• ルビ
  • シェア
  • メール
  • CLOSE

〈インタビュー〉 岡﨑育之介監督 映画「うぉっしゅ」 2025年5月1日

  • 5月2日(金)から全国公開
人生を楽しんで生きる加那㊧と紀江 ©役式
人生を楽しんで生きる加那㊧と紀江 ©役式

 俳優の中尾有伽さんと研ナオコさんがW主演する映画「うぉっしゅ」が、5月2日(金)から全国公開される。同作でメガホンを取った岡﨑育之介監督に、作品へ込めた思いを語ってもらった。

岡﨑育之介監督
岡﨑育之介監督
◆あなたの中に差別意識はありませんか?

 ――風俗店で働く加那(中尾)が、母親からの依頼で、認知症の進む祖母・紀江(研)の介護を1週間、引き受ける場面から物語は始まります。
 
 二人とも、社会的な立場は強くないです。そうした人を、かわいそうと見るのか、幸せそうと見るのか――“物事をどう見ていくか”が、作品のテーマになっています。認知症だから、この仕事をしているから、かわいそうだね、残念だね、という感覚がまだ社会の中にあって、そこに一石を投じたかった。
 もし肌の色や人種、職業などだけで、かわいそうに見えることがあるとしたら、それは私たちの中にある差別意識によるものではないでしょうか。

 ――製作には、監督の実体験も影響しているそうですね。
 
 私自身、介護老人ホームにいる認知症の祖母との面会に、大寝坊したことがありました。“大事な親族を裏切ってしまった”という申し訳ない気持ちが湧くと同時に、“結局、自分は祖母を大切に思えていないのでは。そんな自分の接し方が、祖母を孤独にしてしまい、祖母は私のことを忘れてしまったんだ”と悲しく思ったんです。
 人は忘れられると、忘れていく。この作品では、それも描きたいと思いました。

岡﨑監督
岡﨑監督

 ――認知症の祖母役に研さんをキャスティングした狙いは?
 
 映画の概要を文面で読むと、社会派映画な感じなんですが、誰でも親しめるエンタメ作品にしたくて。なので、ポップでファニー(面白い)なキャラクターの研さんにお願いしたいと思ったんです。一般的に、医師役なら医学知識をプラスしていく“足し算”ですけど、今回は認知症役で記憶や能力が低下していく設定なので、“引き算”の世界だなと。そこは、研さんにも意識していただいたところです。

©役式
©役式

 ――この映画を通してどんなことを体感してほしいですか。
 
 見終わった後、“大事な人に連絡してみよう”と思える作品になっているとうれしいです。今、家族を大切に思えていない人にも、これから大事にしていきたいと思っている人にも、ぜひ見ていただきたいです。

©役式
©役式

 【記事】小滝清 【監督の写真】石川大樹

◆プロフィル

 おかざき・いくのすけ 1993年10月31日生まれ、東京都出身。16歳から芝居の勉強を始め、18歳で俳優デビュー。その後、25歳から作品制作活動を開始し、現在はYouTube Liveでの生配信作品(生ドラマ)を継続的に発表するなど、精力的に創作を行っている。
 
公式ホームページはこちら

動画

SDGs✕SEIKYO

SDGs✕SEIKYO

連載まとめ

連載まとめ

Seikyo Gift

Seikyo Gift

聖教ブックストア

聖教ブックストア

デジタル特集

DIGITAL FEATURE ARTICLES デジタル特集

YOUTH

三井住友銀行が、閉鎖した出張所を改装した施設「アトリエ・バンライ」のプレオープンイベント。子どもたちが金融経済教育を体験した=3月26日、東京都板橋区

劇画

劇画
  • HUMAN REVOLUTION 人間革命検索
  • CLIP クリップ
  • VOICE SERVICE 音声
  • HOW TO USE 聖教電子版の使い方
PAGE TOP