〈Seikyo Gift〉 「キニナルを調べる 社会課題のなぜ」 5~8月総集編
〈Seikyo Gift〉 「キニナルを調べる 社会課題のなぜ」 5~8月総集編
2026年8月29日
- ■居場所のない若者たち(ヤング・プレースレス)
- ■居場所のない若者たち(ヤング・プレースレス)
本企画の出発点は、本紙「ライフウオッチ」で連載した「就職氷河期世代と信仰」です。
バブル崩壊後の厳しい就職難の中で社会に出て、不安定な雇用や低賃金など、幾重にもわたる困難と向き合ってきた世代。一人一人の信仰体験を伺う中で見えてきたのは、これらの困難が個人の努力だけでは解決できない「社会的課題」であるという点でした。
さらに取材を進めると、不安定な雇用によって生み出された貧困や孤立などの苦悩が、氷河期世代だけではなく、その子どもや、若者の世代にまで影を落としている恐れがあると分かってきました。
ならば、個人の体験を伝えるだけではなく、その苦悩の根本原因となっている社会の側にも目を向け、解決の方途を探るべきではないだろうか。
そんな問題意識から、今年5月、「キニナルを調べる 社会課題のなぜ」をスタートしました。
最初のテーマは「居場所のない若者たち」。氷河期世代の子ども世代に当たる10・20代の若者たちが今、なぜ、家庭にも学校にも「安心できる居場所」を失い、孤立しているのか。
その実態や背景に迫るべく、NPOの支援現場に密着し、識者・専門家へのインタビューを行いました。その上で、創価学会が地域の中で果たしてきた「居場所」としての役割について、同志の信仰体験から迫りました。
「わが学会が、その名称に『創価』すなわち『価値の創造』を掲げていること自体、社会への貢献を使命とする宣言といってよい」――池田先生は、そう記しています。
まずは課題を知ること。当事者の声に耳を傾け、その背景を学ぶこと。そして、自分にできることを考える。信仰者として社会の苦悩に心を開き、“心を寄せる世界”を広げていきたい。
社会のさまざまな人や団体とつながり、新たな「協働」の一歩を踏み出すための“プラットホーム”になれたら。本企画には、そんな願いを込めています。(記事=中谷光昭)
本企画の出発点は、本紙「ライフウオッチ」で連載した「就職氷河期世代と信仰」です。
バブル崩壊後の厳しい就職難の中で社会に出て、不安定な雇用や低賃金など、幾重にもわたる困難と向き合ってきた世代。一人一人の信仰体験を伺う中で見えてきたのは、これらの困難が個人の努力だけでは解決できない「社会的課題」であるという点でした。
さらに取材を進めると、不安定な雇用によって生み出された貧困や孤立などの苦悩が、氷河期世代だけではなく、その子どもや、若者の世代にまで影を落としている恐れがあると分かってきました。
ならば、個人の体験を伝えるだけではなく、その苦悩の根本原因となっている社会の側にも目を向け、解決の方途を探るべきではないだろうか。
そんな問題意識から、今年5月、「キニナルを調べる 社会課題のなぜ」をスタートしました。
最初のテーマは「居場所のない若者たち」。氷河期世代の子ども世代に当たる10・20代の若者たちが今、なぜ、家庭にも学校にも「安心できる居場所」を失い、孤立しているのか。
その実態や背景に迫るべく、NPOの支援現場に密着し、識者・専門家へのインタビューを行いました。その上で、創価学会が地域の中で果たしてきた「居場所」としての役割について、同志の信仰体験から迫りました。
「わが学会が、その名称に『創価』すなわち『価値の創造』を掲げていること自体、社会への貢献を使命とする宣言といってよい」――池田先生は、そう記しています。
まずは課題を知ること。当事者の声に耳を傾け、その背景を学ぶこと。そして、自分にできることを考える。信仰者として社会の苦悩に心を開き、“心を寄せる世界”を広げていきたい。
社会のさまざまな人や団体とつながり、新たな「協働」の一歩を踏み出すための“プラットホーム”になれたら。本企画には、そんな願いを込めています。(記事=中谷光昭)
※今回は、5月から8月までの連載を振り返る総集編です。各記事の全文を読みたい方は、こちらからご覧ください。
※今回は、5月から8月までの連載を振り返る総集編です。各記事の全文を読みたい方は、こちらからご覧ください。
●信仰体験
●信仰体験
◇千葉県船橋市 佐藤恵美さん
学会が地域に広げる「居場所」
◇千葉県船橋市 佐藤恵美さん
学会が地域に広げる「居場所」
今春、佐藤優羽さん(中央)は高校3年生になった。赤ちゃんの頃から見守ってくれている女性部の先輩たち。母・恵美さん(右から2人目)は、そんな先輩たちを地域の母と思い、慕っている(千葉県船橋市で)
今春、佐藤優羽さん(中央)は高校3年生になった。赤ちゃんの頃から見守ってくれている女性部の先輩たち。母・恵美さん(右から2人目)は、そんな先輩たちを地域の母と思い、慕っている(千葉県船橋市で)
孤独や孤立が広がる社会にあって、創価学会はどのような「居場所」を地域につくり広げてきたのでしょうか。その実像に迫るべく、一人の女性部員を取材しました。
千葉県船橋市の佐藤恵美さんは、就職氷河期の影響が残る中、夫と懸命に生活を築いてきました。
しかし、夫が35歳で急逝。当時2歳の長男・優羽さんを一人で育てることに。そんな母子を支えたのが、地域の女性部の先輩たちでした。
「顔、見に来たよ」「何でも言うのよ」と家を訪ね、佐藤さん親子の成長を見守り続けてくれました。
佐藤さんは「先輩たちがいなかったら、地域の中で孤立していたと思う」と述懐します。
今では、佐藤さん自身が支部女性部長として地域を歩き、受け取った励ましを次の一人へ――。
学会活動が地域に育んできた、人と人とのつながりの力を見つめました。
(6月26日付)
孤独や孤立が広がる社会にあって、創価学会はどのような「居場所」を地域につくり広げてきたのでしょうか。その実像に迫るべく、一人の女性部員を取材しました。
千葉県船橋市の佐藤恵美さんは、就職氷河期の影響が残る中、夫と懸命に生活を築いてきました。
しかし、夫が35歳で急逝。当時2歳の長男・優羽さんを一人で育てることに。そんな母子を支えたのが、地域の女性部の先輩たちでした。
「顔、見に来たよ」「何でも言うのよ」と家を訪ね、佐藤さん親子の成長を見守り続けてくれました。
佐藤さんは「先輩たちがいなかったら、地域の中で孤立していたと思う」と述懐します。
今では、佐藤さん自身が支部女性部長として地域を歩き、受け取った励ましを次の一人へ――。
学会活動が地域に育んできた、人と人とのつながりの力を見つめました。
(6月26日付)
●若者支援のNPO
●若者支援のNPO
◇大阪・グリ下で支援を行う 認定NPO法人D×P(ディーピー)
理事長 今井紀明さん
◇大阪・グリ下で支援を行う 認定NPO法人D×P(ディーピー)
理事長 今井紀明さん
13~25歳(ユース世代)の若者を支援する認定NPO法人D×P(ディーピー)。
LINEの相談窓口「ユキサキチャット」を通じ、虐待や家庭不和などで親を頼れない全国の若者の声を受け止め、食糧支援や現金給付を行っています。
一方で、“助けて”と声をあげること自体が難しい若者も。D×Pは、若者がいる場所へ出向き、つながりをつくることを大切にしています。
大阪・道頓堀の「グリコの看板下」(通称、グリ下)に集まる若者へのアウトリーチ(自ら援助にアクセスできない人が支援につながれるように働きかける取り組み)を行い、グリ下から徒歩5分ほどの場所には「ユースセンター」を設置。若者に食事や休息の場を提供しながら、相談や行政・病院への同行支援を重ねています。
理事長の今井紀明さんは、自身も孤立から多くの人に支えられた経験を原点に、「誰かの『助けて』に応える仕組みを社会の中につくりたい」と。NPOや行政、企業に加え、地域に根ざしたつながりを持つ宗教団体などが連携し、新たなセーフティーネットを築く重要性を語りました。
(7月10日、8月14日付)
13~25歳(ユース世代)の若者を支援する認定NPO法人D×P(ディーピー)。
LINEの相談窓口「ユキサキチャット」を通じ、虐待や家庭不和などで親を頼れない全国の若者の声を受け止め、食糧支援や現金給付を行っています。
一方で、“助けて”と声をあげること自体が難しい若者も。D×Pは、若者がいる場所へ出向き、つながりをつくることを大切にしています。
大阪・道頓堀の「グリコの看板下」(通称、グリ下)に集まる若者へのアウトリーチ(自ら援助にアクセスできない人が支援につながれるように働きかける取り組み)を行い、グリ下から徒歩5分ほどの場所には「ユースセンター」を設置。若者に食事や休息の場を提供しながら、相談や行政・病院への同行支援を重ねています。
理事長の今井紀明さんは、自身も孤立から多くの人に支えられた経験を原点に、「誰かの『助けて』に応える仕組みを社会の中につくりたい」と。NPOや行政、企業に加え、地域に根ざしたつながりを持つ宗教団体などが連携し、新たなセーフティーネットを築く重要性を語りました。
(7月10日、8月14日付)
◇東京・豊島区で活動する NPO法人サンカクシャ
代表理事 荒井佑介さん
◇東京・豊島区で活動する NPO法人サンカクシャ
代表理事 荒井佑介さん
家庭や学校に居場所を失う若者の中には、生活に困窮し、SNSを通じて闇バイトや性搾取などの犯罪やトラブルに巻き込まれるケースもあります。「助けて」と言えないまま、社会との接点を失っていく若者をどう支えればよいか。
東京都豊島区を拠点に、15~25歳ほどの若者を支援するNPO法人サンカクシャは、居場所・居住・社会参画を柱に支援を行っています。
交流拠点「サンカクキチ」など安心して人とつながれる場を運営するほか、住まいを失った若者にはシェルターやシェアハウスを提供。一人一人の状況に合わせ、働くことなど社会との接点を取り戻すまで伴走しています。
近年は、若者同士がつながりを保ったまま働ける事業も開始。SNSを通じたアウトリーチにも力を入れています。
代表理事の荒井佑介さんは、若者の表面的な姿や行動だけで判断せず、その背景を理解し、関わり続けることの大切さを強調します。
支える側と支えられる側という固定された関係ではなく、共に歩みながら社会に参画していく。その実践から、孤立を防ぐために必要な「つながり」のあり方を学びました。
(5月15日、23日付)
家庭や学校に居場所を失う若者の中には、生活に困窮し、SNSを通じて闇バイトや性搾取などの犯罪やトラブルに巻き込まれるケースもあります。「助けて」と言えないまま、社会との接点を失っていく若者をどう支えればよいか。
東京都豊島区を拠点に、15~25歳ほどの若者を支援するNPO法人サンカクシャは、居場所・居住・社会参画を柱に支援を行っています。
交流拠点「サンカクキチ」など安心して人とつながれる場を運営するほか、住まいを失った若者にはシェルターやシェアハウスを提供。一人一人の状況に合わせ、働くことなど社会との接点を取り戻すまで伴走しています。
近年は、若者同士がつながりを保ったまま働ける事業も開始。SNSを通じたアウトリーチにも力を入れています。
代表理事の荒井佑介さんは、若者の表面的な姿や行動だけで判断せず、その背景を理解し、関わり続けることの大切さを強調します。
支える側と支えられる側という固定された関係ではなく、共に歩みながら社会に参画していく。その実践から、孤立を防ぐために必要な「つながり」のあり方を学びました。
(5月15日、23日付)
●識者インタビュー
●識者インタビュー
◇こども家庭庁 こどもの居場所部会 部会長
前田正子さん(甲南大学教授)
◇こども家庭庁 こどもの居場所部会 部会長
前田正子さん(甲南大学教授)
孤立や貧困の背景に、どのような社会構造があるのか。こども家庭庁「こどもの居場所部会」部会長の前田正子さん(甲南大学教授)にインタビューしました。
前田さんは、就職氷河期世代が不安定雇用や、支援制度の狭間に置かれた結果、結婚や出産を諦めざるを得ない人が増えた一方、非正規雇用や低収入の中で結婚・出産した世帯では、親子で困窮に陥るケースも生まれたと指摘しました。
氷河期世代から若者に続く、貧困や孤立などの課題を“自己責任ではなく、社会の責任”と捉え、解決に向けた支援を行う重要性を強調しています。
誰でも条件なく集える「ユニバーサルな居場所」を拡充し、行政や企業、NPOや市民団体、宗教団体などが重なり合い、声をかけ合う日常的な関係構築が、孤立の予防につながると語りました。
(5月29日付)
孤立や貧困の背景に、どのような社会構造があるのか。こども家庭庁「こどもの居場所部会」部会長の前田正子さん(甲南大学教授)にインタビューしました。
前田さんは、就職氷河期世代が不安定雇用や、支援制度の狭間に置かれた結果、結婚や出産を諦めざるを得ない人が増えた一方、非正規雇用や低収入の中で結婚・出産した世帯では、親子で困窮に陥るケースも生まれたと指摘しました。
氷河期世代から若者に続く、貧困や孤立などの課題を“自己責任ではなく、社会の責任”と捉え、解決に向けた支援を行う重要性を強調しています。
誰でも条件なく集える「ユニバーサルな居場所」を拡充し、行政や企業、NPOや市民団体、宗教団体などが重なり合い、声をかけ合う日常的な関係構築が、孤立の予防につながると語りました。
(5月29日付)
◇社会学者
今野晴貴さん
◇社会学者
今野晴貴さん
若者の貧困につながる「雇用の不安定化」はなぜ起きたのか。労働問題に詳しい社会学者の今野晴貴さんに聞きました。
今野さんは、バブル崩壊後、企業が人材育成への投資を減らし、若者を「安価な労働力として使いつぶす」方向へ転換したと指摘。就職氷河期世代の多くが低賃金・非正規雇用に置かれ、十分なスキルアップの機会を得られなかったことは「国家的損失」であり、将来設計を困難にさせたことが貧困や少子化につながったと語りました。
「正社員になれなかった人が悪い」という発想から脱却し、雇用形態にかかわらず安心して暮らせる基盤を整える必要性を強調。利害を超えて人が集まり、励まし合える場をつくる中間団体は、制度だけでは支えきれない部分を補い、孤立を防ぐ、重要な支えになり得ると期待を寄せました。
(6月12日付)
若者の貧困につながる「雇用の不安定化」はなぜ起きたのか。労働問題に詳しい社会学者の今野晴貴さんに聞きました。
今野さんは、バブル崩壊後、企業が人材育成への投資を減らし、若者を「安価な労働力として使いつぶす」方向へ転換したと指摘。就職氷河期世代の多くが低賃金・非正規雇用に置かれ、十分なスキルアップの機会を得られなかったことは「国家的損失」であり、将来設計を困難にさせたことが貧困や少子化につながったと語りました。
「正社員になれなかった人が悪い」という発想から脱却し、雇用形態にかかわらず安心して暮らせる基盤を整える必要性を強調。利害を超えて人が集まり、励まし合える場をつくる中間団体は、制度だけでは支えきれない部分を補い、孤立を防ぐ、重要な支えになり得ると期待を寄せました。
(6月12日付)
●読者アンケートを実施(8月24日付)
●読者アンケートを実施(8月24日付)
【自由記述】
【自由記述】
最近の聖教新聞は、内容が多岐にわたり感動することが多いです。今回の記事も素晴らしいので友人に紹介しました。(30代)
自分も感動しましたが未入会の友人に迷いながらシェアしましたら何度も何度も読んですごく良かったと感想がありました。(60代)
(新聞の)1面が目を引くデザインで、数字文字が大きく読みやすく、分かりやすかったです。ニュースで表面的な話を聞いたことがあるだけでしたが、詳しく知ることができて良かったです。(40代)
※こちらから、寄せられたいくつかの感想をご覧いただけます。
最近の聖教新聞は、内容が多岐にわたり感動することが多いです。今回の記事も素晴らしいので友人に紹介しました。(30代)
自分も感動しましたが未入会の友人に迷いながらシェアしましたら何度も何度も読んですごく良かったと感想がありました。(60代)
(新聞の)1面が目を引くデザインで、数字文字が大きく読みやすく、分かりやすかったです。ニュースで表面的な話を聞いたことがあるだけでしたが、詳しく知ることができて良かったです。(40代)
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