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〈SOKA SPORTS――創価スポーツ〉 関西創価高校・硬式野球部 2026年6月28日

  • 負けじ魂を胸に“逆襲の夏”へ

 「SOKA SPORTS」では、2回に分けて東西の創価高校の硬式野球部を紹介する。第108回全国高校野球選手権の大阪大会で、関西創価高校は7月11日の2回戦から登場し、桜和高校と対戦する。同じブロックには強豪・履正社高校も入り、両校が勝ち上がれば3回戦で顔を合わせる。悲願の夏の甲子園出場へ――激戦に挑むチームの現在地に迫る。(東京・創価高校は7月2日付に掲載予定)

 6月中旬、関西創価学園のグラウンドを訪ねると、選手たちがウオーミングアップに汗を流していた。ダッシュが1本終わるたび、互いを鼓舞するような大きな拍手が湧き起こる。そして、誰からともなく声が上がる。「さあ次の1本、集中していきましょう!」
 
 小野哲平監督は語る。「今は気持ちが乗っています。ただ、春季大会の後は全体が意気消沈していました」
 
 新チームは昨年の秋季大会で大阪府ベスト8入り。だが、冬の鍛錬を経て臨んだ春季大会で、初戦敗退を喫した。
 
 対戦相手の公立校のエースは、プロのスカウトが注目する投手。本来の力を発揮できず悔しさだけが残り、そこからチームは停滞した。
 
 その中で、新1年生が入部。小野監督は競い合いによる活性化を期待したが、5月のゴールデンウィークを過ぎても状況は変わらなかった。

小野哲平監督
小野哲平監督

 転機は、3年生と下級生による紅白戦。3年生は“負ければレギュラーを譲る”という意気込みで臨み、勝利を収めた。一球への執念。一打席への責任感。仲間への声かけ――下級生たちは“最後の夏”に懸ける先輩たちの思いを感じ取り、チームは再び一つになった。
 
 黒河峰主将(3年)は「紅白戦で、ようやく団結できました」と振り返る。
 
 この数日前、もう一つの大きな出来事があった。主力選手が、体育の授業中に膝のじん帯を負傷。手術が必要になり、夏の出場が絶望的になった。率先してチームを盛り上げ、ひたむきな姿で信頼を集めてきた選手だった。
 
 引きずる足で、事実上の“引退試合”に臨んだ。9番指名打者で出場し、3打数3安打3打点。どんな状況でも絶対に諦めない姿が、仲間たちの心に火をつけた。

 心機一転、再出発を切った関西創価ナイン。小野監督が掲げるのは「人間野球」であり「負けじ魂」だ。
 
 「チームの一番の持ち味は“熱”やと思っています。負けるものかという燃えるような心をもち、悔しさを力に変えられる人間に成長してほしい」
 
 全員が将来、プロ野球選手になれるわけではない。監督は「皆が社会で活躍できるリーダーに育ってほしい」と願う。だからこそ、一部の選手だけでなく、全員が同じ責任感に立つチームづくりを徹底している。
 
 厳しい“上下関係”に頼らず、あいさつなどの基本は、部員たち自らが律する。授業に対する意識も高く、学年トップクラスの成績を収めたり、英検準1級に合格したりと、学業面で成果を出す部員も少なくない。

 「野球漬けの毎日だから、せめて寮生活では、いろいろな経験を」と小野監督。節分やハロウィーンなど、折々のイベントごとは皆で“本気になって”楽しむ。
 
 心に刻むのは、創立者・池田先生の言葉「心で勝て 次に技で勝て 故に 練習は実戦 実戦は練習」だ。練習でも常に試合を想定し、細部まで妥協しない姿勢を貫く。
 
 新チーム発足時は、まとまりを欠いていたと振り返る黒河主将。「先輩に任せきりでした。全ての面で先頭に立ち、自分の姿で引っ張ろうと決めました」
 
 チームを支えるのは選手だけではない。マネジャーの桂木歩夢さん(3年)は「頼まれごとは試されごと」を信条に、裏方の仕事に全力を注ぐ。「選手あってのマネジャー。だから、いつも感謝を伝えています」

 目標は最激戦区・大阪府の頂点。そして、全国制覇である。昨秋にコールド負けを喫した大阪桐蔭高校への雪辱が胸にある。また、春季大会を制した履正社高校など、立ちはだかる壁は高い。
 
 小野監督は強調する。「レギュラーの中には中学時代は補欠だった選手もいます。当時の同級生に驚かれるような成長を、一人一人が遂げてきました」
 
 仲間と励まし合い、自らを磨いてきた野球部員たち。エースの那須英翔選手(3年)は「自分たちは挑戦者。一戦一戦、全力でぶつかっていきます」と力を込める。
 
 黒河主将は誓う。
 
 「創立者をはじめ、支えてくださった方々への感謝を結果で示します」
 
 涙をのんだ初戦敗退からの再出発。関西創価の“逆襲の夏”が、いよいよ幕を開ける。

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