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小説「新・人間革命」に学ぶ 第16巻 解説編 池田主任副会長の紙上講座 2020年2月26日

  • 連載〈世界広布の大道〉
イラスト・間瀬健治
イラスト・間瀬健治

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第16巻の「解説編」。池田博正主任副会長の紙上講座とともに、同巻につづられた珠玉の名言を紹介する。
 

紙上講座 池田主任副会長
04:12
ポイント
①大衆のために尽くす
②「師匠」という規範
③広宣流布大誓堂の意義

 今月の11日、恩師・戸田城聖先生の生誕120周年を迎えました。

 「恩師の生誕百二十周年」と題する池田先生の随筆(本紙7日付)に、「恩師と同世代の巨人たちが最晩年、揃って未来への希望を託してくださったのが、わが創価学会であり、SGIなのである」とあります。

 池田先生は、恩師と同世代の知性と、幾つもの対談集を編んでいます。ブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁との『21世紀の人権を語る』、フランスの美術史家ユイグ氏との『闇は暁を求めて』、ノーベル化学賞と平和賞を受賞したポーリング博士との『「生命の世紀」への探求』などです。

 池田先生の壮大な対話旅の先駆けとなったのが、「20世紀最大の歴史家」といわれるトインビー博士との対談でした。対談集『21世紀への対話』が発刊されて、来月で45周年の佳節です。

 「対話」の章では、博士と山本伸一との対談の模様が描かれています。博士は戸田先生よりも10歳ほど年上であり、伸一とは親子ほどの年の開きがありました。伸一は、「あえて博士が、二十一世紀への精神的な遺産を残すために、若い自分を対談相手として選んだ」(140ページ)と感じ、博士からの対談の要請に応えました。

 伸一には、20世紀の残された約30年のうちに、確かな平和への道標を示すためには、「さまざまな英知を結集する必要」(139ページ)があり、「優れた知性との語らい、触発が不可欠」(同ページ)との思いがあったのです。

 対談のテーマは多岐にわたり、宗教の役割についても論じられました。博士は、「人類の生存に対する現代の脅威は、人間一人ひとりの心のなかの革命的な変革によってのみ、取り除くことができる」(196ページ)と、学会の人間革命運動に大きな期待を託します。

 また、博士は著書『一歴史家の宗教観』で、キリスト教が広く流布されるに至った要因として、「誰よりも大衆のために尽くした」(198ページ)ことを挙げ、「草創の時代に、こうした堅固な基盤をつくり上げたがゆえに、やがてキリスト教は、一気に広まった」(同ページ)と述べています。

 今日の学会の世界的な広がりも、草創期に、“貧乏人と病人の集まり”と揶揄されてきた中で、無数の蘇生のドラマをつづってきたことを、何よりの誉れとしてきた歴史が基盤となっています。

 「民衆に尽くす」ことは、学会を貫く不動の信念です。いかに時代が変わろうとも、その原点を決して忘れてはなりません。
 

トインビー博士の腕をとりながら歩く池田先生。語らいは、対談集『21世紀への対話』(邦題)に結実し、世界29言語で発刊されている(1972年5月、ロンドンで)
トインビー博士の腕をとりながら歩く池田先生。語らいは、対談集『21世紀への対話』(邦題)に結実し、世界29言語で発刊されている(1972年5月、ロンドンで)
常に同志を思う

 1972年(昭和47年)という年は、「広宣流布の未来への壮大な流れを決することになる、極めて重要な一年」(8ページ)でした。ゆえに、伸一は励ましに全力を注ぎます。「入魂」の章には、数々の激励の場面が綴られています。

 1月2日の大学会総会では、参加者の多くが21世紀を50代で迎えることに思いを巡らせ、「二十一世紀を頼むよ。その時こそ、勝負だよ」(32ページ)と広布の未来を託します。

 また、新宿の同志との記念撮影会では、13回にわたって撮影が行われ、その合間に、婦人・壮年・青年部に励ましを送ります。新成人のメンバーには、「何があっても学会から、信心から、決して離れないことです。そこにしか、本当の幸福の道はないからです」(48ページ)と訴えます。

 彼は常に、「どうすれば、皆が、元気になるのか。信頼の柱となる力あるリーダーに成長できるのか。何があっても退転することなく、幸福への道を歩み抜けるのか」(108ページ)と考えていました。

 その根本の精神こそ、「伸一の胸には、常に戸田の声が響いていた」(13ページ)という「師弟不二」です。「心に『師匠』という規範をもつ人は、自身の弱さに打ち勝つことができる」(同ページ)のです。

 1月の沖縄訪問の折、伸一は「広宣流布の師弟の道を行く人には、行き詰まりがありません。師匠と心が一つにとけ合った時、無限の力が湧くというのが、私の人生の結論なんです」(57ページ)と語っています。

 彼が全精魂を注いで、一人一人の魂に刻もうとしたのは、「師弟」の精神にほかなりません。私たちは、師匠と心を合わせ、「日々、己心の先生と対話しながら」(56ページ)前進していきたいと思います。
 

無量無辺の功徳

 「羽ばたき」の章には、72年10月に建立した正本堂の歴史が記されています。その完成をもって、学会は「広布第2章」の開幕を迎えました。

 正本堂建立発願式の折、伸一は「発誓願文」を、「日々、月々、年々に、更に折伏行に断固邁進せんことを堅く誓うのみ」(296ページ)との広布への誓願で結んでいます。

 また、完工式では、正本堂について、「民衆のための施設であり、宗教的権威を象徴する建物ではない」(311ページ)と訴え、「人類の生命の尊厳を祈る民衆の宗教殿堂である」(312ページ)と語っています。つまり、正本堂は「民衆のために」存在し、建立の根本目的は、どこまでも「広宣流布」にあります。

 正本堂はたった26年で、日顕によって解体されました。それは、800万信徒の赤誠を踏みにじる暴挙以外の何物でもありません。

 正本堂という建物はなくなりました。しかし、その建立のために真心を尽くした、学会員の「功徳、福運は無量無辺であり、永遠に消えることはない」(356ページ)のです。世界宗教として飛翔する今日の学会発展の姿こそが、その証明にほかなりません。

 2013年11月、広宣流布大誓堂が完成しました。池田先生がしたためた大誓堂の碑文には、「我ら民衆が世界の立正安国を深く祈念し、いかなる三障四魔も恐るることなく、自他共の人間革命の勝利へ出発せる師弟誓願の大殿堂なり」とあります。

 大誓堂の建立の目的は、世界の平和と自他共の幸福と安穏を祈り、広宣流布を誓うことです。ここに、誓願勤行会の意義もあります。

 大誓堂の落慶記念勤行会のメッセージで、池田先生は「『広宣流布の大願』と『仏界の生命』とは一体です。だからこそ――この誓いに生き抜く時、人は最も尊く、最も強く、最も大きくなれる」と述べられました。

 いかなる時代になろうとも、師と共に、学会と共に、同志と共に――この誓いに生きることほど、歓喜と誉れに満ちた人生はないのです。
 

イギリスの国会議事堂であるウェストミンスター宮殿。右手にある「ビッグ・ベン(時計塔)」は、19世紀中頃から時を刻む(1989年5月、池田先生撮影)
イギリスの国会議事堂であるウェストミンスター宮殿。右手にある「ビッグ・ベン(時計塔)」は、19世紀中頃から時を刻む(1989年5月、池田先生撮影)
名言集
●功徳を受ける人

 一人の友が立ち上がる時、最も歓喜し、大きな功徳を受けるのは、その人を思い、その人のために祈り、何度も足を運んでは、励まし続けた人である。(「入魂」の章、21ページ)

●必ず意味がある

 いっさいをよい方向に考え、さらに前へ、前へと、進んでいくことが大事です。時には、祈っても、思い通りにならない場合もあるかもしれない。でも、それは、必ず何か意味があるんです。最終的には、それでよかったのだと、心の底から、納得できるものなんです。(「入魂」の章、38ページ)

●創価学会の宝

 創価学会が世界に誇る最高の宝は何か。婦人部です。これほど、清らかで強く、民衆の幸福のために働く、正義の集いはありません。(「入魂」の章、69ページ)

●人の振る舞い

 教義は、人格、行動をもって表現される。日蓮仏法の、国境を超えた、世界宗教としての今日の広がりは、「人の振る舞い」によるところが大きいといえよう。(「対話」の章、155ページ)

●小事の集積

 大事業とは、どんな小さな事柄も疎かにせずに、一つ一つ検証し、確認することによって初めてなされる、完璧な小事の集積である。(「羽ばたき」の章、301ページ)

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