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熊本地震から1カ月――“一人”に寄り添い、前を向く友 2026年8月28日

 「令和8年熊本地震」の発生から、きょうで1カ月。最大震度7の爪痕が残る被災地では、現実と格闘しながら、信心根本に前を向く友の姿がある。激震地の宇城圏ではきょう、復興と広布の誓いを新たにする圏ブロック長・白ゆり長会を行う。ここでは不屈の心で地域を照らす3人の奮闘を追った。

熊本市南区 古庄大成さん
復興へ、今こそ足を運ぶ
「SNSを通じて、地域の皆さんと情報を共有しています」と話す古庄さん(南区内で)
「SNSを通じて、地域の皆さんと情報を共有しています」と話す古庄さん(南区内で)

 建設現場の脚立の上、高さ約2メートルで作業していた古庄大成さん(南区、支部長)。緊急地震速報とともに足元が大きく揺れ、とっさに下りて道路へ飛び出した。
  
 自宅は家具が倒れ、壁のクロスに亀裂が入った。電話はつながらず、SNSでようやく家族全員の無事を確かめた。
  
 18年前に独立し、外壁シーリング業を営む。連日の猛暑に汗が止まらなかったが、断水は1週間続き、洗い流す風呂がない。実家の井戸水と、義弟の家の風呂で日々をしのぐ過酷な環境だった。
  
 支部長就任から、わずか4カ月での被災。メンバーの顔もまだ覚えきれない中だったが、地区部長と連携して、一軒一軒回り、水や簡易トイレを届けた。断水と損傷が残る、ある婦人宅を訪ねた時のこと。「うちは大丈夫。他に持っていって」。自身も大変な中、他者を思いやるその一言に、不屈の“肥後もっこす”の心意気を見た。この1カ月、地域を歩き、同志と言葉を交わす中で、皆の無事と地域の復興を願う祈りは、日増しに強くなっている。
  
 思えば10年前の震災では、0歳だった長女を抱き締めて過ごした。慣れない子育てと仕事の急増で不整脈を患ったが、信心根本に乗り越え、地域広布に尽くし抜いてきた。
  
 男子部時代から力を注いできたのは、徹底して友の元へ通う訪問・激励だ。「特別なことはできません。でも、こういう時こそ足を運んで、みんなを励ますことが大切だと思っています」
  
 妻・妙華さん(同、白ゆり長)と3人の子の無事に感謝しながら、「かたし隊」でも汗を流す古庄さん。「一歩ずつ、着実に、前へ進んでいきます」と力強く歩む。

宇城市 安田明子さん
夏祭りに尽力し塾も再開
「子どもたちのことを考える時間が一番楽しいんです」と笑顔を見せる安田さん(宇城市内で)
「子どもたちのことを考える時間が一番楽しいんです」と笑顔を見せる安田さん(宇城市内で)

 “大好きなこの地に、子どもたちの笑顔を取り戻したい!”――今月23日、宇城市松橋町では、復興の希望を込めた夏祭りが開かれた。無料提供された屋台の前は、地域の子どもの笑顔と、にぎやかな歓声であふれた。
  
 この催しに尽力したのが、同町で学習塾を営んでいる安田明子さん(宇城圏、地区女性部長)だ。
  
 1カ月前、安田さんの塾の教室は一瞬にして恐怖に包まれた。「地震だね」という子どもたちの声は、直後の激震で悲鳴に変わった。机や本棚が倒れる中、子どもたちを無我夢中で守り抜いた。
  
 あの日から1カ月。安田さんは地区の同志の元へ休む間もなく足を運び、水などの支援物資を届けながら励ましの声をかけてきた。
  
 一方、「不安を抱える受験生のためにも」と、学習塾の再開を目指して奮闘。一日も早く“日常”を取り戻してほしいと奔走し、無事に再開を果たすことができた。
  
 その原動力には、子どもたちへの深い思いがある。
  
 5年前に夫を亡くし、幼い2人の子を抱えながら、家族の生活を守るために踏み出した塾経営。不安は大きかったが、「私の最後の事業は教育」との池田先生の言葉を胸に、未来部時代から抱いていた「教育者になりたい」との誓いが背中を押した。
  
 「“落ちこぼれ”なんていません。どんな子でも必ず輝く、良いところがあります」。安田さんが大切にするのは、目の前の一人一人の可能性を最後まで信じ抜くことだ。
  
 “誰一人置き去りにしない”との強い思いを胸に、地域の友の心に寄り添い、人と人とのつながりを力に、確かな復興への前進を進めている。

八代市 植田奈那子さん
子どもたちの居場所を守る
“今、自分にできることをやろう”との思いでボランティアにも積極的に取り組む植田さん(八代市内で)
“今、自分にできることをやろう”との思いでボランティアにも積極的に取り組む植田さん(八代市内で)

 現在も1300人以上が避難所での生活を強いられている八代市(26日時点)。
  
 この地でNPO団体の被災地支援のボランティアとして奮闘するのが、植田奈那子さん(八代大勝圏、副白ゆり長)だ。震災で学童保育や保育園などが休止になる中、“子どもたちの居場所”の提供に尽力する。子どもが安心して遊べる場とともに、「生活再建に向けて動きたい」「一息つきたい」といった保護者たちにも寄り添い、サポートしている。
  
 千丁町で暮らす植田さん自身も、自宅で激しい揺れに襲われた。家の中は物が散乱し、電気も水道も止まった。かろうじてライフラインが無事だった実家に避難。自宅で開いていたベビーマッサージの店は休業を余儀なくされた。
  
 後日、自宅に戻り、被災の惨状を目の当たりにした時、悲しみで涙があふれた。それでも前を向き、地区の友のために、給水所や支援物資などの情報提供にいち早く動いた。
  
 植田さんが普段から大切にしてきたのは、“目の前の一人に寄り添う”こと。かつての看護師としての経験を生かし、在宅看護にも従事する。
  
 子育てで悩んだ経験を原点に始めたベビーマッサージでも、同じように育児に悩む母親の声に耳を傾け、「一人で抱えなくていいんですよ」と温かく励ましてきた。多彩な活動に励む根底には、常に“一人を大切にする”ことに徹してきた池田先生の姿がある。
  
 自らも傷ついたからこそ、一人一人の痛みに寄り添い続ける植田さん。9月上旬には自身の店の再開も目指している。
  
 「自分にできることを精いっぱい頑張ります」――その祈りと行動は、地域を優しく照らしている。
  

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