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きょう「民音音楽博物館」22周年(1面から続く) 2026年5月18日

「日本のオーケストラのあゆみ」民音音楽博物館で企画展が好評開催中
日本のオーケストラ100年の歩みを伝える貴重な資料が並ぶ企画展(民音音楽博物館で)

 特別展示品として注目を集めるのが、齋藤秀雄氏(1902~74年)の指揮棒と譜面台である。
 指揮者・チェロ奏者として戦後日本のクラシック音楽界をリードした氏は、「子供のための音楽教室」の開設に尽力し、桐朋学園大学の礎を築いた音楽教育家でもある。小澤征爾氏、堤剛氏、尾高忠明氏ら、世界の舞台で活躍する音楽家たちを育てた。
 また、67年に始まった「民音コンクール〈指揮〉」の初代審査委員長を務めた。現在は「東京国際指揮者コンクール」と名称を改め、“指揮コン”の愛称で親しまれる同コンクールは、世界的指揮者への登竜門として国際的な地位を確立している。
 齋藤氏が愛用したピアノも、民音音楽博物館に寄贈され、館内に展示されている。

 もう一つの見どころが、指揮者・作曲家である近衛秀麿氏(1898~1973年)の「手形帖」のレプリカだ。氏は1926年、「新交響楽団」を結成し、日本のオーケストラ文化を切り開いた人物。民音創立記念演奏会でもタクトを振り、民音とも深い縁で結ばれた芸術家である。
 氏は著名な指揮者や交流のあった音楽関係者の手形を生涯にわたり収集しており、手形帖にはW・フルトベングラーやE・クライバーら20世紀を代表する指揮者たちの手形が収められている。

 展示では、民音の歩みも紹介。1963年の創立から2000年にかけて開催した「民音定期演奏会」は274回を数える。小澤征爾氏が指揮したベートーベンの「第九」(69年)やマーラーの交響曲第8番「一千人の交響曲」(80年)など、日本の音楽史に刻まれる名演を次々と届け、クラシック音楽を広く民衆に開いた。
 1969年から95年にかけて開催した「民音現代作曲音楽祭」は、作曲家に新作を書き下ろしてもらうという、当時としては斬新な取り組みだった。新たな才能の発掘と育成の舞台となった全20回にわたる軌跡は、日本の現代音楽の発展を力強く後押しした歴史として、今なお高く評価されている。
 民音は、音楽を愛する全ての人に開かれた民衆のための音楽機関であり、新たな文化芸術の創造に挑み続ける。
 ◇ 

 【企画展「日本のオーケストラのあゆみ」の案内】6月28日(日)まで。月曜休館。平日・土曜は午前11時から午後4時まで、日曜は午前10時から午後5時まで。入場無料。※「古典ピアノ室」などは企画展終了後も見学可。

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