〈インタビュー〉 俳優・遠藤憲一さん「民王Ⓡ Inspired by 池井戸潤」
〈インタビュー〉 俳優・遠藤憲一さん「民王Ⓡ Inspired by 池井戸潤」
2024年11月7日
- テレビ朝日系 火曜 午後9時
- テレビ朝日系 火曜 午後9時
「今朝は4時起きでしたよ(笑)」。取材現場で感じたのは、テレビで見るこわもてな役のイメージとは裏腹に、誰とでも気さくに話す穏やかな人柄――。デビューから41年、数々の作品で唯一無二の存在感を放つ俳優の遠藤憲一さんは、現在放送中のテレビ朝日系連続ドラマ「民王Ⓡ Inspired by 池井戸潤」(火曜、後9・0)で、主人公の武藤泰山を好演している。遠藤さんに、本作にかける思いや意気込みなどを聞いた。
「今朝は4時起きでしたよ(笑)」。取材現場で感じたのは、テレビで見るこわもてな役のイメージとは裏腹に、誰とでも気さくに話す穏やかな人柄――。デビューから41年、数々の作品で唯一無二の存在感を放つ俳優の遠藤憲一さんは、現在放送中のテレビ朝日系連続ドラマ「民王Ⓡ Inspired by 池井戸潤」(火曜、後9・0)で、主人公の武藤泰山を好演している。遠藤さんに、本作にかける思いや意気込みなどを聞いた。
◆毎話、違う人物と入れ替わる事態に
◆毎話、違う人物と入れ替わる事態に
遠藤憲一さん
遠藤憲一さん
本作は、2015年に放送された、作家・池井戸潤さん原作の連ドラ「民王」(テレ朝系)の続編。前作では、総理大臣である武藤泰山とその息子・翔(菅田将暉)の中身が入れ替わるというストーリーだったが、今作での泰山は、秘書、闇バイトの青年、5歳の保育園児など、毎話違う人物と入れ替わっていく。
「毎回ポンポンと違う人になるというのは、役者なら一度はやってみたい役なんじゃないかなと思いますし、役者冥利に尽きますよね。ゲラゲラ笑う回もあれば、複雑な心情を丁寧に描きたい役もあるので、これはどう表現するべきか、自分の中で葛藤したり、監督と意見をぶつけ合ったりする時もあります。そこが楽しいところで、大変なところでもありますね」
本作は、2015年に放送された、作家・池井戸潤さん原作の連ドラ「民王」(テレ朝系)の続編。前作では、総理大臣である武藤泰山とその息子・翔(菅田将暉)の中身が入れ替わるというストーリーだったが、今作での泰山は、秘書、闇バイトの青年、5歳の保育園児など、毎話違う人物と入れ替わっていく。
「毎回ポンポンと違う人になるというのは、役者なら一度はやってみたい役なんじゃないかなと思いますし、役者冥利に尽きますよね。ゲラゲラ笑う回もあれば、複雑な心情を丁寧に描きたい役もあるので、これはどう表現するべきか、自分の中で葛藤したり、監督と意見をぶつけ合ったりする時もあります。そこが楽しいところで、大変なところでもありますね」
前作から9年。第1話には元秘書役として高橋一生さんが登場し、視聴者を沸かせた。さらに、息子役だった菅田さんはナレーションを務め、泰山の盟友“カリヤン”こと狩屋を演じた金田明夫さんも引き続きの出演となる。一方、新メンバーとして、なにわ男子・大橋和也さん、あのさん、山時聡真さんなど、バラエティー豊かな面々が脇を固めている。
「みんな忙しくて、大橋くんなんて海外でのツアーをやりながら。あのちゃんも深夜にラジオをやっていて、山時くんは大学に行きながら(ドラマの)撮影もしているんですよ。それなのに、疲れているそぶりを見せないし、どうやってやりくりしているのか、全く分からない(笑)。普通、歌って踊って、それを覚えるだけで大変なのに。ほんとにすごいなと思いますし、刺激をもらっています」
自身と泰山との共通点を聞くと、「泰山は入れ替わることで、国民がぶつかっている課題に直面するんですね。そこで彼は“こういう悩みがあったのか”と、素直に考える。その純粋さみたいなところは、自分にもあるかもしれない」と分析する。今作で入れ替わる人物は十人十色。自ずと、俳優としてのさまざまな引き出しが求められる。
「監督やプロデューサー、実際に入れ替わる俳優さんを交えて、事前に台本の読み合わせをやっています。だけど、ここまでテンポ良く、いろんな役をやる時が来るとは思っていなかったので、もう引き出しはないです(笑)。毎回、“これ以上ないな”っていうところから、役に関する作品を見たり、周りの意見を聞いたりしながら、少しずつ、つかんでいくという作業を繰り返しています」
前作から9年。第1話には元秘書役として高橋一生さんが登場し、視聴者を沸かせた。さらに、息子役だった菅田さんはナレーションを務め、泰山の盟友“カリヤン”こと狩屋を演じた金田明夫さんも引き続きの出演となる。一方、新メンバーとして、なにわ男子・大橋和也さん、あのさん、山時聡真さんなど、バラエティー豊かな面々が脇を固めている。
「みんな忙しくて、大橋くんなんて海外でのツアーをやりながら。あのちゃんも深夜にラジオをやっていて、山時くんは大学に行きながら(ドラマの)撮影もしているんですよ。それなのに、疲れているそぶりを見せないし、どうやってやりくりしているのか、全く分からない(笑)。普通、歌って踊って、それを覚えるだけで大変なのに。ほんとにすごいなと思いますし、刺激をもらっています」
自身と泰山との共通点を聞くと、「泰山は入れ替わることで、国民がぶつかっている課題に直面するんですね。そこで彼は“こういう悩みがあったのか”と、素直に考える。その純粋さみたいなところは、自分にもあるかもしれない」と分析する。今作で入れ替わる人物は十人十色。自ずと、俳優としてのさまざまな引き出しが求められる。
「監督やプロデューサー、実際に入れ替わる俳優さんを交えて、事前に台本の読み合わせをやっています。だけど、ここまでテンポ良く、いろんな役をやる時が来るとは思っていなかったので、もう引き出しはないです(笑)。毎回、“これ以上ないな”っていうところから、役に関する作品を見たり、周りの意見を聞いたりしながら、少しずつ、つかんでいくという作業を繰り返しています」
◆“ギリギリまで悩むこと”に手を抜かない
◆“ギリギリまで悩むこと”に手を抜かない
日本のドラマ・映画界を支える“いぶし銀”の存在。刑事や凶悪犯、医師、企業のトップなど、どんな役を演じても抜群の安定感の遠藤さんは、今や日本を代表するバイプレーヤーとしての地位も確立した。そんな遠藤さんだが、今でも役作りで悩むことがあるという。
「これで良かったかどうかは視聴者の皆さんが決めることなんで、ギリギリまで悩んで悩んで、こうじゃないかというのをディスカッションしながら作っている感じです。その作業を手を抜かずにやり切るってことですね」
最後に“民王ファン”にメッセージを送ってもらった。
「(オファーを受けて)“おもしれーなー”と思い、いざ取り組んでみたら四苦八苦の連続でした。でも、だんだん感謝の気持ちの方が大きくなってきて。60歳過ぎて、こんなに面白くて変化に富んだ役を、そうはやらせてもらえないので。今、こういうタイプのドラマってないと思うんです。とにかく笑ってツッコミを入れながら、楽しんでいただける時間にしてもらえたらいいなと思っています」
日本のドラマ・映画界を支える“いぶし銀”の存在。刑事や凶悪犯、医師、企業のトップなど、どんな役を演じても抜群の安定感の遠藤さんは、今や日本を代表するバイプレーヤーとしての地位も確立した。そんな遠藤さんだが、今でも役作りで悩むことがあるという。
「これで良かったかどうかは視聴者の皆さんが決めることなんで、ギリギリまで悩んで悩んで、こうじゃないかというのをディスカッションしながら作っている感じです。その作業を手を抜かずにやり切るってことですね」
最後に“民王ファン”にメッセージを送ってもらった。
「(オファーを受けて)“おもしれーなー”と思い、いざ取り組んでみたら四苦八苦の連続でした。でも、だんだん感謝の気持ちの方が大きくなってきて。60歳過ぎて、こんなに面白くて変化に富んだ役を、そうはやらせてもらえないので。今、こういうタイプのドラマってないと思うんです。とにかく笑ってツッコミを入れながら、楽しんでいただける時間にしてもらえたらいいなと思っています」
◆取材後記
◆取材後記
取材をしたのは、第1話の放送日。遠藤さんは早朝から、ドラマの宣伝で生放送の番組をはしごしながら、その合間で各社の取材に応じていた。
お昼過ぎ、ちょうど疲れがたまるであろう時間帯。それにもかかわらず、一つ一つの受け答えは丁寧だ。「僕なんか壁にぶつかりまくりですよ。生まれながらの自分の癖ってあるじゃないですか。そこと逃げずに向き合って、何とか乗り越えてきたって感じですかね」。見栄や気負いはない。どこまでも飾らない人柄に生き方を学ばせていただいた。
取材をしたのは、第1話の放送日。遠藤さんは早朝から、ドラマの宣伝で生放送の番組をはしごしながら、その合間で各社の取材に応じていた。
お昼過ぎ、ちょうど疲れがたまるであろう時間帯。それにもかかわらず、一つ一つの受け答えは丁寧だ。「僕なんか壁にぶつかりまくりですよ。生まれながらの自分の癖ってあるじゃないですか。そこと逃げずに向き合って、何とか乗り越えてきたって感じですかね」。見栄や気負いはない。どこまでも飾らない人柄に生き方を学ばせていただいた。
【記事】小滝清 【写真】外山慶介
【記事】小滝清 【写真】外山慶介
◆プロフィル
◆プロフィル
えんどう・けんいち 1961年6月28日生まれ、東京都出身。1983年、ドラマ「壬生の恋歌」で俳優デビュー。悪役からコミカルな役まで、幅広く演じる。主な出演作は、ドラマ「湯けむりスナイパー」シリーズ、「ドクターX ~外科医・大門未知子~」シリーズ、映画「スオミの話をしよう」(2024年)など。現在放送中のテレビ朝日系連続ドラマ「ザ・トラベルナース」では、ナレーターを務めている。
えんどう・けんいち 1961年6月28日生まれ、東京都出身。1983年、ドラマ「壬生の恋歌」で俳優デビュー。悪役からコミカルな役まで、幅広く演じる。主な出演作は、ドラマ「湯けむりスナイパー」シリーズ、「ドクターX ~外科医・大門未知子~」シリーズ、映画「スオミの話をしよう」(2024年)など。現在放送中のテレビ朝日系連続ドラマ「ザ・トラベルナース」では、ナレーターを務めている。
◆第4話(11月12日放送)あらすじ
◆第4話(11月12日放送)あらすじ
9年ぶり2度目の総理大臣就任を果たした泰山(遠藤=写真)だったが、立て続けに国民と入れ替わるという前代未聞の事態に見舞われる。しかし、“チーム泰山”の強い結束もあり、なんとか難局を乗り越え、内閣支持率も上昇の兆しを見せ始めていた。
そんな中、泰山は今まさに臨終の時を迎えようとしているおばあちゃん・梅村トメ(丘みつ子)と入れ替わってしまう。
●番組の公式ホームページはこちら
※第1~3話は、民放公式テレビ配信サービス「TVer」で無料配信中。
9年ぶり2度目の総理大臣就任を果たした泰山(遠藤=写真)だったが、立て続けに国民と入れ替わるという前代未聞の事態に見舞われる。しかし、“チーム泰山”の強い結束もあり、なんとか難局を乗り越え、内閣支持率も上昇の兆しを見せ始めていた。
そんな中、泰山は今まさに臨終の時を迎えようとしているおばあちゃん・梅村トメ(丘みつ子)と入れ替わってしまう。
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※第1~3話は、民放公式テレビ配信サービス「TVer」で無料配信中。
◆遠藤さんの直筆サイン入り色紙をプレゼント
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遠藤さんの直筆サイン入り色紙を5人の読者にプレゼントします。応募方法は紙面でご確認ください。
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