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〈オンラインイベント〉 「あつまれ! アラサー女性の森」を開催しました 2025年1月25日

  • 電子版連載――わたしの「そろそろ」はまだまだ。#アラサー #そろまだ。

 電子版連載「わたしの『そろそろ』はまだまだ。」では、アラサー(30歳前後)世代のさまざまな生き方を取材します。
 昨年12月22日には、初回インタビューに登場いただいた「会社員×コラムニスト」の二刀流、ジェラシーくるみさんを招いてオンラインイベントを開催しました。
 イベントは、普段はなかなか言えない“モヤモヤ”を解きほぐし、「自分だけではなかった」と思える共感に満ちた時間に。“二刀流”つながり!? あの有名選手の言葉も飛び出しちゃったりなんかして……。
 うなずきが止まらなかったアラサー記者が、当日の内容をまとめてみました。

しがないOLコラムニスト。Xやnote、多数のWebメディアでコラムを連載中。『恋愛の方程式って東大入試よりムズい』、『そろそろいい歳というけれど』、『私たちのままならない幸せ』(いずれも主婦の友社)など著書多数。
しがないOLコラムニスト。Xやnote、多数のWebメディアでコラムを連載中。『恋愛の方程式って東大入試よりムズい』、『そろそろいい歳というけれど』、『私たちのままならない幸せ』(いずれも主婦の友社)など著書多数。

 
 ◆イベントでは、初めに司会者の質問に答えてもらう形で基調講演を行っていただきました。

 ――はじめに、コラムニスト「ジェラシーくるみ」さんが誕生した背景を聞かせてください。

 新卒のころ、当時付き合っていた彼氏がかなりの束縛タイプで、私のSNSを逐一チェックしていたんです。「ここ行ってきたの?」とかいろいろ聞かれるのに嫌気が差して、別のSNSアカウントをつくりました(笑)。
 そのアカウントで、飲みに行った時の話や日常のつぶやきを自由に投稿していたら、次第にフォロワーが伸びて、現在のコラムニストの活動につながっていきました。そう思うと、今があるのは束縛彼氏のおかげかもしれないですね。

 ――もしや、「ジェラシーくるみ」の「ジェラシー」って、元カレの「嫉妬」からきてますか!?

 あ、そういえば同じ意味ですね(笑)。これは、元カレの嫉妬ではなく、自分の中にある「ジェラシー」です。私の周りには、仕事も趣味も家庭も充実しているような「デキる女性」が多かったんですね。
 彼女たちはリスクを取りながら、キャリアも人生もどんどん前に進めていく。その姿に嫉妬や憧れの気持ちを抱いていたのですが、「私はああいう人生は送れないだろうな」という予感も感じていました。
 というのも、昔は自分のことを“積極的なチャレンジャータイプ”だと思っていましたが、冷静に振り返ると、まったく違う自分に気づきました。実際には、「不安をなくしたい」と強く願うような“超慎重派の保守タイプ”の自分がそこにいたんです。
 例えば、転職や移住など新たな挑戦に踏み出す場面で、自由時間が減ったり、人間関係が変わったり、年収が下がったりするのを想像すると、どうしても行動できません。お金や自由を失う不安が、頭を離れないんですよね。だから、私は「リスクを取って挑戦するタイプ」ではなく、「なんだかんだリスクを避けて安定していたいタイプ」なのだと実感しました。このことを受け入れたのは、つい最近のことです。
 今は無理に他のタイプになろうとは思っていませんし、憧れるのもやめました。どうせ人間は他のタイプに生まれ変われないので、「憧れるのをやめましょう」と自分に語りかけています。あ、不意に“大谷翔平”が出ちゃいました(笑)。

 ――著書の一つ『私たちのままならない幸せ』では、8人の女性の生き方がつづられています。影響を受けたエピソードはありましたか?

 どの方の生き方にも刺激を受けましたが、特に印象的だったのは翠さん(38歳・女性)の「“幸せ”という概念に疑問を持つ」という考え方です。彼女は「自分が思い描く“幸せ”を追いかけすぎると、逆にその理想に縛られて苦しくなる」と言っていました。彼女は私に、「そもそも“幸せ”ってそんなに大事でしょうか」と問い直してきたんです。
 その話を聞いて私も、完璧な幸せなんて必要ないんだと気付きました。全てがそろっていなくても、“まあ心地いい”とか、“特に不安がない”くらいの「いい感じ」の積み重ねを大事にしたいなと思いました。


 ――参加者からは「自分がこれからどうしたらいいのかわからない」「願望はあるけど正しい選択なのか自信が持てない」等の声が寄せられました。進みたい方向を見つけて、“一歩”を踏み出すためのヒントはあるのでしょうか?

 私はモヤモヤして自分を見つめたい時、とにかく書きまくります。あまりに悩みが深い時は、ペンを持ってガッと書きますが、普段は携帯にメモしています。うれしかったこととか、面白かった友人の言葉とか、ドラマのワンシーンとか……。かれこれ10年くらい続けて、今では4827件のメモがあります(笑)。
 自分がどうしたらいいのか分からない時にメモを見返すと、その時の自分と対話できる感覚なんですよね。次第に自分の傾向が見えてきて、自分という人間の“輪郭”がつかめるようになった気がします。
 私は、他者の言動よりも過去の自分を大事にしたいです。皆さんも、録音でも日記でもいいので、何か一つ、過去の自分のログ(履歴)を可視化してみるといいと思います。

 ◆参加者からの質問にも答えていただきました。いくつかご紹介します。

【質問①】「最近、遠距離恋愛をしていた彼と別れました。新たに恋愛しようとしても、また傷つくのではないかと不安です。周りは結婚して子育てしている友人が増え、悩みを別次元の話と捉えられることも多く、相談することも減り、一人モヤモヤを抱えています」

 まず、この方のスゴいところは、「自分が傷ついた」ということをちゃんと認めているところ。傷ついたことを認めるって、少しみじめな思いになったりもする。でもこの方は、ちゃんと向き合ってますよね。まずは、自分を褒めていいのではないでしょうか。
 次に、友人関係について。友達に気負いするのって、意外と自分だけのような気がします。最近、第2子を妊娠中の友人と久しぶりに会った時に、お互いの10年後の話になりました。私がへらへらしながら「私に子どもがいなくても、このまま仲良くできるのかな」とつぶやくと、すごい勢いで「できるでしょ!」って。
 続けて「……でも、もし、どちらか一人が気負いしてたら、関係は崩れちゃうかも」と言われました。友情関係って、“何かを持っているか持っていないか”で上下関係を感じた瞬間、お互いに敏感に察知して違和感を抱く気がします。“別次元の話と捉えられてしまうのでは”なんていう不安を持たずに、対等な友達だからこそガンガン相談し合ってほしいです。


【質問②】「独身の今、一人で生活するには毎月の給料で事足りています。しかし、将来のこと思うと、今、ぜいたくをするお金があったら、貯蓄した方がいいのかなと不安になります。自分にとって“良い”お金の使い方がわかりません」

 もし本当にこの先一人で生きていくとすれば、自分だけでなく、親の介護などのこともありますよね。なので、考えられる限りのシミュレーションをしてみて、貯蓄額の最低ラインを決めることが大切ではないでしょうか。きっと、真面目な方だと思うので、専門外の私が具体的なアドバイスをするより、詳しい友達とかファイナンシャルプランナーとか、誰かの手を借りて勉強がてら相談してみるといいかもしれません。
 ただ、私にも「ぜいたくしていいのか、そうではないのか」という点には答えられるかも。これは、自分が「長距離型か短距離型か」ということを見てほしくて。「短距離型」は、1週間ないし1日といった短いスパンでのご褒美の方がモチベーションが上がる人。「長距離型」は、1年に数回ドーンと使うけど、普段はちょっと切り詰めてるような人。
 さらに、自分へのご褒美をイメージした時に、ブランドのバッグやアクセサリー等が欲しいのか、旅行や推し活等がしたいのかで、「物タイプ」か「体験タイプ」かに分かれてきます。あなたはどのタイプでしょう? 私の場合、年に数回、長距離の旅行に行くのが好きなので、ブランドバッグは封印しようと思う「長距離型・体験タイプ」です(笑)。要は、自分の最も使いたいお金の使い道を見極めてみると楽になるということです。

【質問③】「キャリアアップか、結婚・出産か、というように、二者択一のように感じてしまい、モヤモヤすることがあります。どの道を選択しても、どこか世間の思う『正解』を気にしてしまって……。どうしたら、世間体を気にしすぎず、自分の進もうとしている方向性に自信が持てるでしょうか」

 女性は特に、キャリアか結婚か、二者択一のように感じてしまう場面がありますが、私は、そうではないなと思っていて。というより、そう願いたい。
 なので、いったん「二者択一」の前提を手放して、もっと欲張りに生きてみる提案をしたいです。
 結局、どちらにかじを切っても、数年後に「あの判断は正しかったのか」と迷ってしまうものです。だったら最初から、どっちも目指してみればいい。
 かなわなくても、そこには社会や環境がつくり出した制約もあるはずなので、決して自分を責めないであげてほしいです。
 そして「進む方向性に自信が持てない」という悩みについて。たしかに明確なビジョンは重要ですが、「人生は思い通りにいかない」ことをあらかじめ受け入れておくことも、同じくらい大切だと思います。
 私自身、20歳で思い描いていた未来では、今頃キャリアアップしている予定でしたが、現実はがっつり平社員です(笑)。それでも今、十分に楽しいので。
 遠い目標に向かって進んでも、うまくいかなかった時のダメージが大きすぎません? 「こうしなければいけない」と力みすぎず、目の前のことに誠実に向き合っていく中で、ふと振り返ったら、私の「正解」になっていると期待したいですね。


●「モヤモヤ」の経験を語ってくださる方、募集します!
 本連載に登場してもいいという方で、「クオーターライフクライシス」を経験した方を募集しています。場合によっては、記者がインタビューさせていただくこともあります。お申し込みは、下記のフォームからお願いします。

 申し込みフォームはこちら→https://docs.google.com/forms/d/1rFpSibfHJhl-_STm4C6-7o844k0LZS6usTVhFut_DkE/preview

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