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〈介護〉 読者の体験談 こころの絆 2026年4月15日

 今回の「介護」のページは、読者の皆さまから寄せられた体験談を「こころの絆」として紹介します。
 

こちらこそ…

 長崎県時津町
   阿部 昌子
   (主婦 67歳)
 89歳の義父が、入院して2日目に息を引き取りました。あまりにあっけない最期に、悲しいのかむなしいのか、呆然とするばかり。心にぽっかり穴があいたようでした。
 目と耳の障がい、突発性の心臓発作、糖尿病――さまざまな持病を抱えていた義父は、何度も入退院を繰り返し、自宅でも療養が続きました。
 義父は、話し始めると止まらない人でしたが、「ありがとう」「ごめんなさい」「おはよう」「いただきます」といった言葉は、全く口にしませんでした。それが義父の当たり前なのだと、受け止めながら、日々の生活を支えてきました。
 義父より6歳年下の義母は、47歳の時に病死しています。私は義母よりも長く共に暮らしてきたため、最後まで役目を果たそうと努めていました。
 そうした思いの中で迎えた葬儀。叔父がこう言ってくれました。
 「本当に、長い間よくしてもらって。兄弟として、お礼を言います。ありがとう」――とても心に響きました。このような形で「ありがとう」を受け取ることもあるのだと、胸が熱くなりました。義父が叔父の口を借りて感謝を伝えてくれたように思えたのです。
 ――お義父さん、お疲れさまでした。こちらこそ、ありがとうございました。
 

一緒に買い物

 静岡県森町
   伊藤 幸弘
   (71歳)
 昨年、父が他界。現在は、私と妻の二人で94歳の母を介護しています。
 母は週4回、デイサービスに通っています。当初は嫌がっていましたが、今ではすっかり慣れ、楽しみにしています。仲間と体操や塗り絵をしたり、おやつを食べたりして過ごし、とても元気になって帰宅します。寝付きも良くなり、布団に入るとすぐ眠ってしまいます。
 デイサービスのない日は、家族で買い物に出かけるようにしています。一日中家にいると、昼寝をしてしまい、夜に眠れなくなるからです。
 デイサービスに通うようになってからは、母はもちろん、年金生活を送る私たち夫婦も規則正しい生活リズムをつくることができ、良かったと感じています。また、共に出かける機会が増え、家族の絆も一層強まりました。
 母には認知症があり、大変なこともあります。これからも頑張りすぎず、母への感謝の気持ちを忘れずに、介護生活を送っていきたいと思います。
 

棒付きのあめ

 神戸市垂水区
   野下 明美
   (主婦 67歳)
 昨年5月、母は96歳で旅立ちました。
 母は、50代の頃に1度だけ入院しましたが、それ以外に大きな病気をすることもなく、デイサービスを利用しながら、自宅で過ごしていました。
 そんな母が「一人は寂しい」と訴えるようになったのは、3年前のことです。私と妹、子どもたちで協力し、母が一人にならないよう、頻繁に顔を出しました。また、ご近所の方々もよく訪ねてくださったおかげで、母のそばには毎日、誰かがいる生活が続きました。
 その後、母は新型コロナで入院したことを機に、段差がある場所を歩くのが難しくなり、施設に入ることになりました。8カ月間、お世話になりましたが、その中でも、特に心に残った出来事があります。
 何も食べられなくなった母に、好きな甘い物を味わってもらいたいと、妹が思いついたのが「棒付きキャンディー」でした。母の口元に近づけたところ、母はしっかりとくわえ、「これ、甘くておいしいわ」と久しぶりに声を聞かせてくれたのです。
 点滴だけで過ごしていた母に、“何をしてあげたら喜んでくれるのか”と、心から寄り添った妹の優しさに、胸が熱くなりました。
 幸せそうな母の笑顔を見て、私も妹もうれし涙がこぼれました。家族で過ごせた、かけがえのないひとときでした。
 

よかったよね

 東京都大田区
   大賀 玲子
   (会社員 51歳)
 父が急に動けなくなり、医師からは「心の準備を」との宣告。在宅介護が始まった。
 介護はトラブルの連続――すぐに床ずれができた。おむつの当て方が悪く洗濯の山。仕事から帰ると、母が「お父さんがベッドから落ちちゃったのよ」と困惑している。体の大きい父を、力ずくでベッドに戻した。
 父は“職人かたぎ”そのもので、家業を継いだ兄とは口を開けば大げんか。そんな兄が介護用品の調達に走る姿に、正直驚いた。
 当初、反応もなかった父が、日を追うごとに回復していった。
 普段、感謝の言葉なんて聞いたこともなかったのに、「ありがとう」を何度も口にする父。
 介護施設で働く夫から介護技術を学んだ。同じく介護職経験があるおい、医師として的確な助言をくれるもう一人のおいも力になってくれた。
 私は、介護施設で栄養士として長年働いてきたが、直接の介護は素人であることを痛感。それでも3年弱、家族の総合力で介護を続け、安らかに旅立つ父を見送った。
 親孝行ができたと感じている。「これでよかったよね、お父さん」と心から言える。
 その後、介護資格も取得した。父のケアには間に合わなかったが、いつか誰かの役に立ちたいと願っている。
 

〈原稿募集〉
こころの絆

 読者の体験談「こころの絆」では、皆さまの介護体験を募集しています。内容は自由です。“わが家流”の介護の取り組みなど、皆さまの体験談を聞かせてください。
  

介護のホンネ
誰にも相談できない…

 介護の悩みを背負いながら、誰にも相談できなかった……。そんな経験はありませんか。“誰も分かってくれない”という孤立感があった、親の状況を恥ずかしいと思ってしまった、どこに相談すればよいかすら分からなかったなど、抱え込んでしまった体験をお寄せください。
 

〈要項〉

 ■応募するコーナー(「こころの絆」か「介護のホンネ」のいずれか)、氏名、住所、年齢、性別、職業、電話番号を明記してください。
 ※介護のホンネは、匿名希望でも応募できます。
 ■字数の目安は400字程度。氏名入りで掲載された方に、図書カードを進呈します。
 ■趣旨を変えない範囲で添削させていただく場合があります。
 ■原稿が当社のウェブサイトに掲載されることもご了承ください。
 ■原稿は返却しません。同内容のものを他紙誌に送ることは、ご遠慮ください。
  

〈宛先〉

 [郵送] 〒160-8070 聖教新聞「介護」のページ係
 [メール] dokusha@seikyo-np.jp
 [ファクス] 03(5360)9610
  

 ▶紙面への感想や、介護について知りたいテーマなども、ぜひお送りください。
 

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