〈インドリポート〉 伝統と革新の大都市デリー 若き力みなぎる地涌のスクラム
〈インドリポート〉 伝統と革新の大都市デリー 若き力みなぎる地涌のスクラム
2026年4月8日
- 心通う語らいから歓喜が広がる
- 心通う語らいから歓喜が広がる
仲良き団結で前進するサリタ・ビハール・ポケットK地区の友。社会や地域に、友情の輪を大きく広げる
仲良き団結で前進するサリタ・ビハール・ポケットK地区の友。社会や地域に、友情の輪を大きく広げる
本年は、池田大作先生がインドを初訪問して65周年。インド創価学会(BSG)のメンバーは池田門下の誇りに燃え、学会創立100周年の2030年へ、「100万人の地涌の陣列」を築こうと弘教拡大に挑んでいる。1月末、インドのデリーを訪ね、その様子を追った。(記事=髙橋毅、写真=外山慶介)
本年は、池田大作先生がインドを初訪問して65周年。インド創価学会(BSG)のメンバーは池田門下の誇りに燃え、学会創立100周年の2030年へ、「100万人の地涌の陣列」を築こうと弘教拡大に挑んでいる。1月末、インドのデリーを訪ね、その様子を追った。(記事=髙橋毅、写真=外山慶介)
インド・デリーにあるジャンパトマーケット。衣料品や家庭用品、土産物が並び、買い物客でにぎわう
インド・デリーにあるジャンパトマーケット。衣料品や家庭用品、土産物が並び、買い物客でにぎわう
車やバイク、オートリキシャ(自動三輪タクシー)がクラクションを鳴らしながら競うように走り抜けていく。歴史ある街並みが残る旧市街。近代的なビルが立ち並ぶ新市街。伝統と革新が交錯する大都市デリーは活気に満ちあふれ、生命力を感じさせる。
その勢いに負けじと、目覚ましい発展を遂げているBSGの地区があると聞き、デリー南東部のサリタ・ビハールへ向かった。
中心街から車で1時間弱。閑静な集合住宅街に到着すると、同志が満面の笑みで迎えてくれた。
「ここは近くに地下鉄の駅があって、都心へのアクセスは抜群。会社員や学生が比較的多く住んでいます」。サリタ・ビハール・ポケットK地区のマルティ・ナラング婦人部長が教えてくれた。
どんな地区なのか。居合わせたメンバーに聞いてみた。
アクルティ・カンドゥーリさん(圏婦人部長)は「青年部が生き生きと活動する、若さみなぎる地区よ。青年たちから、たくさんのことを学んでいるの」と胸を張る。
すると、シュルティ・ジェインさん(女子部部長)が「いえいえ。私たちの方こそ婦人部の皆さんにいつも励ましてもらっています」と笑った。彼女は昨年3月からこの地区の担当になったが、女子部の活動者はほとんどいなかったという。仕事帰りや休日など、メンバーの元へ足しげく通い、夢や悩みを語り合った。互いの幸福を祈り合う中で少しずつ心の距離が縮まり、気付けば10人の女子部員が会合に集うまでになった。
「ジェインさんは、求道心が素晴らしいの」。一人の女性が口を開いた。彼女は昨年9月に入会したばかりの女子部員。「私は座談会が大好き。みんなの信仰体験が聞けて、気持ちも前向きになれるから。入会して、もう20人に仏法対話したわ」と声を弾ませた。
この地区では、昨年1年間だけで27人の新会員が誕生した。躍進の立役者の一人が、ナラング地区婦人部長である。職場の友人やママ友など9人を入会に導き、皆から「シャクブク・クイーン」と呼ばれていた。「大切なのは、一人一人と心がつながっていくこと。座談会の企画も、ラジオふうに参加者の質問に答えたり、テーマを決めてディスカッションを行ったりと、友人も新会員も楽しく仏法を学べるよう工夫しています」
車やバイク、オートリキシャ(自動三輪タクシー)がクラクションを鳴らしながら競うように走り抜けていく。歴史ある街並みが残る旧市街。近代的なビルが立ち並ぶ新市街。伝統と革新が交錯する大都市デリーは活気に満ちあふれ、生命力を感じさせる。
その勢いに負けじと、目覚ましい発展を遂げているBSGの地区があると聞き、デリー南東部のサリタ・ビハールへ向かった。
中心街から車で1時間弱。閑静な集合住宅街に到着すると、同志が満面の笑みで迎えてくれた。
「ここは近くに地下鉄の駅があって、都心へのアクセスは抜群。会社員や学生が比較的多く住んでいます」。サリタ・ビハール・ポケットK地区のマルティ・ナラング婦人部長が教えてくれた。
どんな地区なのか。居合わせたメンバーに聞いてみた。
アクルティ・カンドゥーリさん(圏婦人部長)は「青年部が生き生きと活動する、若さみなぎる地区よ。青年たちから、たくさんのことを学んでいるの」と胸を張る。
すると、シュルティ・ジェインさん(女子部部長)が「いえいえ。私たちの方こそ婦人部の皆さんにいつも励ましてもらっています」と笑った。彼女は昨年3月からこの地区の担当になったが、女子部の活動者はほとんどいなかったという。仕事帰りや休日など、メンバーの元へ足しげく通い、夢や悩みを語り合った。互いの幸福を祈り合う中で少しずつ心の距離が縮まり、気付けば10人の女子部員が会合に集うまでになった。
「ジェインさんは、求道心が素晴らしいの」。一人の女性が口を開いた。彼女は昨年9月に入会したばかりの女子部員。「私は座談会が大好き。みんなの信仰体験が聞けて、気持ちも前向きになれるから。入会して、もう20人に仏法対話したわ」と声を弾ませた。
この地区では、昨年1年間だけで27人の新会員が誕生した。躍進の立役者の一人が、ナラング地区婦人部長である。職場の友人やママ友など9人を入会に導き、皆から「シャクブク・クイーン」と呼ばれていた。「大切なのは、一人一人と心がつながっていくこと。座談会の企画も、ラジオふうに参加者の質問に答えたり、テーマを決めてディスカッションを行ったりと、友人も新会員も楽しく仏法を学べるよう工夫しています」
笑顔あふれるサリタ・ビハール・ポケットK地区の座談会。未来っ子による楽器演奏に、大きな拍手が送られた
笑顔あふれるサリタ・ビハール・ポケットK地区の座談会。未来っ子による楽器演奏に、大きな拍手が送られた
話し続ける女性たちを、柔和な顔で静かに見守る壮年がいた。支部長のC・P・ビシュワナータンさんだ。「まだ壮年部は2、3人しか座談会に来ていないので、さらに家庭訪問を頑張ります!」
すかさず、女性たちから「彼は会合の準備や機関誌の配達など、私たちのために汗を流してくれています」と称賛の声が上がった。
夕刻、座談会が始まった。信仰体験あり、楽器演奏あり、合唱あり……楽しい時間はあっという間に過ぎ、笑顔と拍手に包まれた。
会合が終わっても、語らいは続く。この仲の良さが共戦の心を育み、歓喜の波動を広げていた。
話し続ける女性たちを、柔和な顔で静かに見守る壮年がいた。支部長のC・P・ビシュワナータンさんだ。「まだ壮年部は2、3人しか座談会に来ていないので、さらに家庭訪問を頑張ります!」
すかさず、女性たちから「彼は会合の準備や機関誌の配達など、私たちのために汗を流してくれています」と称賛の声が上がった。
夕刻、座談会が始まった。信仰体験あり、楽器演奏あり、合唱あり……楽しい時間はあっという間に過ぎ、笑顔と拍手に包まれた。
会合が終わっても、語らいは続く。この仲の良さが共戦の心を育み、歓喜の波動を広げていた。
ベヘルさん
ベヘルさん
インドは仏教発祥の地。だが、仏教徒はごくわずかで、ヒンズー教徒が約8割を占める。さらに人々は、出身地・言語・宗教・カーストという四つのアイデンティティーを持つとされ、独特な世界観を形づくっている。その中にあってなぜ、この信心を選び取ったのか。デリーの同志に話を聞いた。
チャンドラ・モーハン・ベヘルさん(壮年部員)は、敬虔なヒンズー教徒の家に生まれた。
製薬会社に勤めていた頃、経済的な不満を妻や兄弟にぶつけていた。そんな彼を見かね、BSGの友人が座談会に誘ってくれた。
「題目の美しい響きに感動しました。さらに友人から自分の宿業を良い方向に転換できると聞き、唱題を始めました」。1987年に入会。友人から、勤行と唱題の声を吹き込んだカセットテープをもらった。ベヘルさんは毎日、テープを聴きながら猛練習。折伏にも挑んだ。「でも、血縁を重んじるインドで、他の宗教を勧めるのは簡単ではありませんでした」
先輩に相談すると、「焦らないでいい。友人の幸福を祈ろう」と励まされた。その言葉のまま、唱題第一で誠実に対話を続けた。すると、会社の同僚に初めての弘教を実らせることができた。
忘れ得ぬ師との出会いは89年10月。東京で行われたSGI(創価学会インタナショナル)総会に参加した時のことだった。最前列にいると、池田先生が優しく語りかけ、手を握り締めてくれた。
感激したベヘルさんは“先生のように、生涯、同志に尽くそう”と心に決めた。訪問・激励や人材育成に奔走。圏長などを務めた。
仕事では独立を果たし、妻の支えもあって経済苦を克服。念願の個人会館を建てることができた。
インドは仏教発祥の地。だが、仏教徒はごくわずかで、ヒンズー教徒が約8割を占める。さらに人々は、出身地・言語・宗教・カーストという四つのアイデンティティーを持つとされ、独特な世界観を形づくっている。その中にあってなぜ、この信心を選び取ったのか。デリーの同志に話を聞いた。
チャンドラ・モーハン・ベヘルさん(壮年部員)は、敬虔なヒンズー教徒の家に生まれた。
製薬会社に勤めていた頃、経済的な不満を妻や兄弟にぶつけていた。そんな彼を見かね、BSGの友人が座談会に誘ってくれた。
「題目の美しい響きに感動しました。さらに友人から自分の宿業を良い方向に転換できると聞き、唱題を始めました」。1987年に入会。友人から、勤行と唱題の声を吹き込んだカセットテープをもらった。ベヘルさんは毎日、テープを聴きながら猛練習。折伏にも挑んだ。「でも、血縁を重んじるインドで、他の宗教を勧めるのは簡単ではありませんでした」
先輩に相談すると、「焦らないでいい。友人の幸福を祈ろう」と励まされた。その言葉のまま、唱題第一で誠実に対話を続けた。すると、会社の同僚に初めての弘教を実らせることができた。
忘れ得ぬ師との出会いは89年10月。東京で行われたSGI(創価学会インタナショナル)総会に参加した時のことだった。最前列にいると、池田先生が優しく語りかけ、手を握り締めてくれた。
感激したベヘルさんは“先生のように、生涯、同志に尽くそう”と心に決めた。訪問・激励や人材育成に奔走。圏長などを務めた。
仕事では独立を果たし、妻の支えもあって経済苦を克服。念願の個人会館を建てることができた。
アローラさん
アローラさん
リチャ・アローラさん(圏女子部長)も、入会のきっかけは友人に誘われた座談会だった。「誰かの助けになりたいというメンバーの美しい心に感銘を受けました」
当時、父親が事業で失敗し、多額の借金を負っていた。大学生だったアローラさんは奨学金の審査が通らなければ、退学せざるを得ない状況だった。わらにもすがる思いで懸命に唱題に励んだ。
ある時、小説『新・人間革命』を開くと、父親の借金を返済するため、信心根本に働く兄弟の奮闘が描かれていた。「自分の状況に似ていて驚きました。小説を通して、池田先生が直接、励ましてくださっているように感じました」
その後、奨学金を得られ、大学を無事に卒業。アカデミックライターとして働き、3年前には借金を完済した。信心の確信を深めたアローラさんは、同志にも幸せになってほしいと家庭訪問に全力を注ぐ。時には電車やバス、タクシーを乗り継ぎ、2時間かかることも。「でも、大変だとは思いません。後継の人材を育てることが、私の使命だと決意しています」
ただ純粋に友の幸福を祈り、会いに行く。この真心の実践があれば、どんな差異も乗り越えられるとBSGの友から学んだ。
リチャ・アローラさん(圏女子部長)も、入会のきっかけは友人に誘われた座談会だった。「誰かの助けになりたいというメンバーの美しい心に感銘を受けました」
当時、父親が事業で失敗し、多額の借金を負っていた。大学生だったアローラさんは奨学金の審査が通らなければ、退学せざるを得ない状況だった。わらにもすがる思いで懸命に唱題に励んだ。
ある時、小説『新・人間革命』を開くと、父親の借金を返済するため、信心根本に働く兄弟の奮闘が描かれていた。「自分の状況に似ていて驚きました。小説を通して、池田先生が直接、励ましてくださっているように感じました」
その後、奨学金を得られ、大学を無事に卒業。アカデミックライターとして働き、3年前には借金を完済した。信心の確信を深めたアローラさんは、同志にも幸せになってほしいと家庭訪問に全力を注ぐ。時には電車やバス、タクシーを乗り継ぎ、2時間かかることも。「でも、大変だとは思いません。後継の人材を育てることが、私の使命だと決意しています」
ただ純粋に友の幸福を祈り、会いに行く。この真心の実践があれば、どんな差異も乗り越えられるとBSGの友から学んだ。
シャルマさん
シャルマさん
経済成長の半面、インドで深刻化しているのが環境汚染だ。人口増によって粉塵や排ガスなどが急増し、健康への影響が危惧されている。デリー滞在中も粉塵が舞い上がり、空は白くかすんでいた。
BSGは2021年、SDGs(持続可能な開発目標)に向けた「BSG FOR SDG」を開始。一人一人が地球を守る「変革の担い手」となることを目指し、社会貢献活動に力を尽くす。バンシュ・シャルマさん(男子地区リーダー)も、リサイクル活動に取り組む一人だ。幼い頃から糖尿病を患い、病弱だったことから11年前、家族と共に信心を始めた。
同志のありがたさを実感したのは新型コロナが流行した6年前。「合併症が怖くて、毎日が不安でした」。ある時、オンラインでの座談会に参加すると、同志が温かく声をかけ、勇気づけてくれた。
デリー大学に進学後、BSG主催のSDGsの催しで学生部の代表の一人として歌とダンスを披露することに。1カ月ほど前から皆で集まり、練習を重ねた。
そこには、題目根本に大けがを乗り越えた友や、自分の夢に向かって勉学に励む友がいた。同世代のメンバーと交流する中で、“この信心で自分も成長したい”と奮起。4人に弘教を実らせた。
デリー大学を卒業し、今月から東京・八王子市の創価大学大学院に進学。国際平和学を学ぶ。「創価教育を体現する教育者になりたい」と瞳を輝かせた。
――池田先生はインドの同志に語った。「偉大なる国インドで『広布』と『社会貢献』の歩みを重ねる皆さまは、尊貴なる仏の使いであられる。不思議なる地涌出現の方々であられる」
BSGの同志は胸中の師と対話しながら、青年と共に青年の心で地涌のスクラムを築きゆく。
経済成長の半面、インドで深刻化しているのが環境汚染だ。人口増によって粉塵や排ガスなどが急増し、健康への影響が危惧されている。デリー滞在中も粉塵が舞い上がり、空は白くかすんでいた。
BSGは2021年、SDGs(持続可能な開発目標)に向けた「BSG FOR SDG」を開始。一人一人が地球を守る「変革の担い手」となることを目指し、社会貢献活動に力を尽くす。バンシュ・シャルマさん(男子地区リーダー)も、リサイクル活動に取り組む一人だ。幼い頃から糖尿病を患い、病弱だったことから11年前、家族と共に信心を始めた。
同志のありがたさを実感したのは新型コロナが流行した6年前。「合併症が怖くて、毎日が不安でした」。ある時、オンラインでの座談会に参加すると、同志が温かく声をかけ、勇気づけてくれた。
デリー大学に進学後、BSG主催のSDGsの催しで学生部の代表の一人として歌とダンスを披露することに。1カ月ほど前から皆で集まり、練習を重ねた。
そこには、題目根本に大けがを乗り越えた友や、自分の夢に向かって勉学に励む友がいた。同世代のメンバーと交流する中で、“この信心で自分も成長したい”と奮起。4人に弘教を実らせた。
デリー大学を卒業し、今月から東京・八王子市の創価大学大学院に進学。国際平和学を学ぶ。「創価教育を体現する教育者になりたい」と瞳を輝かせた。
――池田先生はインドの同志に語った。「偉大なる国インドで『広布』と『社会貢献』の歩みを重ねる皆さまは、尊貴なる仏の使いであられる。不思議なる地涌出現の方々であられる」
BSGの同志は胸中の師と対話しながら、青年と共に青年の心で地涌のスクラムを築きゆく。
デリー首都圏の衛星都市グルグラム(旧称グルガオン)。IT産業が盛んで、外資系企業が集まる
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