることは大切ですね。私たちには、途絶えさせてはいけない被爆者の記憶や心を、未来へつなぐ使命があります。

　HIPPY　そうなんです。前任者から引（ひ）き継（つ）いで7年になりますが、証言してくださる被（ひ）爆（ばく）・戦争体験者が減っていることを感じます。直接、話を聞けなくなる時は必ず来る。だからこそ今、全力を尽（つ）くして毎月開（かい）催（さい）し続け、一（いっ）緒（しょ）に聞ける仲間を増やしていきたいんです。
　
　島谷　過去の歴史を知ることは大切ですね。私たちには、途（と）絶（だ）えさせてはいけない被（ひ）爆（ばく）者（しゃ）の記（き）憶（おく）や心を、未来へつなぐ使命があります。

　本田　9月22日には、広島で「もう一つの記念日　PEACE　STOCK79’」を開催されますね。
　
　島谷　はい。今回は、高校生を主体としたダンスや演劇、地元のアーティストの出演もあります。子どもたちが、わくわくするようなステージにしていきます。
　
　HIPPY　僕は、来年の全国高校総体（中国総体）の応援ソングを、広島県内の高校生と一緒に作り上げました。当日は、その新曲「ぼくらのスタートライン」を初披露するんです。
　
　本田　それは、楽しみですね！　私たちも、被爆30年から10年ごとの節目に不戦を誓う集いを行ってきました。被爆70年の2015年には第2回「世界青年平和音楽祭」を開催し、中国5県から8000人の青年が集い、平和への思いを歌や踊りで表現しました。音楽には人と人とをつなぐ力がありますね。
　
　島谷　私たちは、被爆80年の来年もフェスの開催を目指しています。
　今、世界では、戦争や紛争で大変な思いをしている人がたくさんいます。人は人にしか救えません。音楽を通して、「ありがとう」と互いをたたえ合い、一つになれる輪を広げていきます。
　

　本田　9月22日には、広島で「もう一つの記念日　PEACE　STOCK79’」を開（かい）催（さい）されますね。
　
　島谷　はい。今回は、高校生を主体としたダンスや演（えん）劇（げき）、地元のアーティストの出演もあります。子どもたちが、わくわくするようなステージにしていきます。
　
　HIPPY　僕は、来年の全国高校総体（中国総体）の応（おう）援（えん）ソングを、広島県内の高校生と一緒に作り上げました。当日は、その新曲「ぼくらのスタートライン」を初（はつ）披（ひ）露（ろう）するんです。
　
　本田　それは、楽しみですね！　私たちも、被（ひ）爆（ばく）30年から10年ごとの節目に不戦を誓う集いを行ってきました。被（ひ）爆（ばく）70年の2015年には第2回「世界青年平和音楽祭」を開（かい）催（さい）し、中国5県から8000人の青年が集い、平和への思いを歌や踊（おど）りで表現しました。音楽には人と人とをつなぐ力（ちから）がありますね。
　
　島谷　私たちは、被（ひ）爆（ばく）80年の来年もフェスの開（かい）催（さい）を目指しています。
　今、世界では、戦争や紛争で大変な思いをしている人がたくさんいます。人は人にしか救えません。音楽を通して、「ありがとう」と互（たが）いをたたえ合い、一つになれる輪を広げていきます。
　

　HIPPY　被爆80年を迎える来年は、「生きてること自体がMVPだね」って、もらった命に感謝しながら、皆で朗らかに笑い合える年にしていきたいです。
　

　HIPPY　被爆80年を迎える来年は、「生きてること自体がMVPだね」って、もらった命に感謝しながら、皆（みな）で朗（ほが）らかに笑い合える年にしていきたいです。
　

　本田　私も多くの友に“ヒロシマの心”を伝え、平和の連帯を強くしていきます。
　

　本田　私も多くの友に“ヒロシマの心”を伝え、平和の連帯を強くしていきます。
　

　HIPPY　皆でピースアクション、頑張っていきましょう！
　
　島谷　また一緒に歌いましょうね！

　HIPPY　皆（みな）でピースアクション、頑（がん）張（ば）っていきましょう！
　
　島谷　また一（いっ）緒（しょ）に歌いましょうね！

　しまたに・ひとみ　1980年、広島県生まれ。99年にデビュー。高い歌唱力が支持され、「亜麻色の髪の乙女」などが大ヒット。NHK紅白歌合戦に4年連続で出場した。バラエティー番組等で幅広く活躍。本年、デビュー25周年を迎えた。

　しまたに・ひとみ　1980年、広島県生まれ。99年にデビュー。高い歌唱力が支持され、「亜（あ）麻（ま）色（いろ）の髪（かみ）の乙（おと）女（め）」などが大ヒット。NHK紅（こう）白（はく）歌合戦に4年連続で出場した。バラエティー番組等で幅（はば）広（ひろ）く活（かつ）躍（やく）。本年、デビュー25周年を迎（むか）えた。

　ヒッピー　1980年、広島県生まれ。シンガー・ソングライター。2015年にメジャーデビュー。代表曲「君に捧げる応援歌」は、心に響く応援ソングとして人気を集めている。被爆体験の伝承活動にも取り組む。

　ヒッピー　1980年、広島県生まれ。シンガー・ソングライター。2015年にメジャーデビュー。代表曲「君に捧（ささ）げる応（おう）援（えん）歌（か）」は、心に響（ひび）く応（おう）援（えん）ソングとして人気を集めている。被（ひ）爆（ばく）体験の伝承活動にも取り組む。

　ほんだ・こうじ　1985年、広島県生まれ。中国学生部長、総広島男子部長、中国男子部長等を歴任。被爆3世。不戦の誓いを胸に、対話拡大で平和社会の実現へ行動する。創価大学卒。広島池田平和記念会館勤務。

　ほんだ・こうじ　1985年、広島県生まれ。中国学生部長、総広島男子部長、中国男子部長等を歴任。被（ひ）爆（ばく）3世。不戦の誓（ちか）いを胸（むね）に、対話拡大で平和社会の実現へ行動する。創価大学卒。広島池田平和記念会館勤（きん）務（む）。

　【日時】9月22日（日）午後1時開場、午後2時開演、午後7時終演（予定）
　【会場】広島・NTTクレドホール
　※イベントの詳細はこちらから

　【日時】9月22日（日）午後1時開場、午後2時開演、午後7時終演（予定）
　【会場】広島・NTTクレドホール
　※イベントの詳細はこちらから