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〈SDGs×SEIKYO〉 解説編「ますます広がる世界の経済格差」 2023年6月29日

 「SDGs×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える 未来のカタチ」。今回のテーマは、SDGs(持続可能な開発目標)の目標10「人や国の不平等をなくそう」です。各国間、各国内で広がる「経済的な格差」について考えます。

「ちょっと、偏りすぎてませんか?」 作・迎朝子
「ちょっと、偏りすぎてませんか?」 作・迎朝子

 きのうね、海外のお金持ちを紹介するテレビ番組を見たんだ。ある人の家には大きなお庭とプールがあって、ピカピカの車が何台もあった。別荘もたくさん持ってるんだって!

 巨大企業の社長さんなんか、年収何十億円なんて人もいるもんね。でも、そんなにお金をもらっても、使い切れるのかな。世の中には一生懸命働いても、食べ物に困るような生活をしている人だって、たくさんいるのに……。

 その通りじゃ。今、世界では経済格差の広がりが大きな問題になっておる。一部の人たちがどんどん裕福になる一方で、貧困に苦しむ人たちが増えているんだ。和楽さんは、現在の世界人口が何人かは知っているかな?

 えーっと、約80億人です。

 そう。そのうち最もお金持ちの81人が、世界人口の半分以上の資産を持っている、ともいわれているんじゃよ。

 えーっ!! 何それ!?

 特にこのコロナ禍の中で、世界の貧困率は25年ぶりに上昇してしまった。一方で富裕層の資産はますます増えている。貧富の差は、以前よりも拡大しているんだよ。

 これは、先進国と開発途上国の格差の問題でしょうか?

 うん、国と国の格差の問題でもある。だが、今の国際社会では、個人の間での格差も広がっているんだ。

 個人の格差?

 同じ国の中でも、個人レベルで経済的な格差が大きくなっているんじゃ。例えば、ある“世界のお金持ちランキング”を見ると、上位には開発途上国の人々の名前もあることに気付く。例えばインド。経済発展が進むこの大国には、たくさんの億万長者がおる。そしてインドの人口の1%の富裕層が、国家の全資産の40%を持つといわれている。

 偏りすぎですね……。

 国や個人のほかに、「企業」も格差の問題に関わっている。IT、ファストフードなどの有名な多国籍企業の年間収益は、アフリカのほとんどの国の国民総所得(GNI)よりも多い。つまり、一つの企業の方が国家よりお金持ちなんじゃ。

 驚きました。日本は、世界的に見てどうなんでしょう?

 全体としては豊かといえるが、個人レベルで見ると問題は多い。特に「相対的貧困」は大きな課題じゃ。

 前に博士が教えてくれた話だね!

 うむ。毎月10万円以下の所得で生活する、相対的貧困の状態にあるとされる日本人は6人に1人。裕福な人と、そうでない人との格差も広がっているのが現状なんだ。

 そうなんですね……。

 世界で進む格差の拡大は、さまざまな問題をもたらす。人々の不満が蓄積すれば、暴動が起きるなど、社会が不安定になる恐れもある。何より一部の人だけが豊かになり、多くの人々が貧困に苦しむような状況は、倫理的な観点からも許されないと、わしは思う。

 どうしたらいいんでしょうか?

 SDGsの目標10では、政治・経済面での対策を促しておる。また、地球規模の経済・金融の意思決定の場で、開発途上国の参加や発言力を拡大させる、といったことも明記されているんだ。どうやって格差を是正していくか、これからも、皆で知恵を絞って考えていく必要がある。

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sdgs@seikyo-np.jp
  
※聖教電子版の「SDGs」特集ページが閲覧できます。
https://www.seikyoonline.com/summarize/sdgs_seikyo.html

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