〈ニューイヤートーク〉 脳科学者・茂木健一郎さん×創価学会・西方光雄青年部長
〈ニューイヤートーク〉 脳科学者・茂木健一郎さん×創価学会・西方光雄青年部長
2026年1月1日
- 人間とAIが共に開く新時代・前編
- 人間とAIが共に開く新時代・前編
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30:48
※エラーになってしまう時はYoutubeでご覧ください
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「AI(人工知能)エージェント元年」と呼ばれた2025年。多くの企業・機関で生成AI活用が普及しました。目まぐるしい速さで発展する科学技術に、私たちはどう向き合っていけばいいのでしょうか。脳科学者の茂木健一郎さんと、創価学会の西方光雄青年部長が語り合いました。
「AI(人工知能)エージェント元年」と呼ばれた2025年。多くの企業・機関で生成AI活用が普及しました。目まぐるしい速さで発展する科学技術に、私たちはどう向き合っていけばいいのでしょうか。脳科学者の茂木健一郎さんと、創価学会の西方光雄青年部長が語り合いました。
AIを使わない手はない
AIを使わない手はない
〈西方〉茂木さんは、池田先生と往復書簡での対談を約2年間行い、その内容は「中央公論」2010年4月号に掲載されました。対談が開始された当時、私は大学を卒業し創価学会本部に勤務して2年目でした。書簡の随所に、脳科学の知見と宗教の共鳴を見て、感銘を受けました。
〈茂木〉私と池田名誉会長は、二回り以上も年が離れています。毎回の書簡で、名誉会長は胸襟を開き、若輩の私に真摯な回答と温かなメッセージを寄せ、問いを投げかけてくださいました。今また創価学会の青年リーダーと語り合えることをうれしく思います。
〈西方〉恐縮です。往復書簡開始から15年余り。科学技術は進歩し続けていますが、今回は、脳科学と宗教を語る入り口として、急速に普及する「生成AI」をテーマに取り上げます。
〈茂木〉生成AI(以下AI)の登場は、インターネットやパソコンの登場・普及と同等か、それ以上のインパクトを社会に与えています。企業の現場では、データ入力や計算といった事務作業、音声認識技術による会議の議事録作成など、AIの活躍は多岐にわたっています。
〈西方〉茂木さんは、池田先生と往復書簡での対談を約2年間行い、その内容は「中央公論」2010年4月号に掲載されました。対談が開始された当時、私は大学を卒業し創価学会本部に勤務して2年目でした。書簡の随所に、脳科学の知見と宗教の共鳴を見て、感銘を受けました。
〈茂木〉私と池田名誉会長は、二回り以上も年が離れています。毎回の書簡で、名誉会長は胸襟を開き、若輩の私に真摯な回答と温かなメッセージを寄せ、問いを投げかけてくださいました。今また創価学会の青年リーダーと語り合えることをうれしく思います。
〈西方〉恐縮です。往復書簡開始から15年余り。科学技術は進歩し続けていますが、今回は、脳科学と宗教を語る入り口として、急速に普及する「生成AI」をテーマに取り上げます。
〈茂木〉生成AI(以下AI)の登場は、インターネットやパソコンの登場・普及と同等か、それ以上のインパクトを社会に与えています。企業の現場では、データ入力や計算といった事務作業、音声認識技術による会議の議事録作成など、AIの活躍は多岐にわたっています。
茂木健一郎氏と池田先生との往復書簡での対談が掲載された「中央公論」2010年4月号(発刊:中央公論新社)
茂木健一郎氏と池田先生との往復書簡での対談が掲載された「中央公論」2010年4月号(発刊:中央公論新社)
私たち研究者も、近年、AIを使う場面が格段に増えました。いわゆる“壁打ち”と呼ばれるアイデア出しや論文の要約など、かつては100時間かけていた作業に、AIは1分で答えを出してくれます。
〈西方〉その処理能力は、人間が太刀打ちできるレベルではないですね。また、“答えを出してくれる”という意味では、身近な悩みをAIに相談する若者も増えているようです。実は私もたまに使います。ある日、家に帰ると妻が怒っていたのですが、理由が分からない。そこでAIに質問したら、いくつかの予測とアドバイスが返ってきて、ことなきを得た経験があります(笑)。
〈茂木〉西方さんも、いろいろな意味で、AIに頭が上がらないわけですね(笑)。
私たち研究者も、近年、AIを使う場面が格段に増えました。いわゆる“壁打ち”と呼ばれるアイデア出しや論文の要約など、かつては100時間かけていた作業に、AIは1分で答えを出してくれます。
〈西方〉その処理能力は、人間が太刀打ちできるレベルではないですね。また、“答えを出してくれる”という意味では、身近な悩みをAIに相談する若者も増えているようです。実は私もたまに使います。ある日、家に帰ると妻が怒っていたのですが、理由が分からない。そこでAIに質問したら、いくつかの予測とアドバイスが返ってきて、ことなきを得た経験があります(笑)。
〈茂木〉西方さんも、いろいろな意味で、AIに頭が上がらないわけですね(笑)。
学会の指導検索サービス
学会の指導検索サービス
〈西方〉創価学会は、「広宣流布」を推進しています。広宣流布とは、私たち一人一人が、仏法の「生命尊厳」「万人尊敬」の哲理を根本に、信仰を実践することです。それによって、各分野で貢献し、安寧な社会を実現することでもあります。
そのために、私たちが胸に刻んでいるのが、池田先生が語り、書き残してくださった指針です。それらは、小説『人間革命』『新・人間革命』をはじめ、膨大な量に及びます。
〈茂木〉創価学会の皆さんにとって、かけがえのない財産ですね。
〈西方〉はい。その財産を享受し、生かしていくために、AIを活用した「池田先生の著作・指導検索サービス」(以下、指導検索AI)を開発することになりました。
これは、「自然言語処理」による検索サービスになる予定です。例えば、「仕事で悩んでいて、困っています」と入力すれば、AIがその悩みに適切だと思われる指導の候補をいくつか提示してくれます。いわば“身近で使いやすい”検索サービスを想定しています。
〈西方〉創価学会は、「広宣流布」を推進しています。広宣流布とは、私たち一人一人が、仏法の「生命尊厳」「万人尊敬」の哲理を根本に、信仰を実践することです。それによって、各分野で貢献し、安寧な社会を実現することでもあります。
そのために、私たちが胸に刻んでいるのが、池田先生が語り、書き残してくださった指針です。それらは、小説『人間革命』『新・人間革命』をはじめ、膨大な量に及びます。
〈茂木〉創価学会の皆さんにとって、かけがえのない財産ですね。
〈西方〉はい。その財産を享受し、生かしていくために、AIを活用した「池田先生の著作・指導検索サービス」(以下、指導検索AI)を開発することになりました。
これは、「自然言語処理」による検索サービスになる予定です。例えば、「仕事で悩んでいて、困っています」と入力すれば、AIがその悩みに適切だと思われる指導の候補をいくつか提示してくれます。いわば“身近で使いやすい”検索サービスを想定しています。
〈茂木〉面白い取り組みですね。AI時代ですから、今が旬といえばそうですが、開発に至る問題意識のようなものがあったのですか。
〈西方〉池田先生の膨大な指針を全て学ぶには、相応の時間が必要です。また、著作として残っているものが多いのですが、本を手に取る機会が少ないとされる青年世代にとって、心理的なハードルが高くなっています。また、2010年代以降生まれの世代は、AIとの親和性が高いという調査もある。次世代のメンバーが、池田先生の指導に簡単にアクセスできることは、「信仰の継承」という面で大きな意味があります。
また、SGI(創価学会インタナショナル)は現在、192カ国・地域に根差し、発展の最中にあります。しかし、池田先生の指導の公式な翻訳が少ない言語もあり、学びの機会が等しく提供されていない状況もある。指導検索AIはそうした「言葉の壁」に対しても解決できるツールになると考えています。
〈茂木〉確かに、若い人が通勤時などのちょっとした時間で検索する姿がイメージできますし、指導検索AIが教義を学ぶきっかけになったらうれしいですよね。学問であれ、宗教であれ、その活動実践は、今の私たちのライフスタイルや価値観に寄り添うことが大切だというのは、共通しているのかもしれません。
〈茂木〉面白い取り組みですね。AI時代ですから、今が旬といえばそうですが、開発に至る問題意識のようなものがあったのですか。
〈西方〉池田先生の膨大な指針を全て学ぶには、相応の時間が必要です。また、著作として残っているものが多いのですが、本を手に取る機会が少ないとされる青年世代にとって、心理的なハードルが高くなっています。また、2010年代以降生まれの世代は、AIとの親和性が高いという調査もある。次世代のメンバーが、池田先生の指導に簡単にアクセスできることは、「信仰の継承」という面で大きな意味があります。
また、SGI(創価学会インタナショナル)は現在、192カ国・地域に根差し、発展の最中にあります。しかし、池田先生の指導の公式な翻訳が少ない言語もあり、学びの機会が等しく提供されていない状況もある。指導検索AIはそうした「言葉の壁」に対しても解決できるツールになると考えています。
〈茂木〉確かに、若い人が通勤時などのちょっとした時間で検索する姿がイメージできますし、指導検索AIが教義を学ぶきっかけになったらうれしいですよね。学問であれ、宗教であれ、その活動実践は、今の私たちのライフスタイルや価値観に寄り添うことが大切だというのは、共通しているのかもしれません。
〈西方〉作家の佐藤優氏は、「世界宗教の条件」として、「正典化」と「ランダムアクセス」を挙げています。「正典」というのは、その宗教が信仰と行動の規範とする基本文書のことで、創価学会でいえば、日蓮大聖人の遺文をはじめとした「御書」、また、小説『人間革命』『新・人間革命』などです。そして、正典は“閉じている”――つまり完結していることが重要だと同氏は指摘しています。
また、「ランダムアクセス」とは、目的のデータがある場所が分かっていて、直接アクセスできるようなデータ方式のことです。つまり、信仰者が何かの問題に直面した時、正典の中から、適切な指針に触れることが重要になってくるということです。
〈茂木〉先ほどの「身近」「平等」というお話ですね。「適切な」とはどういうことでしょうか。
〈西方〉池田先生の指針は多角的です。一見すると“全く逆”のことを言われている場合もあります。しかし、二項対立ではなく、二項のどちらも包含している点が、仏法の説く「中道」の概念を現代に表現していることの証しでもあると思います。そこで、指導検索AIは、問いに対し、複数の指針を提示します。問いかけた人は、先生のどの観点の指針が、今の自分、また地域の学会の仲間たちの希望となるかを考えていく。そうした自ら選び取る在り方が「適切な」の意味するところです。
〈西方〉作家の佐藤優氏は、「世界宗教の条件」として、「正典化」と「ランダムアクセス」を挙げています。「正典」というのは、その宗教が信仰と行動の規範とする基本文書のことで、創価学会でいえば、日蓮大聖人の遺文をはじめとした「御書」、また、小説『人間革命』『新・人間革命』などです。そして、正典は“閉じている”――つまり完結していることが重要だと同氏は指摘しています。
また、「ランダムアクセス」とは、目的のデータがある場所が分かっていて、直接アクセスできるようなデータ方式のことです。つまり、信仰者が何かの問題に直面した時、正典の中から、適切な指針に触れることが重要になってくるということです。
〈茂木〉先ほどの「身近」「平等」というお話ですね。「適切な」とはどういうことでしょうか。
〈西方〉池田先生の指針は多角的です。一見すると“全く逆”のことを言われている場合もあります。しかし、二項対立ではなく、二項のどちらも包含している点が、仏法の説く「中道」の概念を現代に表現していることの証しでもあると思います。そこで、指導検索AIは、問いに対し、複数の指針を提示します。問いかけた人は、先生のどの観点の指針が、今の自分、また地域の学会の仲間たちの希望となるかを考えていく。そうした自ら選び取る在り方が「適切な」の意味するところです。
世界が注目する「IKIGAI」
世界が注目する「IKIGAI」
〈茂木〉素晴らしい仕組みですね。私の問題意識もそこにあります。現在、私は、AIの使用を人間の価値観・倫理に調和させる「AIアライメント」と呼ばれる分野を研究しています。
〈西方〉加速度的な技術発展の中で、「AIは怖いもの」と不安を抱く人もいます。「AIに仕事を奪われる」というフレーズは、メディアでもしばしば目にします。人はAIと、どのような関係を築くと良いのでしょうか。
〈茂木〉AIは人間にとっての「共同作業者」と捉えることが大切です。「AIに何を任せ、人が何を保持するか」を見極めることが、AIとの健全な関係を築く上で求められるでしょう。
改めて確認すると、AIとは、大量のデータを分析し、そこに潜むパターンや規則を学び取ることで、新しい情報に対しても判断や予測を行えるようにする技術のことです。
AIに質問すると、膨大なデータをもとに、適切だと考えられる答えを選び出して返してきます。そのため、人間と会話しているように感じられますが、AIが内容を「理解」しているわけではなく、学習したパターンに基づく予測にすぎません。
〈西方〉茂木さんは著書『AIで覚醒する脳』(実務教育出版)で、AIには不可能で人間が得意とする能力として、「選択力」「コミュニケーション力」「創造性」を挙げていますね。
〈茂木〉素晴らしい仕組みですね。私の問題意識もそこにあります。現在、私は、AIの使用を人間の価値観・倫理に調和させる「AIアライメント」と呼ばれる分野を研究しています。
〈西方〉加速度的な技術発展の中で、「AIは怖いもの」と不安を抱く人もいます。「AIに仕事を奪われる」というフレーズは、メディアでもしばしば目にします。人はAIと、どのような関係を築くと良いのでしょうか。
〈茂木〉AIは人間にとっての「共同作業者」と捉えることが大切です。「AIに何を任せ、人が何を保持するか」を見極めることが、AIとの健全な関係を築く上で求められるでしょう。
改めて確認すると、AIとは、大量のデータを分析し、そこに潜むパターンや規則を学び取ることで、新しい情報に対しても判断や予測を行えるようにする技術のことです。
AIに質問すると、膨大なデータをもとに、適切だと考えられる答えを選び出して返してきます。そのため、人間と会話しているように感じられますが、AIが内容を「理解」しているわけではなく、学習したパターンに基づく予測にすぎません。
〈西方〉茂木さんは著書『AIで覚醒する脳』(実務教育出版)で、AIには不可能で人間が得意とする能力として、「選択力」「コミュニケーション力」「創造性」を挙げていますね。
〈茂木〉コミュニケーションや創造性は、感性や文脈と関わるものです。さまざまな研究が進行中ですが、私は、AIが代替することは難しいと思います。
コミュニケーションを例にとりますが、対面での人との交流では、脳の「身体性の回路」が強く働きます。これは、脳の頭頂葉という部位が活性化して、前頭葉の運動野や補足運動野、運動前野といった部位が活性化するメカニズムです。同時に人との交流は脳の五感の回路も働かせます。つまり、脳の覚醒につながるのです。
〈西方〉AIの活用で生まれた時間を、他者との交流に使うことで、人間の可能性も開花していくわけですね。
〈茂木〉そうです。英ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によると、私たちは一日に約3万5000の「選択」をしているそうです。どの道を選ぶか、何を食べるか、誰と話すかなど、選択は「何が自分にとって幸せか」といった「価値観」に左右されます。そうした価値観を持つことはAIにはできません。
〈西方〉AI時代においては、人がどのような価値観を持つかが、これまで以上に問われているのかもしれません。
〈茂木〉「プロキシゴール」(仮の中間目標)という考え方があります。例えば、「学校の成績を上げる」など、具体的で分かりやすい目標のことです。
これらの目標をクリアすれば充実感を得られますが、その人の幸福に直結するかは別問題です。例えば、会社で昇進するために無茶をして健康を損なってしまっては元も子もありません。だからこそ、「何が自分にとって幸せか」という価値観が大切になります。
〈茂木〉コミュニケーションや創造性は、感性や文脈と関わるものです。さまざまな研究が進行中ですが、私は、AIが代替することは難しいと思います。
コミュニケーションを例にとりますが、対面での人との交流では、脳の「身体性の回路」が強く働きます。これは、脳の頭頂葉という部位が活性化して、前頭葉の運動野や補足運動野、運動前野といった部位が活性化するメカニズムです。同時に人との交流は脳の五感の回路も働かせます。つまり、脳の覚醒につながるのです。
〈西方〉AIの活用で生まれた時間を、他者との交流に使うことで、人間の可能性も開花していくわけですね。
〈茂木〉そうです。英ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によると、私たちは一日に約3万5000の「選択」をしているそうです。どの道を選ぶか、何を食べるか、誰と話すかなど、選択は「何が自分にとって幸せか」といった「価値観」に左右されます。そうした価値観を持つことはAIにはできません。
〈西方〉AI時代においては、人がどのような価値観を持つかが、これまで以上に問われているのかもしれません。
〈茂木〉「プロキシゴール」(仮の中間目標)という考え方があります。例えば、「学校の成績を上げる」など、具体的で分かりやすい目標のことです。
これらの目標をクリアすれば充実感を得られますが、その人の幸福に直結するかは別問題です。例えば、会社で昇進するために無茶をして健康を損なってしまっては元も子もありません。だからこそ、「何が自分にとって幸せか」という価値観が大切になります。
〈西方〉そこに寄与するのが、宗教だと思います。創価学会では、各人が、祈りを通して自身を見つめ直し、自分の命を、何に、どのように費やしていくのかという「使命」を見いだすことを大切にしています。
〈茂木〉その観点は、日本のみならず世界が求めているものかもしれません。というのも、自分のことで恐縮ですが、私の書いた『IKIGAI』という本が欧米でベストセラーになるなど、注目されています。
「生きがい」は、英語では「reason for living」(生きる理由)などと訳されますが、「生きている実感」というニュアンスも込められています。目標・目的だけでなく、生の実感を重視する考えは、仏教の影響を受けていると感じます。
〈西方〉私たち創価学会は、「自他共の幸福」を目指しています。日蓮大聖人は「鏡に向かって礼拝をなす時、浮かべる影また我を礼拝するなり」(新1071・全769)と述べました。相手の尊厳を敬うことは、その行いが鏡に映るように、自分自身の尊厳を敬うことにつながっている。その実践と幸福の実現の中に、「生きがい」を感じることを、私も経験しています。
〈茂木〉私たち人間の特徴は何といっても「意識」をもつ存在(ホモ・コンシャス)であるということです。人工知能の研究を進めていけば、その先に「意識」が創発するのかということが、研究者の間でも議論になります。また「意識」は、おそらくは「生命」に付随する現象であると思います。この点を、宗教はどのように捉えているのでしょうか。
〈西方〉ありがとうございます。ぜひ、次回(後編=1月中旬掲載予定)は、「生命」「意識」「知能」の関係から、語り合いたいと思います。
〈西方〉そこに寄与するのが、宗教だと思います。創価学会では、各人が、祈りを通して自身を見つめ直し、自分の命を、何に、どのように費やしていくのかという「使命」を見いだすことを大切にしています。
〈茂木〉その観点は、日本のみならず世界が求めているものかもしれません。というのも、自分のことで恐縮ですが、私の書いた『IKIGAI』という本が欧米でベストセラーになるなど、注目されています。
「生きがい」は、英語では「reason for living」(生きる理由)などと訳されますが、「生きている実感」というニュアンスも込められています。目標・目的だけでなく、生の実感を重視する考えは、仏教の影響を受けていると感じます。
〈西方〉私たち創価学会は、「自他共の幸福」を目指しています。日蓮大聖人は「鏡に向かって礼拝をなす時、浮かべる影また我を礼拝するなり」(新1071・全769)と述べました。相手の尊厳を敬うことは、その行いが鏡に映るように、自分自身の尊厳を敬うことにつながっている。その実践と幸福の実現の中に、「生きがい」を感じることを、私も経験しています。
〈茂木〉私たち人間の特徴は何といっても「意識」をもつ存在(ホモ・コンシャス)であるということです。人工知能の研究を進めていけば、その先に「意識」が創発するのかということが、研究者の間でも議論になります。また「意識」は、おそらくは「生命」に付随する現象であると思います。この点を、宗教はどのように捉えているのでしょうか。
〈西方〉ありがとうございます。ぜひ、次回(後編=1月中旬掲載予定)は、「生命」「意識」「知能」の関係から、語り合いたいと思います。
●プロフィル
●プロフィル
もぎ・けんいちろう 1962年、東京都生まれ。脳科学者・理学博士。東京大学理学部、法学部卒業後、同大大学院物理学専攻課程を修了。『AIで覚醒する脳』(実務教育出版)、『脳と仮想』(小林秀雄賞受賞)、『今、ここからすべての場所へ』(桑原武夫賞受賞)など著書多数。
にしかた・みつお 1984年、大阪府生まれ。創価大学卒。創価学会の学生部長、男子部長等を歴任。現在、創価学会本部の指導検索AIプロジェクトの責任者として、サービスの開発推進に携わる。
●最後までお読みいただき、ありがとうございます。ご感想はこちらからお寄せください。
もぎ・けんいちろう 1962年、東京都生まれ。脳科学者・理学博士。東京大学理学部、法学部卒業後、同大大学院物理学専攻課程を修了。『AIで覚醒する脳』(実務教育出版)、『脳と仮想』(小林秀雄賞受賞)、『今、ここからすべての場所へ』(桑原武夫賞受賞)など著書多数。
にしかた・みつお 1984年、大阪府生まれ。創価大学卒。創価学会の学生部長、男子部長等を歴任。現在、創価学会本部の指導検索AIプロジェクトの責任者として、サービスの開発推進に携わる。
●最後までお読みいただき、ありがとうございます。ご感想はこちらからお寄せください。