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〈教学〉 9月度座談会拝読御書 2025年9月2日

  • 上野殿後家尼御返事
拝読御文

 法華経の法門をきくにつけてなおなお信心をはげむを、まことの道心者とは申すなり。天台云わく「従藍而青(藍よりして、しかも青し)」云々。この釈の心は、あいは葉のときよりも、なおそむればいよいよあおし。法華経はあいのごとし、修行のふかきはいよいよあおきがごとし。(御書新版1834ページ1行目~4行目、御書全集1505ページ8行目~10行目)

〈池田先生の指針から〉 生命を仏界の色彩に染める

 大聖人が、即身成仏や地獄即寂光などの深理を説かれるのは、門下の信心を深めるためです。仏法は、言葉や観念の遊戯ではない。
 本抄(=上野殿後家尼御返事)で説かれている極理はすべて、私たちの生命の中に仏界という究極の希望があることを教えるものです。
 それを、自らの命において信じていけば、その信によって、仏界の生命を覆い隠している無明を打ち破り、我が生命に仏界が涌現するのです。ゆえに「信」が大事なのです。信心を深めれば深めるほど、私たちの生命は仏界の色彩に染め上げられていくからです。
 大聖人は、そのことを、天台大師の「従藍而青」(摩訶止観)との言葉を通して教えてくださっています。
 植物の藍の葉は、薄く青みがかった緑色です。しかし、この葉から採った染料で何回も重ねて染めれば、濃い鮮やかな青になります。
 私たちの一生成仏の修行も同じです。成仏の原理が説かれている法華経は、藍の葉に譬えられます。大聖人の仏法の実践は、藍の葉から採った染料を何回も染めていくことに譬えられるでしょう。
 すなわち、大聖人の仏法では、法理を聞いて信心を深め、ますます修行に励んでいけば、実際に仏界を現し、一生成仏を実現していくことができるのです。
 御書を学ぶ目的は、大聖人の御精神に触れて、信心を深めるとともに、仏法の深理に学んで我が内なる希望と平和を確信し、自行化他の実践に励んでいくことにあります。
 そして、難を勝ち越えてこられた大聖人の実践に学んで、苦難に挑戦していく勇気を奮い起こすことです。
 この「実践の教学」の要諦を、深く深く銘記していきたいものです。
 (『希望の経典「御書」に学ぶ』第1巻)

たゆまぬ挑戦に人間革命の道が
キーワード① 必ず幸福の軌道を歩める

 本抄を送られた上野尼御前は、若くして夫の南条兵衛七郎に先立たれました。幼子を抱え、末子を身ごもっていた上野尼が、頼りとする夫を失った悲嘆と不安はいかばかりであったか、計り知れません。
 “妙法に生き抜いた兵衛七郎の成仏は疑いなく、嘆く必要はないのです”――日蓮大聖人の限りない慈愛は、悲哀の闇に覆われた上野尼の胸中に、一条の希望の光を差し込んだに違いありません。
 拝読御文で大聖人は、「即身成仏」「地獄即寂光」の法華経の法門を聞いて、ますますの信心に励むように強調されています。
 たとえ前途に希望が見いだせない状況下でも、一筋に広宣流布に徹してきた人が、幸福の軌道を歩めないわけがありません。肝心なのは、その確信に満ちた信によって、絶えず生命を覆う己心の無明を打ち破り、仏の智慧を涌現させることです。
 この瞬間を起点に、「いよいよ」と自身を奮い起こす信心の姿勢によって、何ものにも揺るがない仏界の境涯が、わが身に確立されるのです。
 池田先生は「信心の極意は『いよいよ』の心である。今の状況が良かろうが、悪かろうが、前へ、前へ! たゆまぬ挑戦また挑戦、不屈の努力また努力こそ、『人間革命』の道なのだ」とつづっています。
 何を志し、何を誓って一生を全うするのか。信心の志を重ねることによって、不動の自身が築かれます。広布誓願の題目を唱え、生命を仏界に染め上げていく実践に、一生成仏の要諦があるのです。

キーワード② 力ある従藍而青の人材を

 大聖人は、信心を堅固にしていく姿勢の譬えとして、天台大師の「従藍而青(藍よりして、しかも青し)」の言葉を挙げられています。
 藍の葉を絞った染料に、布を浸けて染める作業を重ねると、元々の藍の葉の色よりも深く鮮やかな青に染め上がります。同じように、御本尊への祈りを強く深くしていけば、満々たる生命力が湧き、不屈の心が鍛えられ、功徳も増していくのです。
 元々、「従藍而青」は古代中国の思想家・荀子の言葉で、荀子は「青はこれを藍より取りて、しかも藍より青し」と述べています。その意味は、教えを受けた人が教えた人よりも優れることであり、後輩が先輩以上に成長を遂げる譬えでもあります。
 「青は藍より出でて藍より青く、氷は水より出でて水より冷たいようであると感嘆しています」(新1887・全1554、通解)――大聖人は後年、上野尼の次男である南条時光が、後継者として立派に成長する姿を「従藍而青」とたたえられました。
 池田先生は「世代を重ねるごとに、いよいよ力ある『従藍而青』の人材を育成する。これが、末法万年尽未来際の『令法久住』を開く大道である」と指導しています。
 広宣流布の魂と信心の確信を脈々と継いでいく。縁する同志を“自分以上の人材に”と、後継の育成に励んできたのが、学会の良き伝統です。
 広布拡大に率先し、自身の境涯を開くからこそ、友の心に響く言葉が紡がれます。人材育成の急所は、どこまでも自己の成長に尽きるのです。

 拝読御書の音声は、こちらから。
 ※御文、通解、英文が聞けます。

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