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〈教育〉 自信をアップさせる働きかけ 2025年10月16日

 子育てで心がけたいのは、子どもの自己肯定感を育むこと――。頭で分かっていても、実現するのは難しいものです。そこで長年の教員経験をもとに、執筆・講演活動をはじめSNSなどで、子育て世代に寄り添った発信を行う教育評論家の親野智可等さんに話を聞きました。

教育評論家 親野智可等さん
まず褒めよう! そこから信頼の好循環

 毎日、大変な子育てに追われている時は「早く大きくなって」と思い、子どもが成長すると「あの頃はよかった。もう一度子どもに戻ってほしい」と思う。ですが、過ぎた日々は戻ってきません。
 子育てで一番大事なのは、親子の良い関係を築くこと。子どもの自己肯定感を育むことです。
 
 親子関係を良好なものにするためには、家庭の雰囲気が大切です。そのために、私がおすすめするのは、まず先に褒めてみることです。例えば、日常生活で、こんな言葉かけができます。
 
 「あなたは気持ちよく笑うね」
 「おいしそうに食べるね」
 「ご飯を盛るのが上手だよね」
 「みかんの皮むきがうまいね」
 「体柔らかいね」
 「猫と遊ぶのうまいよね」
 「その帽子似合ってるよ」
 「アイデアが豊かでいいね」
 
 他にも、いっぱいあります。親の視点一つでいくらでも褒めることは見つかります。
 もう一つ、親御さんにお伝えしたいのは、子育てをエンジョイしてほしいこと。大人が楽しむ姿、笑顔を見せることで子どもは安心します。
 
 子どもの自己肯定感も高まり、親への信頼感も増して好循環が始まるんですね。勉強やしつけは100番目でいい。1番から99番まで、親子関係を良くすることに力を入れてほしい。ここでは、子どもの自信をアップさせ、自己肯定感を育むためのさまざまな働きかけを紹介します。

毎日ハグをする

 朝、出かける前、帰宅時、就寝前など、1日4回の「ハグ」を目指してほしい。「大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」など、存在そのものを肯定する言葉を添える。就寝前のハグは、寝る前の精神状態が続くので特に効果的。

お手伝いで役立つを実感

 食器運びや、洗濯物を畳む、玄関掃除など、子どもにもできる小さなお手伝いをお願いする。目的は“上手にやる”よりも“リトルサクセス(小さな成功体験)”を感じてもらうこと。そして、「自分は家族の役に立っている」と思ってもらう。「1週間だけ」など期間を決めると続けやすい。頑張った部分を具体的に褒めて、見届けを忘れない。

相談して意見を尊重

 「どうしたら宿題と遊びを両立できると思う?」など、子どもに“話し合いの相手”になってもらう。食事のメニューや、時には部屋の模様替えなど、家庭内の相談に関わってもらう。そこで部分的にでも、自分の意見が採用されると、「認められた」という感覚が生まれる。

絵や工作を展示する

 学校から持ち帰った絵を額縁に入れたり、工作をお菓子の箱の上に飾ったりすると、制作した子どもも驚くくらい見違えることも。そこに「タイトル名」「〇〇作」と付ける。

先に褒め行動を引き出す

 「できたら褒める」ではなく、「先に褒めて」行動を引き出す。きょうだいが並んでテレビを見ていたら「仲良しでいいね」などの言葉かけから実際の行動も良い方に向かう。

支えるチームをつくる

 家、学校、地域など、周囲の大人が連携して同じポイントを褒める。たとえば「ノートがきれい」と褒められる経験を複数の場所で重ねると、子どもの自信が深く定着する。

成長の「見える化」を習慣に

 身体測定の記録、小さかった頃の靴や服を見せ、「こんなに成長したね」と伝える。1年生の教科書を6年生になってから見せるなど、成長の「比較対象」を見せることで、自分の変化をポジティブに捉えられるようになる。

全体ではなく部分に注目

 子どもが書いた漢字の書き取り帳を見て、「もっとしっかり書かなきゃ。書き直し」と言っても、子どものやる気は出ない。「これは形がいいね」「この右払いがきれい」など部分に注目。直させたい字があれば、たくさん褒めた後で、「これだけ直そう」と言う。

近著『子どもの自己肯定感がどんどんあがる! 親の習慣100』(グラフィック社)
近著『子どもの自己肯定感がどんどんあがる! 親の習慣100』(グラフィック社)

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