「汽車ポッポ」「桃太郎」「里の秋」など、今も親しまれる童謡や唱歌には、戦意を高揚させる意図があった。『本当は戦争の歌だった 童謡の謎』(合田道人著、祥伝社)に、その驚きの事実が記されている▼戦前戦中の日本では、子ども向けの歌が数多く世に出された。“大きくなったら兵隊さんになりたい”と憧れを抱かせ、戦地へ赴くことを美化する曲が、ちまたにあふれた▼当時の大人たちが、子どもを不幸にしようと思ったわけではあるまい。だが結果として、純粋な心に言葉と旋律を刻み続けた。それが“戦争は正しい”という空気をつくり、若者を戦場に駆り立て、多くの人生を犠牲にした。「知らなかった」で済まされる話だろうか▼教育は人の生き方を大きく左右する。誤った思想や価値観が若い世代に広がれば、社会は不幸に傾く。逆に、生命を尊び、友情と信頼を育む心を根付かせれば、未来が明るく開けるはずだ▼御書には「種の苗となり、花の菓となるがごとし」(新1421・全1047)と。この夏、未来に生きる世代と語らい、人を、命を大切にする心を深め合いたい。真心でまいた対話の種は、やがて人格の苗となり、希望の花を咲かせ、平和の実をもたらすことを信じて。(実)
「汽車ポッポ」「桃太郎」「里の秋」など、今も親しまれる童謡や唱歌には、戦意を高揚させる意図があった。『本当は戦争の歌だった 童謡の謎』(合田道人著、祥伝社)に、その驚きの事実が記されている▼戦前戦中の日本では、子ども向けの歌が数多く世に出された。“大きくなったら兵隊さんになりたい”と憧れを抱かせ、戦地へ赴くことを美化する曲が、ちまたにあふれた▼当時の大人たちが、子どもを不幸にしようと思ったわけではあるまい。だが結果として、純粋な心に言葉と旋律を刻み続けた。それが“戦争は正しい”という空気をつくり、若者を戦場に駆り立て、多くの人生を犠牲にした。「知らなかった」で済まされる話だろうか▼教育は人の生き方を大きく左右する。誤った思想や価値観が若い世代に広がれば、社会は不幸に傾く。逆に、生命を尊び、友情と信頼を育む心を根付かせれば、未来が明るく開けるはずだ▼御書には「種の苗となり、花の菓となるがごとし」(新1421・全1047)と。この夏、未来に生きる世代と語らい、人を、命を大切にする心を深め合いたい。真心でまいた対話の種は、やがて人格の苗となり、希望の花を咲かせ、平和の実をもたらすことを信じて。(実)