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〈教育〉イラッとした時どうする?
〈教育〉イラッとした時どうする?
2025年9月25日
表現の方法を変えてみて
表現の方法を変えてみて
子どもの言動に対して、ついイラッとしてしまうことはありませんか? 今回は、子育てコーチングなどを行っている一般社団法人「sunnysmile協会」の工藤いずみ代表に、育児の中で感じる“イライラ”への対処法について聞きました。
子どもの言動に対して、ついイラッとしてしまうことはありませんか? 今回は、子育てコーチングなどを行っている一般社団法人「sunnysmile協会」の工藤いずみ代表に、育児の中で感じる“イライラ”への対処法について聞きました。
sunnysmile協会 代表 工藤いずみさん
sunnysmile協会 代表 工藤いずみさん
◆まず深呼吸を
◆まず深呼吸を
“子どもに怒るのは教育上よくない”と言われ、イライラする自分を責めてしまうことがあるかもしれません。
とはいえ、子育ては常にイライラと隣り合わせです。怒りは笑いと同じように自然な感情であり、怒りを封印し続けるのは不可能です。感情的になる自分を否定しないようにしましょう。
その上で、感情をそのままぶつけてしまうと、子どもやパートナーにつらい思いをさせてしまいます。大切なのは、“怒りの表現の仕方”です。
自分の感情をコントロールしながら、上手に表現していくための方法を紹介します。
一つ目は、イラッとした瞬間、“もう一人の自分”を連れてきて、自分を客観視することです。深呼吸をして“このまま怒りを表現したらどうなるかな”と考えると、自分を落ち着かせることができます。
二つ目は、イライラしたことを日記のように記録してみることです。「日付」「曜日」「時間」「誰に対して」「内容」といった項目で、一定期間メモを付けていくと、自分がイライラしやすい場面が分かるようになります。
三つ目は、言葉の言い換えを使うことです。怒りの感情が湧くと、否定的な言葉が出てきがちですが、言い換えのパターンを知っておくことで、感情を抑えながら上手な声かけができます。具体的な言い換え方は、別掲を参照ください。
子どもがイライラさせる行動を取る時は、子どもの成長するチャンスであることがあります。
例えば、子どもが料理を手伝いたがる場面。料理は、数や量の概念などを考える良い機会になります。ですが、親が忙しくて「時間がかかるからやめて」と怒ってしまえば、もう手伝おうとしなくなるかもしれません。
子どもの気持ちに寄り添い、「これをお願いできるかな」と任せてみることも大切でしょう。
“子どもに怒るのは教育上よくない”と言われ、イライラする自分を責めてしまうことがあるかもしれません。
とはいえ、子育ては常にイライラと隣り合わせです。怒りは笑いと同じように自然な感情であり、怒りを封印し続けるのは不可能です。感情的になる自分を否定しないようにしましょう。
その上で、感情をそのままぶつけてしまうと、子どもやパートナーにつらい思いをさせてしまいます。大切なのは、“怒りの表現の仕方”です。
自分の感情をコントロールしながら、上手に表現していくための方法を紹介します。
一つ目は、イラッとした瞬間、“もう一人の自分”を連れてきて、自分を客観視することです。深呼吸をして“このまま怒りを表現したらどうなるかな”と考えると、自分を落ち着かせることができます。
二つ目は、イライラしたことを日記のように記録してみることです。「日付」「曜日」「時間」「誰に対して」「内容」といった項目で、一定期間メモを付けていくと、自分がイライラしやすい場面が分かるようになります。
三つ目は、言葉の言い換えを使うことです。怒りの感情が湧くと、否定的な言葉が出てきがちですが、言い換えのパターンを知っておくことで、感情を抑えながら上手な声かけができます。具体的な言い換え方は、別掲を参照ください。
子どもがイライラさせる行動を取る時は、子どもの成長するチャンスであることがあります。
例えば、子どもが料理を手伝いたがる場面。料理は、数や量の概念などを考える良い機会になります。ですが、親が忙しくて「時間がかかるからやめて」と怒ってしまえば、もう手伝おうとしなくなるかもしれません。
子どもの気持ちに寄り添い、「これをお願いできるかな」と任せてみることも大切でしょう。
◆子の言動の背景
◆子の言動の背景
子どもの行動には、発達段階ごとの特徴があります。それを頭に入れておくと、言動の背景が分かり、イライラするのを減らすことができます。
〈0~1歳〉
すべてが発見と学びの好奇心旺盛な時期。本能のまま触ったり、口に入れたりしながら、生きる術を身に付けます。いろいろな物を触ると、親は口うるさくなりがちですが、否定せずに好奇心を伸ばすような声かけを心がけたいものです。
ただ、けがにつながる行動には注意が必要です。子どもの手が届く範囲には、危険な物を置かないようにしましょう。
〈2~4歳〉
自我が芽生えてくる年齢です。やりたいことが多くなる一方、できないことも多く葛藤します。まだ言葉でうまく表現できず、親の方も、子どもの感情に振り回されてしまうことがあります。
親が混乱してしまうと、子どもは不安になるため、親の一貫性ある声かけが大切です。
〈5~9歳〉
言葉や社会性が少しずつ身に付いていきます。子どものできることが増えると、できない面に親の目がいきがちになり、何とか正そうと感情的になってしまいます。
とはいえ、心の発達が未熟で、自分の気持ちを言語化したり、客観視したりすることは難しい年齢です。失敗した時は、「今日は調子が悪かったんだね」と、本人の自信をそがないような声かけをしましょう。
子どもの行動には、発達段階ごとの特徴があります。それを頭に入れておくと、言動の背景が分かり、イライラするのを減らすことができます。
〈0~1歳〉
すべてが発見と学びの好奇心旺盛な時期。本能のまま触ったり、口に入れたりしながら、生きる術を身に付けます。いろいろな物を触ると、親は口うるさくなりがちですが、否定せずに好奇心を伸ばすような声かけを心がけたいものです。
ただ、けがにつながる行動には注意が必要です。子どもの手が届く範囲には、危険な物を置かないようにしましょう。
〈2~4歳〉
自我が芽生えてくる年齢です。やりたいことが多くなる一方、できないことも多く葛藤します。まだ言葉でうまく表現できず、親の方も、子どもの感情に振り回されてしまうことがあります。
親が混乱してしまうと、子どもは不安になるため、親の一貫性ある声かけが大切です。
〈5~9歳〉
言葉や社会性が少しずつ身に付いていきます。子どものできることが増えると、できない面に親の目がいきがちになり、何とか正そうと感情的になってしまいます。
とはいえ、心の発達が未熟で、自分の気持ちを言語化したり、客観視したりすることは難しい年齢です。失敗した時は、「今日は調子が悪かったんだね」と、本人の自信をそがないような声かけをしましょう。
◆食事を楽しむ
◆食事を楽しむ
親御さんからの相談が多いのが食事の悩みです。「座って食べてくれない」「好き嫌いが多い」「甘い物しか食べない」など、さまざまなフラストレーションがあるようです。
まず知っておきたいのは、食事はやることがとても多く、子どもにとっては大変な作業であるという点です。自立して食事をするというのは、子どもにとってすごいこと。小さな子は、座ってもぐもぐするだけでも、立派であることを頭に入れておきましょう。
その上で、イライラする場面を少なくするために、四つのポイントがあります。
①食卓に座る合図を決めておく。
②3回席を立ったらごはん終了など、ごはんを下げるルールを決めておく。
③間食を減らす。
④きちんと食べたら承認する(褒める)。
座る、立つという行動は、食事に直結するため、合図やルールを決めておくとスムーズです。
食事の際、うまく食べていないと、「行儀悪いよ」「早く食べなさい」と言ってしまいがちですが、悪いことを指摘するよりも、きちんと食べている時に承認し、褒めた方が効果的です。
イライラしたり、怒りが爆発したりする時は、子どもの側にだけ原因があるわけではありません。親の方に時間的、精神的な余裕がないこともあるでしょう。
子育て中は、つい自分を犠牲にしてしまいがちですが、自分を大切にすることも重要です。子どもが食べた後に食事をする親も多いかもしれませんが、私は真っ先に手をつけ、食事を楽しむようにしています。親が笑顔だと、子どもも笑顔になってくれるからです。
sunnysmile協会では、子育てを「己育て」と呼んでいます。育児を通して、子どもが成長するのと同じように、親も成長することができます。自分のイライラと上手に付き合いながら、かけがえのない「己育て」の時間を楽しんでいけたらいいですね。
親御さんからの相談が多いのが食事の悩みです。「座って食べてくれない」「好き嫌いが多い」「甘い物しか食べない」など、さまざまなフラストレーションがあるようです。
まず知っておきたいのは、食事はやることがとても多く、子どもにとっては大変な作業であるという点です。自立して食事をするというのは、子どもにとってすごいこと。小さな子は、座ってもぐもぐするだけでも、立派であることを頭に入れておきましょう。
その上で、イライラする場面を少なくするために、四つのポイントがあります。
①食卓に座る合図を決めておく。
②3回席を立ったらごはん終了など、ごはんを下げるルールを決めておく。
③間食を減らす。
④きちんと食べたら承認する(褒める)。
座る、立つという行動は、食事に直結するため、合図やルールを決めておくとスムーズです。
食事の際、うまく食べていないと、「行儀悪いよ」「早く食べなさい」と言ってしまいがちですが、悪いことを指摘するよりも、きちんと食べている時に承認し、褒めた方が効果的です。
イライラしたり、怒りが爆発したりする時は、子どもの側にだけ原因があるわけではありません。親の方に時間的、精神的な余裕がないこともあるでしょう。
子育て中は、つい自分を犠牲にしてしまいがちですが、自分を大切にすることも重要です。子どもが食べた後に食事をする親も多いかもしれませんが、私は真っ先に手をつけ、食事を楽しむようにしています。親が笑顔だと、子どもも笑顔になってくれるからです。
sunnysmile協会では、子育てを「己育て」と呼んでいます。育児を通して、子どもが成長するのと同じように、親も成長することができます。自分のイライラと上手に付き合いながら、かけがえのない「己育て」の時間を楽しんでいけたらいいですね。
【こう言い換えよう】
【こう言い換えよう】
【0~1歳】 ティッシュペーパーを何枚も出そうとする
「やめなさい!」→「最後まで出してみたいの?」
〈ポイント〉ティッシュペーパーを出すのは、この年齢ではよく見られる行為。実際に最後まで出してみると、以後やらなくなることも。
【2~4歳】 「何で?」を連発
「うるさい」→「何でだと思う?」
〈ポイント〉問いかけに言い換えることで、子ども自身が考えるきっかけにも。親子で考えてもいいですね。
【5~9歳】 話し続け、要点が不明
「何が言いたいの?」→「たくさん話してくれてうれしいよ。最後に一番伝えたいことは何?」
〈ポイント〉子どもが話し続けるのは、頭の中を整理しているから。話を遮らず伝えてほしい点を強調すると、要点をつかむ力が育っていきます。
【0~1歳】 ティッシュペーパーを何枚も出そうとする
「やめなさい!」→「最後まで出してみたいの?」
〈ポイント〉ティッシュペーパーを出すのは、この年齢ではよく見られる行為。実際に最後まで出してみると、以後やらなくなることも。
【2~4歳】 「何で?」を連発
「うるさい」→「何でだと思う?」
〈ポイント〉問いかけに言い換えることで、子ども自身が考えるきっかけにも。親子で考えてもいいですね。
【5~9歳】 話し続け、要点が不明
「何が言いたいの?」→「たくさん話してくれてうれしいよ。最後に一番伝えたいことは何?」
〈ポイント〉子どもが話し続けるのは、頭の中を整理しているから。話を遮らず伝えてほしい点を強調すると、要点をつかむ力が育っていきます。
近著『子どもの能力をつぶさない イラッとした時の怒り言いかえ手帖』(すばる舎)
近著『子どもの能力をつぶさない イラッとした時の怒り言いかえ手帖』(すばる舎)
イラスト/PIXTA
イラスト/PIXTA