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〈Seikyo Gift〉 “仮装大賞”優勝アイドル〈信仰体験〉 2025年4月26日

  • 泥くさく暑苦しい、情熱ステージ!
  • 座右の銘「猪突猛進」
  • 母の一言「福運だよ」
全力で、カッコよく!――音楽が流れると、スイッチが入ったように踊り出す福田さん。年間150回近いライブ活動を行っている
全力で、カッコよく!――音楽が流れると、スイッチが入ったように踊り出す福田さん。年間150回近いライブ活動を行っている

 【神奈川県平塚市】プロのダンサーになる夢をかなえた人。アイドルはアイドルでも、踊るアイドル。時には「水着でライブする、うわさの人」とも言われ、踊るグラドル(グラビアアイドル)に。そんな福田亜理沙さん(32)=女性部員=が、あの人気番組の“仮装大賞”で優勝した!という。役柄は? 「黒子です」。母・ひとみさん(62)=支部副女性部長=に支えられてきた芸能活動。ここに来て路線変更だろうか――。(2月18日付)

“仮装大賞”優勝の喜びを、アイドルユニットを組む珠奈さん㊧と一緒に(本人提供)
“仮装大賞”優勝の喜びを、アイドルユニットを組む珠奈さん㊧と一緒に(本人提供)

 本年1月放送された「欽ちゃん&香取慎吾の第100回全日本仮装大賞」。お茶の間に笑いを届けてきた、人気の長寿番組だ。今回は応募総数3580組の中から、予選を勝ち抜いた34組が出場した。
 
 優勝を飾った作品のタイトルは「白黒映画」。一人の侍が、次々と敵を斬り倒していく。映画さながらの迫力シーンが初めは白黒で描かれ、最後はカラーに。数十人の黒子による傑作だ。
 もはや、福田さんがどこにいるのかは分からない。「途中で出てくる、鶴と紅葉、あと最後の『完』を持っているのが私です」
 
 そんな中、優勝インタビューのマイクが福田さんに向けられると、アイドルユニット「5%BERMUDA」の「福永ありさ(芸名)さん」として紹介された。
 俳優やミュージシャンなど、夢を追い駆けるメンバーで構成された、今回の黒子たち。福田さんが最初に抱いた夢は、プロのダンサーだった――。

信心根本に励まし続けてくれる母・ひとみさん㊧と
信心根本に励まし続けてくれる母・ひとみさん㊧と

 ダンス好きの両親のもとに生まれ、小学校1年の時からダンス教室へ。ところが、「恥ずかしがり屋で、初めは人前に立てなかったんです」と福田さん。
 レッスンは、いつも後ろの端っこ。「ダンスの講師より、ママの近くにいたかった」
 それでも母は、「ダンスが楽しい」と言う娘を信じ、才能の開花を祈り続けた。
 
 小学校4年の時からは、少年少女部の合唱団にも所属。メンバー同士で題目を唱えるようになると、「母の祈りを感じるようになって……」。
 “お母さん、お父さんに喜んでもらいたい”と思うと、“恥ずかしがり屋”は徐々に影を潜め、人前で踊る自信をつけていった。
 
 そうして小学校5、6年の時には、音楽アーティストのバックダンサーに。夢に見たコンサートホールの舞台に立っていた。“もっともっと、踊りたい!”

 中学生の頃、福田さんは都内のダンス教室に通った。講師は、日本のダンスミュージックをリードしてきた有名アーティスト。プロデビューを目指し、本格的に教わった。
 
 この頃になると、学校でも音楽が流れているだけで、自然と体がリズムに合わせて動くように。「それが、周囲のかんに障ったのかも」。いじめを受け始めた。
 「痛っ!」
 ある日、上履きの中に画びょうが入っていた。次第にエスカレートし、上履きが無かったり、教科書が破られていたり。母が作ってくれた弁当が、トイレに捨てられたこともあった。
 
 “学校に行きたくない。家にこもっていたい。死にたい……”
 ふさぎ込む気持ちを解き放ってくれたのも「ダンスだった」。
 踊って踊って、踊り倒す。その姿に思いがあふれ出ていた。
 “負けたくない!”

 福田さんには、強力な応援団も。母と共に参加した座談会で、よく声をかけてくれる女性部の先輩たち。「いつも頑張ってるね」「テレビに出られるといいね」
 そんな一言が、心の支えになった。「いじめられたからこそ、人の励ましのありがたさが身に染みたんだと思います」。感謝の気持ちが込み上げた。
 
 高校に進むと、いじめられることはなく、ダンスに専念できる環境に。母娘で祈ってきたことが、また一つかなった。
 
 しかし卒業前、幾つもの病と闘ってきた父・正明さんが、霊山へ旅立った。享年45歳。「父は未入会だったけれど、座談会に参加し、信仰の正しさは分かっていたみたい。浮き沈みの激しい芸能界で生き残れるよう、娘の私には『信心をしっかり続けなさい』って」

アーティスト・福永ありささん(本人提供)
アーティスト・福永ありささん(本人提供)

 高校卒業後、福田さんはプロのバックダンサーとして活躍した。
 座右の銘に「猪突猛進」を掲げ、ダンサーの道を駆け上がる。
 
 程なく「オーディションで約1000人の中からセンターポジションに選ばれたダンサー」と紹介されるように。「ドーム、アリーナ、武道館といった大舞台で踊りました」
 
 だがそこは、少しでも良い位置で踊りたいという、ライバルとのポジション争い。メンバー同士の中傷にうんざりしたことも。気付けば、ダンスが楽しくなくなっていた。
 
 未来部時代に学んだ池田先生の指針。母からも同じことを何度も言われてきた。「福運をつけるんだよ」

 題目に題目を重ね、決断した。それが2020年(令和2年)に結成した「5%BERMUDA」である。
 「小さな舞台でも、自分たちのやりたいパフォーマンスで皆さんに喜んでもらいたい」
 
 以前は数万人の観客の前で踊ったが、ユニット結成後はわずか数百人。それでも「手ごたえは十分」だった。
 
 オーディションで選ばれたボーカルの鈴木珠奈さん(33)=女性部員=も「後から聞いたら、創価学会員で」。歌手になる夢を諦め切れず、会社員を辞めて応募してきた。

アイドルユニット「5%BERMUDA」(右が福田さん、本人提供)
アイドルユニット「5%BERMUDA」(右が福田さん、本人提供)

 お互い、キャリアをなげうっての再挑戦。2人は、命の根っこにある信心を基にした。
 「自他・彼此の心なく、水魚の思いを成して、異体同心にして」(新1775・全1337)。双方の良さを引き出しながら、映画の主題歌に抜てきされるなど実証を示してきた。
 
 芸術部員でもある福田さんには、心に刻む池田先生の言葉がある。
 「太陽のごとく明るく、富士のごとく悠然と、わが人生の劇で勝利していただきたい」
 
 仮装大賞への挑戦を決めたのも、自分らしく「家族が喜んでくれるから」と笑顔で。舞台の立ち位置が、センターでも黒子でも全力を尽くす。
 「これからも、人生を懸けた泥くさくて暑苦しい、情熱ステージをお届けします!」

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