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〈SDGs×SEIKYO〉 世界を変える私の地域活動――人と人をつないで62年 2022年11月4日

 長野県安曇野市の桜井洋子さん(78)=総長野女性部主事=は、ボランティア活動を28年間続けてきました。今は得意の英語を駆使し、SDGsの普及活動に挑戦中。桜井さんを突き動かす、その原動力に迫ります。(今回はSDGsの17番目の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」について考えます。取材=石塚哲也、深山美香子)

この記事のテーマは「パートナーシップで目標を達成しよう」

 「皆さん、『SDGs』を知っていますか」――ある日の座談会、桜井さんはSDGsの17項目のロゴが並んだお手製のパネルを手に参加者に語りかけた。
 「英語で言うと〈サステナブル・デベロップメント・ゴールズ〉の略で、『持続可能な開発目標』という意味です」

 きょとんとする一人の婦人に「自分には関係ないと思ってるんじゃない。そうじゃないのよ。私たちの日々の暮らしを見つめて、少しずつ変えていく。世界の課題を考え、自分の足元から行動を起こしていくの。英語で言うと〈Think Globally, Act Locally〉」。
 

 
 28年前、傾聴ボランティアから、桜井さんの地域活動は始まった。
 「結婚してからずっと主婦だったから、聞くことくらいはできるかなと思って」

 1961年(昭和36年)、東京・大田区で創価学会に入会。若くして父を亡くし、大学を諦め、働いて母を支えた。結婚後は、大阪へ。
 「6年間、関西の婦人部に鍛えていただきました」
 

 
 その後、夫・秀人さん=副総県長=の転勤で長野・安曇野に。
 「大田区、大阪、長野。ずっと、池田先生の“ゆかりの地”で戦えるって最高でしょ」

 その喜びを胸に、真っすぐ学会活動に励んだ。95年、圏婦人部長(当時)の役職を終え、「2人の娘も手が離れ、時間もあるので地域に飛び込んだのよ」。

 学会で鍛えられた“人間力”は、すぐに地域で必要とされた。異なった意見に耳を傾け、自分の思いをしっかりと伝え、多様な人たちをつなぐ調整力。高齢者施設での傾聴活動や朗読活動。気付けば、市のボランティア連絡協議会の会長を任されるように。
 

 
 「私ね、池田先生のご指導を話すだけでなく、先生のご指導を学んで、何か行動を起こして、そこで感じた思いを伝えたいの」

 今まで、仏法対話した友人は全員、ノートに名前を書き、幸福をずっと祈り続けてきた。びっしり名前が書かれたノートは4冊を超え、158人に弘教が実った。

 桜井さんは、池田先生の「SGIの日」記念提言を、83年の発表以来、必ず熟読し、“先生の提言を自分の地域で実現したい”と祈り、行動を起こしてきた。環境や気候変動の問題を真剣に考えるようになったのも、「全部、先生のおかげ。80歳近い、おばちゃんが、世界のことを語るのよ、かっこいいでしょ」。
 

 
 2014年に、松本市で不要食器の回収ボランティアをしていた友人の話を聞き、安曇野市でも同様の取り組みがしたいと思い立った。

 多くの友人、所属していた市民団体に賛同者を募り、行政に働きかけて、市を挙げての活動へと発展。「安曇野市不要食器リサイクル実行委員会」を立ち上げ、現在も会長を務める。16年からは、生活困窮者支援のために家庭で余った食品を持ち寄る「安曇野フードドライブ実行委員会」も立ち上げた。

 地球規模で広がる環境問題。一人では太刀打ちできない大きな課題かもしれない。しかし、桜井さんは「私が行動を起こさないと、何も変わらない」と語る。
 

 
 不要食器回収の活動を始めた3年後の記念提言で、先生は語った。「人間がつくり出したものである以上、人間の手で解決できないはずはない」と。

 桜井さんは話す。
 「だけど、一人じゃできないのよ。今の活動も多くの住民、行政、いろんな人のおかげ。私には知識もないし、力もない。けれどね、いろんな人をつなぐことはできる」

 SDGsの17番目の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」――「これは、学会の女性のための項目だと思うのよ」と、桜井さんは笑う。

 今年で78歳。手帳を開けば、予定を書き込む隙間はなく、ぎっしりと埋まっている。「私ね、棺おけにくぎを打ち込まれるまで前に前に進み続けたいの」

 地域から世界規模、地球規模の問題解決へ――桜井さんは本気で生きている。

●最後までお読みいただき、ありがとうございます。ぜひ、ご感想をお寄せください→ sdgs@seikyo-np.jp

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認定NPO法人フローレンス会長。2004年にNPO法人フローレンスを設立し、社会課題解決のため、病児保育、保育園、障害児保育、こども宅食、赤ちゃん縁組など数々の福祉・支援事業を運営。厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長

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