• ルビ
  • シェア
  • メール
  • CLOSE

〈ヒューマン〉 マルベル堂 店長 武田仁さん 2024年9月5日

  • 昭和スター風に
  • プロマイド撮影――
  • 楽しいエンタメ空間に。

 〈昭和スターのプロマイドといえば、創業100年以上を誇るマルベル堂。東京・浅草の歴史ある店舗の店長であり6代目カメラマンが武田仁さんだ〉

 ――壁一面にプロマイドがありますね。

 昔は浅草にいくつもの専門店がありましたが、今も販売しているのはマルベル堂だけ。昭和レトロのブームもあり、当時の雰囲気を求めて来店する若者も多くいます。
 プロマイドの特徴は、バストアップでスターの顔が大きく写り、目線をカメラに合わせていること。西城秀樹さんだけは、自分の意思で、あえて目をつむって撮ったプロマイドが大ヒットしましたが、それは異例です(笑)。
 昭和時代、スターを“間近”で見ることができたのは、プロマイドや映画のパンフレットなどに限られていた。そのため、ファンにとってスターを身近に感じられるような特別な一枚を撮っていたわけです。

 ――それを模した「マルベル80」が人気です。

 昭和スターのプロマイドと同じ仕上がりになる撮影サービスを始めました。
 マルベル80は一つのエンターテインメント。撮影スタジオには1980年代の衣装や小物などをそろえ、扉を開けば、昭和の一こまが広がっています。
 私は撮影時、あえて「笑って」とは声をかけず、好きな食べ物などを問いかけ想像してもらい、自然な笑顔を引き出しています。自由に楽しくやっているので、見学者が一緒に付いてきて、撮影の様子を、その後ろから撮っていることも。
 帰る時には、来店時よりもテンションが上がり、笑顔で店を後にしてもらえるよう心がけています。そうすることで「また来たい」と言ってくださるリピーターがたくさんいるんです。

 ――動画の方がよいのではと思ってしまいますが。

 たしかに、動画には多くの情報が含まれており、分かりやすいですよね。
 でも写真は、一枚の作品を見て、いろいろなイメージを膨らませて楽しめる。10年後に、撮影したプロマイドを持ち寄って、“ああでもない、こうでもない”と皆で語り合えば、そこからさらに話が広がり、人と人とをつなぎ合わせることもできるのです。
 私は“人を笑顔にするカメラマン”として、マルベル80を通じ、一人でも多くの人に写真文化の素晴らしさを伝え続けようと思っています。(朗)

 〈プロフィル〉
 1973年、東京都生まれ。2004年にマルベル堂に入社し、4年間、営業を務めた後、カメラマンのアシスタントに。14年に6代目カメラマンとして「マルベル80」を立ち上げ、若者をはじめ、多くの人の話題を呼んでいる。

 〈MEMO〉
 終始、和やかに取材が進んだが、武田さんが静かに、かつ力強く言葉を紡いだ瞬間が。それは、カメラマンの師匠との思い出を回想した時だった。一緒にマルベル80を始めようと語り合っていた、その時期に病気で亡くなったのだという。「師匠のためにも、絶対にやめられない」。武田さんは、師の遺志を受け継ぎ、今日もカメラを構える。

動画

SDGs✕SEIKYO

SDGs✕SEIKYO

連載まとめ

連載まとめ

Seikyo Gift

Seikyo Gift

聖教ブックストア

聖教ブックストア

デジタル特集

DIGITAL FEATURE ARTICLES デジタル特集

YOUTH

劇画

劇画
  • HUMAN REVOLUTION 人間革命検索
  • CLIP クリップ
  • VOICE SERVICE 音声
  • HOW TO USE 聖教電子版の使い方
PAGE TOP