〈暮らし〉 洞窟入門
〈暮らし〉 洞窟入門
2025年8月2日
普段とは違う世界に足を踏み入れる――そんな非日常体験にワクワクしてみませんか。太陽の光が届かない洞窟。水などが浸食してできた空間には、地上では見ることのできない造形が広がっています。今回は、そんな洞窟の魅力や、オススメのスポットを、洞窟探検家の吉田勝次さんに聞きました。
普段とは違う世界に足を踏み入れる――そんな非日常体験にワクワクしてみませんか。太陽の光が届かない洞窟。水などが浸食してできた空間には、地上では見ることのできない造形が広がっています。今回は、そんな洞窟の魅力や、オススメのスポットを、洞窟探検家の吉田勝次さんに聞きました。
洞窟探検家
吉田勝次さん
洞窟探検家
吉田勝次さん
非日常体験の神秘的な世界
非日常体験の神秘的な世界
洞窟は、長い年月をかけて形成されます。例えば、洞窟の種類の一つ、鍾乳洞。その起源は、数万年前。石灰岩の亀裂へ、雨水がスーッと染み込んでいくところから始まります。水が岩の弱い部分をとかし始め、より低い所へと流れていきます。そうして浸食を繰り返し、何万年もかけて、入り口と出口で、高低差のある空間を地中に削りだしていきます。地球が創る芸術作品です。
洞窟の入り口から、中の様子は分かりません。自分が進んだ分しか見えない。日の光が届かない暗闇の世界。岩に囲まれた空間では、スマホの電波もつながりません。デジタルデトックスです。湿度は90%を超え、ジメジメして暗い。怖いと思う人もいれば、神秘的雰囲気に感動する人もいます。
ネットを開けば、洞窟の写真をはじめさまざまな情報を見つけることができます。鍾乳洞の大きさも書いてありますよね。でも、ネットを見て抱いたイメージと、現地で見る大きさは違います。狭い通路を通り抜けて出合った空間は、わずか数メートルでも、すごく大きいと感じることもあります。直接入った時に、自分が何を感じるか。ぜひ、体験してもらいたいですね。
洞窟は、長い年月をかけて形成されます。例えば、洞窟の種類の一つ、鍾乳洞。その起源は、数万年前。石灰岩の亀裂へ、雨水がスーッと染み込んでいくところから始まります。水が岩の弱い部分をとかし始め、より低い所へと流れていきます。そうして浸食を繰り返し、何万年もかけて、入り口と出口で、高低差のある空間を地中に削りだしていきます。地球が創る芸術作品です。
洞窟の入り口から、中の様子は分かりません。自分が進んだ分しか見えない。日の光が届かない暗闇の世界。岩に囲まれた空間では、スマホの電波もつながりません。デジタルデトックスです。湿度は90%を超え、ジメジメして暗い。怖いと思う人もいれば、神秘的雰囲気に感動する人もいます。
ネットを開けば、洞窟の写真をはじめさまざまな情報を見つけることができます。鍾乳洞の大きさも書いてありますよね。でも、ネットを見て抱いたイメージと、現地で見る大きさは違います。狭い通路を通り抜けて出合った空間は、わずか数メートルでも、すごく大きいと感じることもあります。直接入った時に、自分が何を感じるか。ぜひ、体験してもらいたいですね。
滑りやすい! 頭上にも注意
滑りやすい! 頭上にも注意
日本には、整備され、安全に見学できる観光洞窟がたくさんあります。洞窟内の温度は、年間を通じて変化が少なく、東北なら10度前後、沖縄でも25度前後。夏に涼を取れる最高のアクティビティー(活動)です。
ただ、涼しいを超えて寒いことがあります。また、上から、しずくが垂れてくることも。体温調整がしやすいように、羽織る物を持っていきましょう。洞窟内の地面はぬれて滑りやすくなっています。十分な注意が必要です。特に階段など滑りやすい所には、手すりがついていますので、必ず使ってください。
各地の観光洞窟は、洞窟内がライトアップされていますが、必要最低限の明かりしかついていません。薄暗いため、転倒など思わぬ事故を起こすこともあります。ゆっくりと行動しましょう。決められたルートを無視して、勝手に歩くことは認められていません。危険なので絶対にやめてください。
また、狭い所で、頭をぶつけてしまう人がいます。かがんで進むことは、普段あまりないでしょう。狭い所を抜けたと勘違いして、立ち上がった際に、ゴツンなんてことも。頭上を含め、周りの状況をよく観察するようにしてください。
日本には、整備され、安全に見学できる観光洞窟がたくさんあります。洞窟内の温度は、年間を通じて変化が少なく、東北なら10度前後、沖縄でも25度前後。夏に涼を取れる最高のアクティビティー(活動)です。
ただ、涼しいを超えて寒いことがあります。また、上から、しずくが垂れてくることも。体温調整がしやすいように、羽織る物を持っていきましょう。洞窟内の地面はぬれて滑りやすくなっています。十分な注意が必要です。特に階段など滑りやすい所には、手すりがついていますので、必ず使ってください。
各地の観光洞窟は、洞窟内がライトアップされていますが、必要最低限の明かりしかついていません。薄暗いため、転倒など思わぬ事故を起こすこともあります。ゆっくりと行動しましょう。決められたルートを無視して、勝手に歩くことは認められていません。危険なので絶対にやめてください。
また、狭い所で、頭をぶつけてしまう人がいます。かがんで進むことは、普段あまりないでしょう。狭い所を抜けたと勘違いして、立ち上がった際に、ゴツンなんてことも。頭上を含め、周りの状況をよく観察するようにしてください。
五感で味わうケイビング
五感で味わうケイビング
観光洞窟に物足りなさを感じ始めたら、ぜひケイビングに挑戦してもらいたいですね。ケイビングは、洞窟探検と訳されるアクティビティー。汚れてもいいようにつなぎを着て、安全装備(ヘルメット、ヘッドライト、グローブなど)を着け、専門ガイドと共に洞窟に入ります。
観光洞窟と違う一番の魅力は、全身で洞窟に触れられることです。狭い隙間を泥だらけになって進んだり、膝下まで水に漬かり地底湖を渡ったりする体験は、まさに冒険そのもの。
整備されたコースではないため、危険度も上がります。ですから、ガイドの存在が重要です。ガイドには、天候や洞窟内の状態などが悪い時には中止の判断ができる能力が必須です。洞窟の成り立ちなどを魅力的に語れるガイドに出会えると楽しさが倍増するでしょう。私も、地球探検社でガイドをしています。
良いガイドを見つけるコツは、ケイビングを専門にしているショップを探すこと。例えば「POLEPOLE」(岡山県)や「地球のかけら平尾台」(福岡県)、家族向けなら「山遊び塾 ヨイヨイかわかみ」(奈良県)などには、私が自信をもって紹介できるガイドがいます。参考にしてください。安全に配慮し、この夏、最高の思い出をつくってください。
観光洞窟に物足りなさを感じ始めたら、ぜひケイビングに挑戦してもらいたいですね。ケイビングは、洞窟探検と訳されるアクティビティー。汚れてもいいようにつなぎを着て、安全装備(ヘルメット、ヘッドライト、グローブなど)を着け、専門ガイドと共に洞窟に入ります。
観光洞窟と違う一番の魅力は、全身で洞窟に触れられることです。狭い隙間を泥だらけになって進んだり、膝下まで水に漬かり地底湖を渡ったりする体験は、まさに冒険そのもの。
整備されたコースではないため、危険度も上がります。ですから、ガイドの存在が重要です。ガイドには、天候や洞窟内の状態などが悪い時には中止の判断ができる能力が必須です。洞窟の成り立ちなどを魅力的に語れるガイドに出会えると楽しさが倍増するでしょう。私も、地球探検社でガイドをしています。
良いガイドを見つけるコツは、ケイビングを専門にしているショップを探すこと。例えば「POLEPOLE」(岡山県)や「地球のかけら平尾台」(福岡県)、家族向けなら「山遊び塾 ヨイヨイかわかみ」(奈良県)などには、私が自信をもって紹介できるガイドがいます。参考にしてください。安全に配慮し、この夏、最高の思い出をつくってください。
~・~ 吉田さんオススメの洞窟6選 ~・~
~・~ 吉田さんオススメの洞窟6選 ~・~
入水鍾乳洞
入水鍾乳洞
【福島県】雨量が多いとAコースでも、水の中をじゃぶじゃぶ歩くことに。Bコースは、鍾乳石の隙間をくぐったり、よつんばいで進んだり。
【福島県】雨量が多いとAコースでも、水の中をじゃぶじゃぶ歩くことに。Bコースは、鍾乳石の隙間をくぐったり、よつんばいで進んだり。
大岳鍾乳洞
大岳鍾乳洞
大岳鍾乳洞のInstagramより
大岳鍾乳洞のInstagramより
【東京都】通常コースとチャレンジコースがあります。天井が低く中腰になったり、狭い所を抜けたり、洞窟感にあふれています。
【東京都】通常コースとチャレンジコースがあります。天井が低く中腰になったり、狭い所を抜けたり、洞窟感にあふれています。
河内の風穴
河内の風穴
【滋賀県】入り口は小さな穴ですが、少し進むとホールのような大きな空間が広がります。そのギャップに驚きを感じてもらいたい洞窟です。
【滋賀県】入り口は小さな穴ですが、少し進むとホールのような大きな空間が広がります。そのギャップに驚きを感じてもらいたい洞窟です。
秋芳洞
秋芳洞
【山口県】日本の洞窟のすごいところが全て詰まっています。日本最大級の鍾乳洞は、別格です。一生に一度は訪れてもらいたい場所です。
【山口県】日本の洞窟のすごいところが全て詰まっています。日本最大級の鍾乳洞は、別格です。一生に一度は訪れてもらいたい場所です。
龍河洞
龍河洞
【高知県】約2000年前の弥生式土器が鍾乳石に巻き込まれ一体化した「神の壺」は必見です。神秘的な魅力を感じられます。
【高知県】約2000年前の弥生式土器が鍾乳石に巻き込まれ一体化した「神の壺」は必見です。神秘的な魅力を感じられます。
稲積水中鍾乳洞
稲積水中鍾乳洞
写真提供:稲積水中鍾乳洞
写真提供:稲積水中鍾乳洞
【大分県】日本最長1キロの水中鍾乳洞。観光開発の際に排水され、水に漬かっていた一部が見られるように。澄んだ地下水を堪能ください。
【大分県】日本最長1キロの水中鍾乳洞。観光開発の際に排水され、水に漬かっていた一部が見られるように。澄んだ地下水を堪能ください。
記者が秋芳洞に行った記事は、こちらから読めます。
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●ご感想や取り上げてほしいテーマをお寄せください。
life@seikyo-np.jp
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