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手塚治虫展 東京富士美術館で7月12日に開幕  2025年6月14日

  • 漫画・アニメ作品から厳選 直筆原稿や絵コンテなど200点
「鉄腕アトム」『手塚治虫漫画全集 鉄腕アトム』第1巻 表紙絵 ©手塚プロダクション
「鉄腕アトム」『手塚治虫漫画全集 鉄腕アトム』第1巻 表紙絵 ©手塚プロダクション

 東京富士美術館(八王子市)で「手塚治虫展」が7月12日に開幕する(9月15日まで)。

 “マンガの神様”とも称され、戦後の日本に文化の光をともした漫画家・手塚治虫氏(1928~89年)。SF、歴史、ファンタジーなど幅広いジャンルの作品を手がけ、今もなお、世代を超えて愛され続けている。

 氏は、46年に新聞で連載した4こま漫画「マアチャンの日記帳」でデビュー。以来、戦後の日本において主流であった数こまの風刺漫画とは一線を画し、ズームイン・アウトなどの映画的手法や、時間経過の表現を取り入れて長編物語を描く「ストーリー漫画」の第一人者として、日本の漫画やアニメ表現の基礎を築いた。

 本展では、氏が歩んだ軌跡を振り返りつつ、厳選した約200点を展示。「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」「リボンの騎士」「火の鳥」「ブッダ」「ブラック・ジャック」など、漫画・アニメの直筆原稿や制作過程で用いられたセル画、絵コンテなど貴重な品々が並び、大人から子どもまで楽しめる内容となっている。

「火の鳥」『月刊マンガ少年』「火の鳥 ヤマト・宇宙編」 表紙絵 ©手塚プロダクション
「火の鳥」『月刊マンガ少年』「火の鳥 ヤマト・宇宙編」 表紙絵 ©手塚プロダクション

 中でも、氏のライフワークとなった「火の鳥」は注目作品の一つ。時空を超えて存在する超生命体・火の鳥を狂言回しに、過去と未来が描かれており、「生と死」「輪廻転生」をテーマに人間の業の深さや生命の尊さなどが表現されている。 激動の20世紀を生きた氏は、自身の戦争体験から一貫して「生命の尊厳」をテーマに作品を発表し続けた。

 また、潮出版社が刊行していた雑誌で連載された「ブッダ」では、独自の視点から、仏教の始祖である主人公シッダルタを、神格化せず、生老病死の苦悩と向き合い、答えを求める一人の人間として表現した。氏と同社の理念が共鳴したこの長編物語は、人種や宗教の差異を超え、「どう生きるか」という人間の根源的な問いを投げかけている。

 人間愛と想像力が織り成す“手塚ワールド”――不朽の名作に触れる中で、自身の生き方をも見つめる絶好の機会となろう。

「リボンの騎士」『なかよし』 扉絵 ©手塚プロダクション
「リボンの騎士」『なかよし』 扉絵 ©手塚プロダクション
【案内】

 ▽会期=7月12日(土)~9月15日(月・祝)。月曜休館(祝日は開館し、翌火曜休館)。

 ▽開館時間=午前10時~午後5時(入館は同4時30分まで)。

 ▽入場料=一般1500円(1200円)、大学・高校生900円(800円)、中・小学生500円(400円)。未就学児は無料。土曜は中・小学生無料。カッコ内は20人以上の団体、65歳以上の方、東京富士美術館のLINE公式アカウント登録者等の各種割引料金。

【休館のお知らせ】

 東京富士美術館で開催中の「岩合光昭の日本ねこ歩き」展は6月22日(日)まで。展示替えのため、翌23日(月)から7月11日(金)まで全館休館します。

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