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〈子どもと学ぶ仏教説話――ミライの冒険〉 3階だけほしい 2026年4月9日

 創作童話「子どもと学ぶ仏教説話――ミライの冒険」では、主人公のミライが、仏教説話の世界を巡る冒険に出かけます。座談会の未来部コーナーなどでご活用ください!(イラスト 逸見チエコ)

まじめに一歩ずつ進もう

 「ワシは、こんな家がほしいんだ!」
 3階だての家の前で、おじさんが、そう言っているのを、ミライは聞きました。
 「おじさん、どうしたの?」
 「りっぱな、この家を見て、ワシも見晴らしの良い高い家がほしくなったんだよ。さっそく大工を呼んで、建ててもらおうと思ってな。まわりには、あんなに高い家はないし、遠くに山も見える。3階からのながめは、きっと素晴らしいにちがいない。お金には困っていないんだ」
 ミライがよく見ると、おじさんは宝石をいくつも身につけていて、お金持ちのようです。
 「応援するよ、おじさん!」

 しかし、大工が来て、家を建て始めると、おじさんは、なんだか、きげんが悪そうです。
 「はやく“あの3階”がほしいのに、なんで土を掘っているんだ!」
 大工が答えます。
 「3階を手に入れるためには、2階。2階のためには1階。1階のためには、その土台が必要です。土台は、土を掘らないと作れないんですよ」
 おじさんは「素晴らしいながめを見られるのは3階だけだ。1階と2階はいらない。早く“3階だけ”を作ってくれ!」
 「それはムリです」

 大工がいくら言っても、おじさんは聞きません。
 おじさんは怒って、どこかへいなくなり、ついに戻ってくることはありませんでした。
 
 それでも大工は、コツコツと家づくりを進めます。ミライも、全力で手伝いました。

 そうして、ついに3階が完成しました。
 ミライが3階に上がってみると、とても良い景色です。
 「まじめに一歩ずつ頑張れば、最高の景色が見られるんだね! おじさんも見られたら良かったのに……」
 (つづく。前回は3月12日付)

今回のお話の解説

 さっさと、あの立派な“3階だけ”がほしい――そんな無理な注文をする富豪が登場する“三層の楼閣”の説話が、今回のお話の基です。
 土台や1階・2階という着実な努力の種があってこそ、“3階”という果実は実ります。手っ取り早く、外見の体裁や結果だけを追い求めることの愚かさを示す説話です。
 池田先生は「家を建てるのも、仕事も、学問も、また人生も、何事も基礎が大切であり、不可欠である」「苦難に勝ちうることなくして、栄光を勝ちとった人はいない。そのすべての苦難と苦労が勝利へと展開され、開かれていくのが『妙法』の世界であり、『信心』の力なのである」と。
 どんな困難にも負けず、地道に、一歩ずつ進む。その積み重ねが基礎を築きます。その基礎の上に、信心によって思いもよらない自分の未来を築くことができるのです。

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