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マイ・ヒューマン・レボリューション――小説「新・人間革命」学習のために 第27巻 2021年4月8日

 小説『新・人間革命』の山本伸一の激励・指導などを、巻ごとに紹介する「My Human Revolution(マイ・ヒューマン・レボリューション)」。今回は第27巻を掲載する。次回は「聖教」編を4月17日付2面の予定。挿絵は内田健一郎。

精神の育成こそ教育の眼目

 <1978年(昭和53年)4月、東京・小平市にできた東京創価小学校の第1回入学式が、創価学園の講堂で晴れやかに挙行された>
 
 児童たちが、幾分、緊張した顔で壇上を見つめるなか、開式が宣言された。
 
 初めに校長の新木高志が、一年生百二十五人、二年生八十二人、三年生八十四人の入学許可を告げたあと、「明るい子」「思いやりのある子」「ねばり強い子」という低学年のモットーを紹介した。
 
 このモットーは、創立者の山本伸一が、設立の準備にあたってきた教職員に請われ、決めたものであった。彼は、人間教育を行ううえで重視すべきは、精神の育成であると考え、心、生き方という内面に焦点を当てたモットーにしたのである。
 
 「明るい子」、すなわち明朗快活な子どもとは、自分を卑下したりすることなく、広く大きな、素直な心で、何事にも前向きに取り組んでいける子どもである。
 
 「思いやりのある子」とは、他者を大切にする心をもつ子どもである。いかに学業成績が優秀であっても、自分のことしか考えぬ人間になってしまえば、本人も、周囲の人も不幸である。思いやりの心を育んでいくことは、人格をつくるうえで、最も大切な要件となる。
 
 「ねばり強い子」をめざすのは、忍耐なくしては、物事の成就も、人間としての大成もないからだ。子どもが人生を勝利していくために、身につけておかねばならない必須の力といってよい。
 
 伸一は、未来に伸びゆく子どもたちの、健全な精神の土台をつくることこそが、児童教育の最大の眼目であると確信していたのだ。
 
 (「若芽」の章、10~11ページ)

体験の積み重ねが確信に!

 <4月、山本伸一は静岡・伊東平和会館(当時)での記念勤行会に出席。席上、信心の確信を得るために、体験をつかむことが大切であると語る>
 
 「理論的に、仏法を理解していくことも大切ですし、それが精進の力になることも事実です。しかし、それだけでは弱い。頭でわかっていることと、生命の実感とは異なります。
 
 剣道や柔道にしても、単に試合のルールを覚え、練習の仕方がわかれば、それで強くなれるというものではない。
 
 実際に、練習を重ね、試合も数多く経験していくなかで、“こうやれば勝てる!”“こういう場合には、こうすればよい”ということを体で覚え、生命で感じていくことができる。それで、技が磨かれていくんです。
 
 信心も同じです。体験は確信を得る直道なんです。人生には、小さなことから、大きなことまで、さまざまな試練や悩みがあるものです。仕事や人間関係、子育てなどに行き詰まることもあれば、不慮の事故に遭遇したり、病で苦しんだりすることもある。
 
 あるいは、“なかなか弘教が実らずに悩んでいる”という方もいるでしょう。
 
 そうした一つ一つの悩みや試練を、自身のテーマとして見すえ、懸命に唱題し、学会活動に励んでいくんです。
 
 そうすれば、悩みは必ず克服できます。一つ、また一つと解決していくこともあれば、大聖人が『地獄の苦みぱっときへて』(御書1000ページ)と仰せのように、一挙に悩みが解決することもあるでしょう。
 
 また、自分を悩ませていた問題は続いていたとしても、それに翻弄されて苦しんだり、そのことに負けたりしない自分を、確立していくことができるんです。境涯革命することができるからなんです。そうした体験の積み重ねが、仏法への確信を深め、強めていくんです」
 
 (「正義」の章、173~174ページ)

個人指導は人々の絆を再生

 <5月、伸一は九州文化会館(当時)で行われた九州最高会議に臨む。彼は個人指導の基本姿勢について指導。そして、自身の実感を語っていった>
 
 「私が多くの幹部を見てきて感じることは、個人指導を徹底してやり抜いてきた方は、退転していないということなんです。
 
 個人指導は、地味で目立たない永続的な忍耐の労作業であり、それを実践していくなかで、本当の信心の深化が図れるからです。
 
 さらに、個人指導を重ねていくなかで、自分自身を見つめ、指導することができるようになるんです。だから退転しないんです。
 
 (中略)折伏とともに、個人指導に全力を傾けていくことが、自分の信心を鍛え、境涯を高めていく必須条件なんです。
 
 折伏、個人指導は、対話をもって行う精神の開拓作業です。開拓には、困難に挑む勇気と忍耐が必要です。しかし、その労作業が人びとの生命を耕し、幸福という実りをもたらす。どうか皆さんは、誠実に対話を重ね、友の生命開拓の鍬を振るい続けていってください。
 
 個人指導は、組織に温かい人間の血を通わせ、組織を強化していく道でもあるんです」(中略)
 
 「創価学会の世界では、個人指導は、当然のことのように、日常的に行われています。
 
 それは、苦悩を克服するための励ましのネットワークであり、現代社会にあって分断されてきた、人間と人間の絆の再生作業でもあるんです。この私どもの行動のなかに、学会のみならず、社会の重要な無形の財産があると確信しております。
 
 やがて、その事実に、社会が、世界が、刮目する時が、きっと、来るでしょう」
 
 (「激闘」の章、299~300ページ)

人間を守り育む学会の組織

 <5月、伸一は東北平和会館(当時)での宮城県幹部会へ。会館のロビーで、女子部の「白蓮グループ」や、男子部の参加者を激励する>
 
 “一人でも多くの人と、言葉を交わして励まそう”――それが、彼の決意であった。
 
 伸一は、いかにして組織に、温かい人間の血を通わせるかに、心を砕いていた。
 
 物事を効率よく進めるために、組織では、いきおい、合理性の追求が最優先される。すると、すべては画一化され、次第に、その運営も、形式化、官僚化していく。
 
 人間は百人百様の個性をもち、顔かたちも違えば、性格も全く異なる。その人間を画一的な枠に押し込めようとすれば、人びとの多様な個性は生かされず、組織から人間性の温もりは失われ、無味乾燥な冷たいものになってしまう。しかし、組織が多くの人びとを擁している限り、どうしても、合理的に運営していかざるを得ない面もある。
 
 そこで大事になるのが、一人ひとりに光を当て、各人を大切にしていく実践である。つまり、個別的な一対一の信頼関係を、組織のなかにつくり上げていくのだ。
 
 創価学会の組織は、広宣流布のためにある。つまり、一人ひとりが信心の向上を図るとともに、人びとに仏法を教え、自他共の幸福を築き上げていくためのものである。
 
 いわば、人間を、個々人を、守り、育むのが学会の組織であり、その責任を分かちもち、担うために役職がある。したがって、役職は人間の上下の関係ではない。万人が皆、平等であるというのが、仏法の教えである。
 
 常に、その原点に立ち返り、励ましと信頼によって、人と人とが結ばれていくならば、組織の形式化や官僚化という弊害を打破していくことができよう。
 
 (「求道」の章、355~356ページ)

座談会の在り方

 <1978年(昭和53年)5月、山本伸一は山口県・大歳支部の座談会に出席する。「激闘」の章には、座談会の在り方について、言及されている>
 
 「学会には、さまざまな社会的立場の方がおります。職業も、年齢も異なっています。その方々が、平等に、全員が主体者となって語り合いがなされていくのが座談会です。
 
 今日は、大勢の方が参加されておりますので、全員が話すことはできませんが、本来は、皆が信仰の喜びや決意を述べ、わからないことがあれば、忌憚なく質問できるのが座談会なんです。そして、全参加者が、歓喜に燃えて、信心の向上と地域の発展のために尽くすことを決意し合い、晴れ晴れとした思いで帰っていける、楽しく、有意義な集いにしていただきたいのであります」
 
 座談会は、学会の生命線である。座談会が活気と歓喜にあふれ、大いなる生命の共感と触発がある限り、人びとの心に希望と勇気の火をともし、幸の調べを広げ続けていくにちがいない。そして、広宣流布の歩みは、ますます勢いを増していこう。伸一は、座談会を構成する柱について言及していった。
 
 「座談会で重要なものは、なんといっても功徳の体験です。そして、信心の確信に満ち満ちた指導です。それは、皆の信心の、また生活の、活力源となっていきます。
 
 したがって、幹部の方々は、座談会で、すばらしい功徳の体験が披露できるように、体験発表をする方とは、事前によく打ち合わせをし、準備にあたってください。さらに、日ごろから、皆が功徳を受けられるように、丹念に、激励、指導の手を差し伸べていくことです。
 
 活動の真実の成果というのは、単に弘教などの数ではなく、何人の方が、功徳の体験をもち、どれだけ信心への確信を深めていったかなんです。
 
 (中略)
 
 座談会で発言をしても、話を上手にまとめられない方もいるでしょう。ひとこと話すのに緊張し、生命力を振り絞って、話をしてくださる方もいます。そうした方々を、共に同志として心から讃え、励ましていただきたい。それが、創価家族の連帯の世界です」
 
 (306~309ページ)

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 聖教電子版の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」第27巻「解説編」の池田博正主任副会長の紙上講座と動画を閲覧できます。

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