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東京富士美術館「ヨーロッパ絵画美の400年」展が好評 東京大学名誉教授 三浦篤氏が特別講演 2025年12月7日
東京富士美術館で開催中の「ヨーロッパ絵画 美の400年」展を記念した特別講演会が6日、同美術館で行われ、大原美術館館長で國學院大学教授、東京大学名誉教授の三浦篤氏が講演した。
氏は、西洋美術史の転換点としてフランス革命や産業革命を挙げ、それらの社会変動を境に、絵画のテーマや描き方に変化が生まれたと強調。近代以前には、宗教や神話を題材とする「歴史画」が最も価値が高く、風俗画や静物画は副次的なジャンルとされるなど、明確な序列が存在したという。
一方、近代に入ると価値観が多様化し、序列が崩れ、画家の個性や視点が重視される絵画が誕生。本展出品作であるシスレーの「牧草地の牛、ルーヴシエンヌ」などに触れつつ、自然光や日常の景色を描いたこうした作品が、近代絵画の一つの特徴であると語った。
また、東京富士美術館が、16世紀から近代までの西洋美術400年の流れを一望できる充実したコレクションを有していることを高く評価。「鑑賞はまず楽しむことが大事である」と述べ、繰り返し作品を見比べながら、時代の違いや表現の奥行きを体感してほしいと呼びかけた。
案内
「ヨーロッパ絵画 美の400年」展と「大使館の美術展Ⅲ 文化交流随想――駐日チュニジア共和国大使館」は明年1月18日(日)まで。月曜休館(祝日は開館し、翌火曜休館)。年末年始の12月25日(木)から明年1月5日(月)は休館。開館時間は午前10時から午後5時(入館は同4時半まで)。














