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〈文化〉“野球とデザイン”その深い関係――阪神タイガースの90年史からたどる 兵庫県・西宮市大谷記念美術館で展覧会
〈文化〉“野球とデザイン”その深い関係――阪神タイガースの90年史からたどる 兵庫県・西宮市大谷記念美術館で展覧会
2025年6月30日
◆一体感や高揚を創出 地域や時代の未来もデザイン
◆一体感や高揚を創出 地域や時代の未来もデザイン
阪神タイガースのホームグラウンド・阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)に猛虎の球団マークがついたジェット風船が舞う。デザインは、一体感や高揚、活力を生む重要な要素。甲子園は高校球児にとっても憧(あこが)れの地である
阪神タイガースのホームグラウンド・阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)に猛虎の球団マークがついたジェット風船が舞う。デザインは、一体感や高揚、活力を生む重要な要素。甲子園は高校球児にとっても憧(あこが)れの地である
歴史をたどるポスターなども
歴史をたどるポスターなども
入場券のデザインも多様・多彩。1985年(昭和60年)4月17日、ランディ・バースさん・掛布雅之さん・岡田彰布さんが7回裏に3者連続ホームランを打った阪神甲子園球場での巨人戦(最前列中央)をはじめ、プロ野球の歴史的にも貴重なものばかり
入場券のデザインも多様・多彩。1985年(昭和60年)4月17日、ランディ・バースさん・掛布雅之さん・岡田彰布さんが7回裏に3者連続ホームランを打った阪神甲子園球場での巨人戦(最前列中央)をはじめ、プロ野球の歴史的にも貴重なものばかり
米国発祥の野球が日本に伝わったのは1872年(明治5年)。150年余りを経た今も野球の人気は根強い。
2024年の調査では、サッカーJリーグチームのファン人口952万人に対して、プロ野球チームのファン人口は2210万人。野球は日本人に長く、広く親しまれているスポーツといえる。
プロ野球の12球団の中でも絶大な人気に支えられているのが阪神タイガースだ。
24年調査の球団別ファン人口推計は12球団で最も多い415万人。369万人の読売ジャイアンツ、240万人の福岡ソフトバンクホークス、208万人の中日ドラゴンズが続く。同年度の球団別入場者数300万9693人、1試合平均4万1801人も断トツの第1位である。
その阪神タイガースは1935年(昭和10年)に、大阪野球倶楽部(大阪タイガース)として創立された。今年は90周年。長きにわたってファンを魅了し続ける歴史をデザインの観点からひもとく展覧会「野球とデザイン」が、阪神甲子園球場のある兵庫県西宮市で開かれている。
サブテーマに「デザインで辿る阪神タイガース」を掲げる同展を開催しているのは、阪神電気鉄道の香櫨園駅に近い西宮市大谷記念美術館。
今年が阪神タイガース創立90周年、西宮市の市制100周年、阪神電鉄が1905年(明治38年)に神戸(三宮)~大阪(出入橋)間の営業を始めて120周年に当たることから企画された。
同展は序章「日本における野球の誕生」はじめ全5章で構成。猛虎の球団マークなどを考案したデザイナー・早川源一氏によるグラフィック、ユニホームを紹介するファッション、試合結果をデザインとして表現したインフォグラフィックスなど、野球にまつわるさまざまなデザインを紹介している。
例えば、入場券。2023年11月5日の阪神タイガースの日本一、沢村栄治投手の日本初のノーヒットノーラン、長嶋茂雄さんの引退、大谷翔平選手の初出場・安打・打点の試合など、虎党でなくとも一見の価値あるものばかり。
甲子園球場を含む沿線開発の歴史も紹介されており、地域や時代の未来を描いてきた野球とデザインの深い関係が伝わってくる。
一球を巡る高揚、選手とファンの一体感、社会に与える活力――。スポーツが持つ力とともに、人々の心を動かすデザインの力がいかに大きいかが実感できる展覧会だ。
米国発祥の野球が日本に伝わったのは1872年(明治5年)。150年余りを経た今も野球の人気は根強い。
2024年の調査では、サッカーJリーグチームのファン人口952万人に対して、プロ野球チームのファン人口は2210万人。野球は日本人に長く、広く親しまれているスポーツといえる。
プロ野球の12球団の中でも絶大な人気に支えられているのが阪神タイガースだ。
24年調査の球団別ファン人口推計は12球団で最も多い415万人。369万人の読売ジャイアンツ、240万人の福岡ソフトバンクホークス、208万人の中日ドラゴンズが続く。同年度の球団別入場者数300万9693人、1試合平均4万1801人も断トツの第1位である。
その阪神タイガースは1935年(昭和10年)に、大阪野球倶楽部(大阪タイガース)として創立された。今年は90周年。長きにわたってファンを魅了し続ける歴史をデザインの観点からひもとく展覧会「野球とデザイン」が、阪神甲子園球場のある兵庫県西宮市で開かれている。
サブテーマに「デザインで辿る阪神タイガース」を掲げる同展を開催しているのは、阪神電気鉄道の香櫨園駅に近い西宮市大谷記念美術館。
今年が阪神タイガース創立90周年、西宮市の市制100周年、阪神電鉄が1905年(明治38年)に神戸(三宮)~大阪(出入橋)間の営業を始めて120周年に当たることから企画された。
同展は序章「日本における野球の誕生」はじめ全5章で構成。猛虎の球団マークなどを考案したデザイナー・早川源一氏によるグラフィック、ユニホームを紹介するファッション、試合結果をデザインとして表現したインフォグラフィックスなど、野球にまつわるさまざまなデザインを紹介している。
例えば、入場券。2023年11月5日の阪神タイガースの日本一、沢村栄治投手の日本初のノーヒットノーラン、長嶋茂雄さんの引退、大谷翔平選手の初出場・安打・打点の試合など、虎党でなくとも一見の価値あるものばかり。
甲子園球場を含む沿線開発の歴史も紹介されており、地域や時代の未来を描いてきた野球とデザインの深い関係が伝わってくる。
一球を巡る高揚、選手とファンの一体感、社会に与える活力――。スポーツが持つ力とともに、人々の心を動かすデザインの力がいかに大きいかが実感できる展覧会だ。
入場券「大阪タイガース結成三周年記念試合」1938年 個人蔵
入場券「大阪タイガース結成三周年記念試合」1938年 個人蔵
ユニホーム「大阪タイガース(白坂長栄)」1959年 野球殿堂博物館蔵
ユニホーム「大阪タイガース(白坂長栄)」1959年 野球殿堂博物館蔵
レプリカユニホーム「ウル虎の夏2023」2023年 個人蔵
レプリカユニホーム「ウル虎の夏2023」2023年 個人蔵
路線図アート「虎の路線図2025」大森正樹 2025年 作家蔵
路線図アート「虎の路線図2025」大森正樹 2025年 作家蔵
貴重な品を通して、さまざまなデザインが紹介されている
貴重な品を通して、さまざまなデザインが紹介されている
グラフィックデザイナー・早川源一氏による虎マークの原画なども
グラフィックデザイナー・早川源一氏による虎マークの原画なども
阪神タイガースは、2013年から「ウル虎の夏」と銘打った試合で特別なユニホームをデザインし、来場者全員にレプリカユニホームを配布。ファッションデザインも紹介されている
阪神タイガースは、2013年から「ウル虎の夏」と銘打った試合で特別なユニホームをデザインし、来場者全員にレプリカユニホームを配布。ファッションデザインも紹介されている
2024年まで監督を務めた岡田彰布さんらのユニホーム(手前)なども
2024年まで監督を務めた岡田彰布さんらのユニホーム(手前)なども
グラフィックデザイナー・早川源一氏が描いた長嶋茂雄選手の似顔絵なども
グラフィックデザイナー・早川源一氏が描いた長嶋茂雄選手の似顔絵なども
●展覧会の案内
●展覧会の案内
「野球とデザイン デザインで辿る阪神タイガース」展は7月27日(日)まで。午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)。水曜休館。
一般1200円、高校・大学生600円、小・中学生400円。
※西宮市在住の65歳以上は600円、一般は1000円(証明書の提示が必要)。
※障がいのある方、および介助者1人は無料(手帳等を提示)。
※タイガースの応援ユニホーム・Tシャツ・はっぴなど着用の来館者は当日一般入館料から100円引き。
西宮市大谷記念美術館 電話=0798(33)0164
「野球とデザイン デザインで辿る阪神タイガース」展は7月27日(日)まで。午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)。水曜休館。
一般1200円、高校・大学生600円、小・中学生400円。
※西宮市在住の65歳以上は600円、一般は1000円(証明書の提示が必要)。
※障がいのある方、および介助者1人は無料(手帳等を提示)。
※タイガースの応援ユニホーム・Tシャツ・はっぴなど着用の来館者は当日一般入館料から100円引き。
西宮市大谷記念美術館 電話=0798(33)0164