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核の未来を巡り学術会議 戸田平和研究所がスイス・ジュネーブで 2025年11月12日
戸田記念国際平和研究所とCCDPによるワークショップ。“核の未来”を巡り、活発な議論を交わした(10月30日、スイス・ジュネーブで)
戸田記念国際平和研究所(ケビン・クレメンツ所長)の学術会議が10月30、31の両日(現地時間)、スイス・ジュネーブで開催された。ジュネーブ国際・開発研究大学院の紛争・開発・平和構築研究センター(CCDP)との共催によるものである。
今回のテーマは「核の未来――不拡散、危険なドクトリン、および軍備管理の展望」。オーストリア外務省軍縮・軍備管理・不拡散局長のアレクサンダー・クメント氏や、イギリス・アクロニム軍縮外交研究所所長のレベッカ・ジョンソン氏をはじめ、各国の識者、専門家ら約20人が参加し、研究発表や質疑応答を行った。
会議では、既存の核軍備・管理の枠組みの機能不全や、科学技術の進歩による通常兵器と核兵器の境界の曖昧化により、不安定性が高まっているとの懸念が指摘された。
世界情勢が米ロの二極化から多極化へと変化していく中で、地域の安全保障や文化的な側面も考慮した多角的な視点での議論が必要との声もあった。
さらに、核戦争という人類最悪の悲劇を回避するため、“危機は機会の母”との格言を銘記し、軍縮に向けての政治的合意のため、実行できることから着実に進めていくべきだとの意見があった。
戸田研究所のキース・クラウス、スタイン・トネソン両上級研究員があいさつした。













