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〈特集〉 情報社会の荒波を生き抜くために――①SNSの今
〈特集〉 情報社会の荒波を生き抜くために――①SNSの今
2025年9月25日
現代は、情報社会と言われています。インターネットやスマートフォンなどの情報通信技術の発展により、私たちは世界中の情報に瞬時にアクセスできるようになりました。一方で、あらゆる情報があふれかえることによって、偽・誤情報による問題も深刻化しています。
編集部では、こうした偽・誤情報の拡散や情報の偏りにより、判断・評判・地域経済などに実害が及ぶ現象である「情報災害」について特集を始めます。各分野で情報にまつわる問題を明らかにし、私たち一人一人が冷静な視点で、その真偽を見極められるようになることが目的です。
今回は、ITジャーナリストの高橋暁子さんに話を聞き、編集部がSNSの今について調査するとともに、デマやフェイクニュースが広がる現状と私たちができる対策について考えます。
現代は、情報社会と言われています。インターネットやスマートフォンなどの情報通信技術の発展により、私たちは世界中の情報に瞬時にアクセスできるようになりました。一方で、あらゆる情報があふれかえることによって、偽・誤情報による問題も深刻化しています。
編集部では、こうした偽・誤情報の拡散や情報の偏りにより、判断・評判・地域経済などに実害が及ぶ現象である「情報災害」について特集を始めます。各分野で情報にまつわる問題を明らかにし、私たち一人一人が冷静な視点で、その真偽を見極められるようになることが目的です。
今回は、ITジャーナリストの高橋暁子さんに話を聞き、編集部がSNSの今について調査するとともに、デマやフェイクニュースが広がる現状と私たちができる対策について考えます。
SNSの今
SNSの今
総務省の調べによると、SNSは、2023年の時点で、国内で約1億580万人が利用しているとされ、私たちの生活に欠かせない生活基盤になっています。とりわけLINEは全世代平均の利用率が約91%、YouTubeが約81%、Instagramが約53%、X(旧ツイッター)が約43%となっています。またSNSと聞くと若者のイメージが強いですが、近年では60代の9割、70代の7割、80代前半の約半数が使用しているとのデータも。もはやSNSは、あらゆる世代の日常に入り込んでいると言えます。
また、SNS・インターネットの利用時間は全世代平均で1日約3時間近くにのぼるとされています。中でも10代・20代の若者は、1日平均で7・3から7・7時間をインターネット利用に費やしており、そのうち私用利用(友人とのやりとり、SNS閲覧・動画視聴など)が約4時間に達しているとされています。
総務省の調べによると、SNSは、2023年の時点で、国内で約1億580万人が利用しているとされ、私たちの生活に欠かせない生活基盤になっています。とりわけLINEは全世代平均の利用率が約91%、YouTubeが約81%、Instagramが約53%、X(旧ツイッター)が約43%となっています。またSNSと聞くと若者のイメージが強いですが、近年では60代の9割、70代の7割、80代前半の約半数が使用しているとのデータも。もはやSNSは、あらゆる世代の日常に入り込んでいると言えます。
また、SNS・インターネットの利用時間は全世代平均で1日約3時間近くにのぼるとされています。中でも10代・20代の若者は、1日平均で7・3から7・7時間をインターネット利用に費やしており、そのうち私用利用(友人とのやりとり、SNS閲覧・動画視聴など)が約4時間に達しているとされています。
出典:総務省情報通信研究所「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
出典:総務省情報通信研究所「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
さらにSNSは個人の生活のみならず、社会の在り方にまで影響しています。経済と政治の分野を例に取り上げてみましょう。
インターネット広告費の中でSNS広告の割合は年々拡大し、2024年には約1兆円規模となりました。飲食店や娯楽サービスなどの個人消費関連の業種では、約7割以上の企業がSNSを活用して、消費者との直接的なつながりをつくろうとしています。消費者においても、3人に1人が購買前にSNSの口コミや評価をチェックするという調査結果もあり、いかに購買行動においてSNSが重要視されているかが、うかがえます。
近年の選挙活動においても、SNSは、その結果を左右するほどの影響力を持つとされています。例えば、昨年の兵庫県知事選挙では、候補者の斎藤元彦氏がX(旧ツイッター)やYouTubeを活用し、政策動画や街頭演説の切り抜き動画を積極的に発信しました。出口調査によると、「SNSや動画サイトを参考にした」と答えた有権者のうち、7割以上が斎藤氏に投票したとされ、SNSが有権者の投票行動に大きな影響を与えたとの見方が広がっています。
さらにSNSは個人の生活のみならず、社会の在り方にまで影響しています。経済と政治の分野を例に取り上げてみましょう。
インターネット広告費の中でSNS広告の割合は年々拡大し、2024年には約1兆円規模となりました。飲食店や娯楽サービスなどの個人消費関連の業種では、約7割以上の企業がSNSを活用して、消費者との直接的なつながりをつくろうとしています。消費者においても、3人に1人が購買前にSNSの口コミや評価をチェックするという調査結果もあり、いかに購買行動においてSNSが重要視されているかが、うかがえます。
近年の選挙活動においても、SNSは、その結果を左右するほどの影響力を持つとされています。例えば、昨年の兵庫県知事選挙では、候補者の斎藤元彦氏がX(旧ツイッター)やYouTubeを活用し、政策動画や街頭演説の切り抜き動画を積極的に発信しました。出口調査によると、「SNSや動画サイトを参考にした」と答えた有権者のうち、7割以上が斎藤氏に投票したとされ、SNSが有権者の投票行動に大きな影響を与えたとの見方が広がっています。
一方で、SNSにまん延する偽・誤情報が社会的な問題となっています。米国の大学の研究によれば、虚偽のニュースは真実よりも速く広がり、1500人に届くまでの速度は真実のニュースの約6倍にもなるそうです。またある国内調査では、コロナワクチン関連の誤情報に気付いた人は約43%、政治関連ではわずか13%にとどまり、過半数の人が、デマをデマと見破れていないことが明らかになりました。さらに総務省の情報通信技術(ICT)リテラシーの実態調査では、偽・誤情報に触れた人のうち、4人に1人が情報を拡散していたことがわかりました。拡散した人はいずれも、その情報に価値があると感じて拡散していたようです。
今後、SNS上にまん延する偽・誤情報に対して、私たちがどのように向き合い、対処すべきかが、問われています。
一方で、SNSにまん延する偽・誤情報が社会的な問題となっています。米国の大学の研究によれば、虚偽のニュースは真実よりも速く広がり、1500人に届くまでの速度は真実のニュースの約6倍にもなるそうです。またある国内調査では、コロナワクチン関連の誤情報に気付いた人は約43%、政治関連ではわずか13%にとどまり、過半数の人が、デマをデマと見破れていないことが明らかになりました。さらに総務省の情報通信技術(ICT)リテラシーの実態調査では、偽・誤情報に触れた人のうち、4人に1人が情報を拡散していたことがわかりました。拡散した人はいずれも、その情報に価値があると感じて拡散していたようです。
今後、SNS上にまん延する偽・誤情報に対して、私たちがどのように向き合い、対処すべきかが、問われています。
出典:総務省「情報通信白書 令和6年版」、総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」、モバイル社会研究所「レポート シニアのSNS利用拡大」、帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」など。
出典:総務省「情報通信白書 令和6年版」、総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」、モバイル社会研究所「レポート シニアのSNS利用拡大」、帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」など。