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創立者と学生が築いた半世紀の歩み――創立50周年記念展示の見どころを紹介 2021年11月4日

  • 〈創大・短大マガジン〉

 創立50周年を迎えた創価大学(東京・八王子市)で先月、記念展示「創価大学の歴史」がオープンした。ここでは同展の概要を紹介。展示の準備を進めてきた池田大作記念創価教育研究所の勘坂純市所長、山崎一城事務長に、見どころなどを聞いた。

勘坂純市所長
勘坂純市所長

 ――創大本部棟のエントランスホールにある常設展がリニューアルし、創立50周年記念展「創価大学の歴史」が始まりました。どのような内容になっているのでしょうか。
  
 〈勘坂〉 大きく分けると「創価大学の50年」「創価教育の源流」「創立者の語らい」「学生がつくる大学」の四つからなっています。
 メインの「創価大学の50年」では、設立構想が発表された1964年から現在に至るまでの大学の歩みを5章に分けて紹介しています。
  
 〈山崎〉 開学前に作られたパンフレットや開学初年度の時間割表、歴代の学生証、創価女子短期大学1期生が入学式に着用していたスカーフ等、歴史を振り返る品々も展示されています。
 卒業生にとっては、昔を懐かしみ、青春時代の決意に立ち返る場に。在学生にとっては、大学の淵源を学び、自分自身を見つめる場に。中高生などの、未来の宝の方々にとっては、いつかここで学びたいと憧れを抱く場になってほしいと願っています。
 同窓生がご家族で来場された際は、「私が学生だった頃はね……」と語り合ってもらえたらと思います。
  
 ――見どころなどを教えてください。
  
 〈勘坂〉 私のお薦めは「創立者の語らい」です。自身の経験を振り返っても、苦しい時や悩んでいる時に池田先生の著書や折々の言葉が大きな心の支えになりました。そして、先生の励ましを胸に抱き締め、苦難を乗り越えていくたびに、先生との絆を強くすることができたと実感します。
 このコーナーでは、学生に贈られた創立者のスピーチ等から、珠玉の言葉が抜粋されています。学生たちには、池田先生を少しでも身近に感じてもらえればと思います。また、ここでしか見ることができない、創立者の歴史的なスピーチや講演をまとめたダイジェスト映像が視聴できます。
  
 〈山崎〉 「創価大学の50年」では、開学翌年に起こった“学費問題”をトピックとして取り上げました。社会的な物価上昇を背景に、大学の理事会が学費の値上げを発表したところ、学生の猛反発に遭いました。学生たちは、学費の値上げの是非よりも、学生の声を聞かずに一方的に通告するやり方に反対したのです。これが契機となって、学生の代表と理事会や教職員が一緒になって大学運営などを話し合う「全学協議会」が発足しました。学生と教職員、理事会などが一体となって大学をつくっていく。まさに創価大学の「学生第一」の原点ともいえる出来事です。

山崎一城事務長
山崎一城事務長
平和に貢献

 ――半世紀余りの歴史をまとめる中で、改めて実感したことは何でしょうか。
  
 〈勘坂〉 創価大学の歴史は、創立者と学生によって築かれてきたということです。
 池田先生は74年に中国を訪問された折、要人に創価大学のことを尋ねられて次のように答えたそうです。“まだ新しい大学ですが、21世紀には、卒業生が全世界に羽ばたき、世界平和のために光彩を放つ人材として活躍すると断言します。この言葉を忘れないでいただきたい”と。
 まだ1期生が4年生の頃です。一人の卒業生も出ていません。「断じてここから世界平和の人材を輩出するんだ」との創立者の並々ならぬ決意が感じられます。そして、それに応えようと学生一人一人が奮闘してきた歩みが、50年の歴史そのものです。
 また、創大の半世紀の歩みを見ていただくと、率直に“いい大学”だなと感じていただけるのではないかと思います。学生の声を聞いて発展してきたことはもちろん、近年では日本の大学の国際化をリードする“スーパーグローバル大学”として、世界から多くの留学生もやって来る。
 高校時代に進学校で学んでいたある学生が、“創価大学に入って勉強の本当の楽しさを知りました”と語ってくれました。世界をより良くしたいとの純粋な思いを持つ仲間たちと、切磋琢磨しながら学べる環境は、学生たちにとって大きな成長の場になっていると確信します。
 
 〈山崎〉 この展示は常設展ですので、今後、いつ来ていただいても見ることができます。現在、感染症対策を施しながら、適宜、学内で受験生向けのイベント等も行っておりますので、ぜひ本展にも足を運んでもらいたいと思います。じっくり見ていくと意外と時間がかかりますので、「今日はここから」「次来たときはあっちを」と、何度も見ていただけたら、うれしいです。
  
  

①創価大学の50年

 「創価大学の50年」のコーナーでは、創大の歩みが1~5章に分けて紹介されている。

 ●第1章「創価大学の誕生」(1964年~75年)
 64年の創価大学の設立構想発表から始まる。開学前に作られたパンフレットには、現在の本部棟のような高いビルが描かれており、当時の構想の一端がうかがえる。
  
 ●第2章「第2期の建設」(76年~90年)
 経営・教育学部、通信教育部、別科日本語研修課程の設置や創価女子短期大学の開学などが紹介されている。
  
 ●第3章「創立20周年から30周年へ」(91年~2000年)
 池田記念講堂や本部棟が落成した時期。工学部(当時)の開設の場面では、宇宙に打ち上げられた人工衛星「Negai☆″」も。
  
 ●第4章「新たな飛躍へ」(2001年~10年)
 創立者が「第二の草創期」と呼び掛け、学生たちが新たな“草創の決意”で大学建設に取り組んだ時期。池田先生の特別文化講座や図書館訪問などが紹介されている。
  
 ●第5章「創価大学の現在」(11年~現在)
 中央教育棟の落成、看護・国際教養学部の開設。文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」に採択されるなど、現在の発展の様子を知ることができる。
  
 トピックスとして、池田先生が撮影した四季折々のキャンパスの写真を、珠玉の言葉と共に紹介するコーナーもある。

創大学生歌のコーナー。学生歌は第2回創大祭(72年)で発表され、席上、学生の思いに応えた創立者が一部加筆・修正を提案し、現在の歌詞になった。歌詞を募集したチラシや、創立者が修正する前の歌詞なども展示されている
創大学生歌のコーナー。学生歌は第2回創大祭(72年)で発表され、席上、学生の思いに応えた創立者が一部加筆・修正を提案し、現在の歌詞になった。歌詞を募集したチラシや、創立者が修正する前の歌詞なども展示されている
現在、本部棟が立つ「ロマンの丘」は、大学建設前に池田先生がキャンパスの予定地を眺め、構想を練った場所。常設展の会場では、一部の窓から先生が見つめたであろう方角を望めるようになっている。窓には、「いつか、この方面に創価教育の城をつくりたいな」と語った恩師・戸田先生を偲んで、池田先生が詠んだ和歌が記されている
現在、本部棟が立つ「ロマンの丘」は、大学建設前に池田先生がキャンパスの予定地を眺め、構想を練った場所。常設展の会場では、一部の窓から先生が見つめたであろう方角を望めるようになっている。窓には、「いつか、この方面に創価教育の城をつくりたいな」と語った恩師・戸田先生を偲んで、池田先生が詠んだ和歌が記されている
開学当初から近年の中央教育棟の完成まで、キャンパスの移り変わりを見ることができる。懐かしい品々も飾られている
開学当初から近年の中央教育棟の完成まで、キャンパスの移り変わりを見ることができる。懐かしい品々も飾られている
 
②創価教育の源流

 「創価教育の源流」では、創価教育の創始者・牧口先生と、その教育思想を受け継いだ戸田先生、創立者・池田先生の事績を紹介。創価教育の系譜をたどる。

 
③創立者の語らい

 創立者・池田先生が学生に語ったスピーチや励ましの言葉がちりばめられている「創立者の語らい」コーナー。歴史的な創立者の講演やスピーチのダイジェスト映像(約17分)も視聴できる。

 
④学生がつくる大学

 創価大学は学生が主役! 各クラブや団体から寄贈された品々が並ぶ「学生がつくる大学」のコーナー。一つ一つに“建学の情熱”が込められている。

 
 創価大学のホームページから、展示のチラシがダウンロードできます。
 
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認定NPO法人フローレンス会長。2004年にNPO法人フローレンスを設立し、社会課題解決のため、病児保育、保育園、障害児保育、こども宅食、赤ちゃん縁組など数々の福祉・支援事業を運営。厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長

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