小説「新・人間革命」に学ぶ　第４巻　解説編　池田主任副会長の紙上講座 小説「新・人間革命」に学ぶ　第４巻　解説編　池田主任副会長の紙上講座 2019年1月30日

• 連載〈世界広布の大道〉
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　今回の「世界広布の大道　小説『新・人間革命』に学ぶ」は第4巻の「解説編」。池田博正主任副会長の紙上講座とともに、同巻につづられた珠玉の名言を紹介する。

　今回の「世界広布の大道　小説『新・人間革命』に学ぶ」は第4巻（かん）の「解説編」。池田博正主任副会長の紙上講（こう）座（ざ）とともに、同巻（かん）につづられた珠（しゅ）玉（ぎょく）の名言を紹（しょう）介（かい）する。

　第4巻では、山本伸一が創価学会の第3代会長に就任した翌年となる1961年（昭和36年）の模様が描かれています。学会はこの年の6月、年間目標であった200万世帯を達成。まさに旭日の勢いで、広布が大きく伸展した時でした。

　その一方で忘れてはならないことが二つあります。

　一つ目は、「大阪事件」の裁判が山場を迎えていたことです。57年（同32年）7月3日、伸一は事実無根の選挙違反の容疑で逮捕され、同年10月から裁判が始まりました。

　ところが、弁護士から「有罪は覚悟していただきたい」（40ページ）と言われるほど、裁判は厳しい状況でした。こうした中で、伸一は広布の指揮を執っていたのです。

　もう一つが「村八分事件」です。

　「春嵐」の章では、当時、各地で起きていた学会員への不当な村八分について描かれています。

　事件の原因はいずれも、学会員が神社などへの行事の参加や寄付を拒否した、というものでした。しかし、その本質は、学会の布教によって、寺院や神社の関係者が、自身の立場を脅かされるのではないか、という“恐れ”を抱いたことに起因するものでした。

　村八分事件の報告を受けた伸一は、「長い人生から見れば、そんなことは一瞬です。むしろ、信心の最高の思い出になります」（71ページ）と語ります。その真意は「同志にとって大切なことは、何があっても、決して退くことのない、不屈の信心に立つことである。そこにこそ、永遠に、栄光の道があるからだ」（同）との思いからでした。襲い掛かってきた大難を、“強き信仰の人に育てていくためのステップ”として捉えていたのです。

　私たちは「不屈の信心」を心に刻み、前進したいと思います。

　第4巻（かん）では、山本伸（しん）一（いち）が創価学会の第3代会長に就（しゅう）任（にん）した翌年となる1961年（昭和36年）の模（も）様（よう）が描（えが）かれています。学会はこの年の6月、年間目標であった200万世帯を達成。まさに旭（きょく）日（じつ）の勢いで、広布が大きく伸（しん）展（てん）した時でした。

　その一方で忘（わす）れてはならないことが二つあります。

　一つ目は、「大阪事件」の裁（さい）判（ばん）が山場を迎（むか）えていたことです。57年（同32年）7月3日、伸（しん）一（いち）は事実無根の選挙違（い）反（はん）の容（よう）疑（ぎ）で逮（たい）捕（ほ）され、同年10月から裁（さい）判（ばん）が始まりました。

　ところが、弁護士から「有罪は覚（かく）悟（ご）していただきたい」（40ページ）と言われるほど、裁（さい）判（ばん）は厳（きび）しい状（じょう）況（きょう）でした。こうした中で、伸（しん）一（いち）は広布の指（し）揮（き）を執（と）っていたのです。

　もう一つが「村八分事件」です。

　「春（しゅん）嵐（らん）」の章では、当時、各地で起きていた学会員への不当な村八分について描（えが）かれています。

　事件の原因はいずれも、学会員が神社などへの行事の参加や寄付を拒（きょ）否（ひ）した、というものでした。しかし、その本質は、学会の布教によって、寺院や神社の関係者が、自身の立場を脅（おびや）かされるのではないか、という“恐（おそ）れ”を抱（いだ）いたことに起因するものでした。

　村八分事件の報告を受けた伸（しん）一（いち）は、「長い人生から見れば、そんなことは一（いっ）瞬（しゅん）です。むしろ、信心の最高の思い出になります」（71ページ）と語ります。その真意は「同志にとって大切なことは、何があっても、決して退くことのない、不（ふ）屈（くつ）の信心に立つことである。そこにこそ、永遠に、栄光の道があるからだ」（同）との思いからでした。襲（おそ）い掛（か）かってきた大（だい）難（なん）を、“強き信（しん）仰（こう）の人に育てていくためのステップ”として捉（とら）えていたのです。

　私たちは「不（ふ）屈（くつ）の信心」を心に刻（きざ）み、前進したいと思います。

　第4巻の「凱旋」の章では、供養の精神について記されています。見返りを求めず、法のために喜んで財物を施す行為を、「喜捨」といいます。

　この「喜捨」について、須達長者のエピソードを通して、「純真な信仰から生まれた、この喜捨の心こそ、まことの供養であり、そこに偉大なる福徳の源泉がある」（131ページ）、そして「喜捨の心は、境涯を高め、無量の功徳をもたらし、それがまた、信心の確信を深める。そこに、幸福の軌道を確立する、仏法の方程式がある」（133ページ）と記されています。

　当時、多くの同志は経済苦や病苦と格闘していました。会館の建設などを進める段階に来ていましたが、供養を呼び掛けることに、伸一はためらいを覚えます。

　しかし、彼は御書を繙いて思索を重ね、供養の門戸を全同志に開くことを決断します。そして、こう誓います。

　「たとえ、今は貧しくとも、未来は必ずや大長者となることは間違いない。また、断じてそうさせていくのだ。私は、仏を敬うように、この人びとに接し、その真心を讃え、励ましていかねばならない」（138ページ）

　この一文に、学会同志の供養に対する池田先生の心が表れているのではないでしょうか。この「心」に、学会の供養の原点があります。

　また「青葉」の章には、学会の映像制作について書かれています。伸一は、映像の可能性に着目し、記録映画の製作を提言します。そして担当者に対して、「近いうちに、総天然色（カラー）のニュース映画も作っていこう」「将来は、同志の体験談をもとにした劇映画やドキュメンタリーも作るようにしよう」（196ページ）と、未来への構想を語っています。

　これは、現在の学会の映像配信サービス「SOKAチャンネルVOD（ビデオ・オン・デマンド）」の原形ともいえます。

　この時の伸一の英断が、映像視聴を通した現在の学会の運動へとつながっていったのです。

　第4巻（かん）の「凱（がい）旋（せん）」の章では、供（く）養（よう）の精神について記されています。見返りを求めず、法のために喜んで財物を施（ほどこ）す行（こう）為（い）を、「喜（き）捨（しゃ）」といいます。

　この「喜（き）捨（しゃ）」について、須（す）達（だつ）長（ちょう）者（じゃ）のエピソードを通して、「純（じゅん）真（しん）な信（しん）仰（こう）から生まれた、この喜（き）捨（しゃ）の心こそ、まことの供（く）養（よう）であり、そこに偉（い）大（だい）なる福徳の源（げん）泉（せん）がある」（131ページ）、そして「喜（き）捨（しゃ）の心は、境（きょう）涯（がい）を高め、無量の功徳をもたらし、それがまた、信心の確信を深める。そこに、幸福の軌（き）道（どう）を確立する、仏法の方程式がある」（133ページ）と記されています。

　当時、多くの同志は経（けい）済（ざい）苦（く）や病苦と格（かく）闘（とう）していました。会館の建設などを進める段（だん）階（かい）に来ていましたが、供（く）養（よう）を呼（よ）び掛（か）けることに、伸（しん）一（いち）はためらいを覚えます。

　しかし、彼（かれ）は御書を繙（ひもと）いて思（し）索（さく）を重ね、供（く）養（よう）の門戸を全同志に開くことを決断します。そして、こう誓（ちか）います。

　「たとえ、今は貧しくとも、未来は必ずや大長者となることは間（ま）違（ちが）いない。また、断じてそうさせていくのだ。私は、仏を敬（うやま）うように、この人びとに接し、その真心を讃（たた）え、励（はげ）ましていかねばならない」（138ページ）

　この一文に、学会同志の供（く）養（よう）に対する池田先生の心が表れているのではないでしょうか。この「心」に、学会の供（く）養（よう）の原点があります。

　また「青葉」の章には、学会の映（えい）像（ぞう）制作について書かれています。伸（しん）一（いち）は、映（えい）像（ぞう）の可能性に着目し、記録映（えい）画（が）の製作を提言します。そして担（たん）当（とう）者（しゃ）に対して、「近いうちに、総天然色（カラー）のニュース映（えい）画（が）も作っていこう」「将（しょう）来（らい）は、同志の体験談をもとにした劇（げき）映（えい）画（が）やドキュメンタリーも作るようにしよう」（196ページ）と、未来への構想を語っています。

　これは、現在の学会の映（えい）像（ぞう）配信サービス「SOKAチャンネルVOD（ビデオ・オン・デマンド）」の原形ともいえます。

　この時の伸（しん）一（いち）の英断が、映（えい）像（ぞう）視（し）聴（ちょう）を通した現在の学会の運動へとつながっていったのです。

　伸一は会長就任2年目のテーマとして青年部の育成を掲げました。「青葉」の章では、青年が成長する要件を挙げています。

　ここでは3点述べたい。

　1点目は、自身の使命を自覚することです。伸一は一部員であった頃から、戸田先生の構想を実現するために、学会の全責任を持とうとしてきました。「弟子として、師の心をわが心とし、学会のいっさいを自己の責任として考えてきた」「この見えざる無形の一念こそが、成長の種子といってよい」（156ページ）と書かれています。

　2点目は、師匠を定めることです。同章で、九州男子部のリーダーの姿を通して、こう記されています。「彼の行動は、師と仰ぐ伸一を基準にし、伸一の側に立って物事を考えていた」（162ページ）。“師と共に”との一念が成長の原動力となるのです。

　3点目は、両立に挑むということです。同章で、伸一は仕事と学会活動の両立に悩む青年に、「青年時代に、仕事も、学会活動もやりきったといえる戦いをすべきです。それが人生の基盤になるからです」（169ページ）と語ります。祈りを根本に、全てをやり切ると決めていくことから、勝利は開かれることを教えています。

　こうした青年の成長の要件とともに、第4巻では「青年を育成する側」の姿勢についても言及しています。たとえば、「立正安国」の章では、伸一が青年に触発を与え続けるために心掛けていたことが記されています。

　第一は「自分が、自身の原点であり、規範である師の戸田を、永遠に見失わないこと」（243ページ）。

　第二は「求道と挑戦の心を忘れることなく、自己教育に徹し、常に自分を磨き、高め、成長させていく」（同）。

　第三に「私心を捨て、人類の幸福のために生き抜く自らの姿を通して、青年の魂を触発していこう」（同）ということです。

　この心を、人材育成に携わる私たちも受け継いでいきたいと思います。
　　　　　◇　
　「青葉」の章では、61年6月に急逝した九州の婦人部長のことが紹介されています。彼女にはヨーロッパで仏法を弘めたいという夢がありました。

　伸一は同年10月、初の欧州指導の際、その子どもたちに絵皿の土産を買いました。その折、同行の友に、こう語っています。「皆、ともすれば、亡くなった人のことは、忘れてしまう。しかし、私は、一緒に戦い、苦労を分かち合ってくれた同志のことを、決して、忘れるわけにはいかないんだ。しかも、後に残された家族がいれば、なおさらだよ。私は、そうした家族を、生涯、見守っていきたいと思っている」（318ページ）と。

　学会は“真心の励ましの世界”です。この先生の思いを胸に、希望の連帯を広げていこうではありませんか。

　伸（しん）一（いち）は会長就（しゅう）任（にん）2年目のテーマとして青年部の育成を掲（かか）げました。「青葉」の章では、青年が成長する要件を挙げています。

　ここでは3点述べたい。

　1点目は、自身の使命を自覚することです。伸（しん）一（いち）は一部員であった頃（ころ）から、戸田先生の構想を実現するために、学会の全責任を持とうとしてきました。「弟子として、師の心をわが心とし、学会のいっさいを自（じ）己（こ）の責任として考えてきた」「この見えざる無形の一念こそが、成長の種子といってよい」（156ページ）と書かれています。

　2点目は、師（し）匠（しょう）を定めることです。同章で、九州男子部のリーダーの姿（すがた）を通して、こう記されています。「彼（かれ）の行動は、師と仰（あお）ぐ伸（しん）一（いち）を基準にし、伸（しん）一（いち）の側に立って物事を考えていた」（162ページ）。“師と共に”との一念が成長の原動力となるのです。

　3点目は、両立に挑（いど）むということです。同章で、伸（しん）一（いち）は仕事と学会活動の両立に悩（なや）む青年に、「青年時代に、仕事も、学会活動もやりきったといえる戦いをすべきです。それが人生の基（き）盤（ばん）になるからです」（169ページ）と語ります。祈りを根本に、全てをやり切ると決めていくことから、勝利は開かれることを教えています。

　こうした青年の成長の要件とともに、第4巻（かん）では「青年を育成する側」の姿（し）勢（せい）についても言（げん）及（きゅう）しています。たとえば、「立正安国」の章では、伸（しん）一（いち）が青年に触（しょく）発（はつ）を与（あた）え続けるために心（こころ）掛（が）けていたことが記されています。

　第一は「自分が、自身の原点であり、規（き）範（はん）である師の戸田を、永遠に見失わないこと」（243ページ）。

　第二は「求道と挑（ちょう）戦（せん）の心を忘（わす）れることなく、自（じ）己（こ）教育に徹（てっ）し、常に自分を磨（みが）き、高め、成長させていく」（同）。

　第三に「私心を捨（す）て、人類の幸福のために生き抜（ぬ）く自らの姿（すがた）を通して、青年の魂（たましい）を触（しょく）発（はつ）していこう」（同）ということです。

　この心を、人材育成に携（たずさ）わる私たちも受（う）け継（つ）いでいきたいと思います。
　　　　　◇　
　「青葉」の章では、61年6月に急（きゅう）逝（せい）した九州の婦人部長のことが紹（しょう）介（かい）されています。彼（かの）女（じょ）にはヨーロッパで仏法を弘（ひろ）めたいという夢がありました。

　伸（しん）一（いち）は同年10月、初の欧（おう）州（しゅう）指導の際、その子どもたちに絵皿の土産を買いました。その折、同行の友に、こう語っています。「皆（みな）、ともすれば、亡（な）くなった人のことは、忘（わす）れてしまう。しかし、私は、一（いっ）緒（しょ）に戦い、苦労を分かち合ってくれた同志のことを、決して、忘（わす）れるわけにはいかないんだ。しかも、後に残された家族がいれば、なおさらだよ。私は、そうした家族を、生（しょう）涯（がい）、見守っていきたいと思っている」（318ページ）と。

　学会は“真心の励（はげ）ましの世界”です。この先生の思いを胸（むね）に、希望の連帯を広げていこうではありませんか。

　仏法は最高の道理であります。その仏法を信奉する私たちは、常に、礼儀正しい行動を心がけていかなくてはなりません。
　（「春嵐」の章、8ページ）

　仏法は最高の道理であります。その仏法を信（しん）奉（ぽう）する私たちは、常に、礼（れい）儀（ぎ）正（ただ）しい行動を心がけていかなくてはなりません。
　（「春（しゅん）嵐（らん）」の章、8ページ）

　青年にとって大事なことは、どういう立場、どういう境遇にあろうが、自らを卑下しないことです。何があっても、楽しみながら、自身の無限の可能性を開いていくのが信心だからです。
　もし、自分なんかだめなんだと思えば、その瞬間から、自身の可能性を、自ら摘み取ってしまうことになる。未来をどう開くかの鍵は、すべて、現在のわが一念にある。
　（「凱旋」の章、81ページ）

　青年にとって大事なことは、どういう立場、どういう境（きょう）遇（ぐう）にあろうが、自らを卑（ひ）下（げ）しないことです。何があっても、楽しみながら、自身の無限の可能性を開いていくのが信心だからです。
　もし、自分なんかだめなんだと思えば、その瞬（しゅん）間（かん）から、自身の可能性を、自ら摘（つ）み取ってしまうことになる。未来をどう開くかの鍵（かぎ）は、すべて、現在のわが一念にある。
　（「凱（がい）旋（せん）」の章、81ページ）

　苦しいな、辛いなと思ったら、寸暇を見つけて祈ることです。祈れば、挑戦の力が湧いてくるし、必ず事態を開くことができます。そして、やがては、自由自在に、広宣流布のため、活動に励める境涯になっていきます。　（「青葉」の章、171ページ）

　苦しいな、辛（つら）いなと思ったら、寸（すん）暇（か）を見つけて祈ることです。祈れば、挑（ちょう）戦（せん）の力が湧（わ）いてくるし、必ず事態を開くことができます。そして、やがては、自由自在に、広宣流布のため、活動に励（はげ）める境（きょう）涯（がい）になっていきます。　（「青葉」の章、171ページ）

　見事な組織をつくっていくといっても、人間としての思いやりであり、心遣いがすべてだ。そこに人は心を打たれ、頑張ろうという気持ちにもなる。
　（「立正安国」の章、262ページ）

　見事な組織をつくっていくといっても、人間としての思いやりであり、心（こころ）遣（づか）いがすべてだ。そこに人は心を打たれ、頑（がん）張（ば）ろうという気持ちにもなる。
　（「立正安国」の章、262ページ）

　人生は長いようで短い。ましてや、青年時代は、あっという間に過ぎていってしまう。今、学会は、未来に向かって、大飛躍をしようとしている。広宣流布の大闘争の「時」が来ているんだ。時は「今」だよ。
　（「大光」の章、316ページ）

　人生は長いようで短い。ましてや、青年時代は、あっという間に過ぎていってしまう。今、学会は、未来に向かって、大飛（ひ）躍（やく）をしようとしている。広宣流布の大（だい）闘（とう）争（そう）の「時」が来ているんだ。時は「今」だよ。
　（「大光」の章、316ページ）

　【題字のイラスト】間瀬健治

　【題字のイラスト】間瀬健治