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〈SDGs×SEIKYO〉 解説編「安全な水が飲めない世界の人々」 2023年3月21日

 「SDGs×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える 未来のカタチ」。今回は、SDGs(持続可能な開発目標)の目標6「安全な水とトイレを世界中に」です。各国で起きている水資源の不足や、清潔な飲み水の確保の問題などについて考えます。

「日本の日常は、世界の当たり前じゃない……」 イラスト・迎朝子
「日本の日常は、世界の当たり前じゃない……」 イラスト・迎朝子
■気候変動などで水資源が不足――国境を越えた協力が不可欠に

 ふーっ、わしも年を取ったのう。腰と膝が痛むわい……。

 博士、そんな大きなスーツケースを持って、どこに行っていたの?

 古い友達に会いに、久々に海外に行ったんじゃが、とんでもないことが起きておった。

 何があったの?

 その友人の家は、大きな川の近くにあるんだが、川が干上がってしまったんじゃ。その地域に暮らす人々は、飲み水にも困る状況に陥っておる。以前は、友人と一緒に川で釣りを楽しんだんだがなあ。

 えー! なんで、そんなことになっちゃったんだろう!?

 大きな原因の一つは、「気候変動」じゃよ。異常気象により、各地で干ばつが続いて、川や湖の水量が減っている。農業や工業といった経済活動のほか、生活用水の確保など、人々の生活に甚大な影響をもたらしているんだ。

 お水がなかったら、大変だよね。お米や野菜が作れないし、プールで水遊びもできないよ……。

 そして「人口増加」も、水資源の不足に拍車をかけておる。今の世界人口は80億人じゃが、2050年には97億人まで達し、このままだと深刻な水不足になるという予測もある。それは、新たな紛争の引き金にもなりかねないんじゃ。

 そうなの!?

 そうじゃ。水資源に恵まれた日本にいるとなかなか分からないが、水の問題というのは命や生活に関わる大切なものなんだよ。
 ちーちゃんは喉が渇いたら、家でも公園でも、水道からきれいな水が飲めるだろう。でも、こんなことができる国は、世界でもわずかしかない。インフラの未整備などもあって、世界では今、21億8500万人、つまり4人に1人が、安全に管理された飲み水へのアクセスがない環境で生活しているんじゃ。

 どういうこと?

 自宅に水道などの設備がなく、家から遠く離れた場所でしか水が得られないということだよ。毎日、何時間も歩いて家まで水を運んでいる子どもたちもいる。しかも、そうした人のうち1億4400万人が、川や湖、池などの不衛生な「地表水」を飲んでいて、多くの人が病気になっておる。

 知らなかった……。きれいな水が飲めるって、当たり前のことじゃないんだね。こうした問題をなくすために、できることはあるの?

 日本人として取り組むべきことの一つは「国境を越えた協力」じゃ。これは、SDGsの目標の中でも強調されておる。特に日本には、世界でもトップクラスの水道設備や浄水技術がある。実際、海外各地で水道整備の支援も行っているんだよ。

 世界のもっと多くの人が、安全な水を飲めるようになるといいね!

 あと一つ。日本はたくさんの食料を海外からの輸入に頼っておる。そうした食料を生産する過程でも、大量の水が使われているんじゃ。つまり、わしらの食生活も世界の水資源の問題と深く関わっており、決して人ごとじゃない。このことも忘れないでおこう。

※ご感想をお寄せください sdgs@seikyo-np.jp
  
聖教電子版の「SDGs」特集ページが閲覧できます。
https://www.seikyoonline.com/summarize/sdgs_seikyo.html

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