しゃべって、笑って、またしゃべる――。日本から約1万キロ離れた、ヨーロッパの島国イギリス。この地でも、学会伝統の座談会が毎月、楽しく開かれています。聞くと、イギリスSGI(創価学会インタナショナル)の座談会には“式次第がない”のだとか……⁉ 真相を確かめるべく、同国の二つの地区座談会を取材しました。(記事=田川さくら、写真=外山慶介)
しゃべって、笑って、またしゃべる――。日本から約1万キロ離れた、ヨーロッパの島国イギリス。この地でも、学会伝統の座談会が毎月、楽しく開かれています。聞くと、イギリスSGI(創価学会インタナショナル)の座談会には“式次第がない”のだとか……⁉ 真相を確かめるべく、同国の二つの地区座談会を取材しました。(記事=田川さくら、写真=外山慶介)
のどかな時が流れる。思わず駆け出したくなるような、広大な丘に、澄んだ青空。放牧された羊たちは思い思いに草をはみ、黄色い花をつけたバターカップが可憐に揺れている。
イギリスの構成国の一つであるウェールズの首都カーディフから車で30分。ここブリッジェンドは、かつて農業市場が栄えた街だ。古城が残り、緑の中に歴史が息づく。20世紀に入ると、住宅街としても発展してきた。
木々に囲まれた小道を行くと、レンガ調の家が顔を出した。座談会場である、マシュー・ブレイフォードさん(ブリッジェンド・イースト地区・地区部長)、リアさん(同地区婦人部長)夫妻の自宅だ。これからブリッジェンド・イースト地区とブリッジェンド・ウエスト地区の合同座談会が開かれるという。昨年まで1地区だったが、部員が増えたため、本年、2地区に発展した。
座談会の開始は午後8時。だが、7時半には多くのメンバーが集まっていた。一日の終盤であることを忘れそうになるほど、皆、満々たる生命力。これから一緒に、勤行・唱題をするという。大切な同志のこと、そしてこれから始まる座談会の成功を祈るのだ。
唱題を終えると、メンバーは「暑い、暑い」と服をパタパタ。取材に訪れたのは5月だが、この日の気温は11度。窓からは冷たい風が吹き込み、震えるような寒さである。
だが、メンバーは「祈ると、心も体もアツくなりますね」と扇風機をかけ、大爆笑。「私たちの地区は、いつも笑いが絶えないんですよ」と、そばにいたメンバーが教えてくれた。
時計の針は午後8時。「では始めましょう!」と、マシューさんの進行で、座談会が幕を開けた。
イギリスの座談会には、式次第がない。60分間、一つのトピックをもとに、皆が自由に語り合う、まさに“座談”の場。主題となるのは、イギリスSGIの機関誌「アート・オブ・リビング」に掲載される月間テーマだ。
この日のテーマは「対話」について。式次第がない分、座談会の成否は司会者にかかっている。だから、草創の同志はよく言った。“司会者は責任重大。役割を受けたその日から、座談会の成功を誰よりも真剣に祈ろう”
皆が嫌な思いをしないように、広布の勢いを加速させられるように――この日、進行を務めたマシューさんも、当日まで唱題を重ねてきた。
マシューさんは、機関誌に掲載された池田先生の指針を紹介し、「対話」にまつわる自身のエピソードを話し始めた。
実は、10年前に仏法対話をした友人から、先日、突然の連絡が。聞くと、娘が乳がんの宣告を受け、絶望の日々の中で、当時のマシューさんの言葉を思い出したという。
のどかな時が流れる。思わず駆け出したくなるような、広大な丘に、澄んだ青空。放牧された羊たちは思い思いに草をはみ、黄色い花をつけたバターカップが可憐に揺れている。
イギリスの構成国の一つであるウェールズの首都カーディフから車で30分。ここブリッジェンドは、かつて農業市場が栄えた街だ。古城が残り、緑の中に歴史が息づく。20世紀に入ると、住宅街としても発展してきた。
木々に囲まれた小道を行くと、レンガ調の家が顔を出した。座談会場である、マシュー・ブレイフォードさん(ブリッジェンド・イースト地区・地区部長)、リアさん(同地区婦人部長)夫妻の自宅だ。これからブリッジェンド・イースト地区とブリッジェンド・ウエスト地区の合同座談会が開かれるという。昨年まで1地区だったが、部員が増えたため、本年、2地区に発展した。
座談会の開始は午後8時。だが、7時半には多くのメンバーが集まっていた。一日の終盤であることを忘れそうになるほど、皆、満々たる生命力。これから一緒に、勤行・唱題をするという。大切な同志のこと、そしてこれから始まる座談会の成功を祈るのだ。
唱題を終えると、メンバーは「暑い、暑い」と服をパタパタ。取材に訪れたのは5月だが、この日の気温は11度。窓からは冷たい風が吹き込み、震えるような寒さである。
だが、メンバーは「祈ると、心も体もアツくなりますね」と扇風機をかけ、大爆笑。「私たちの地区は、いつも笑いが絶えないんですよ」と、そばにいたメンバーが教えてくれた。
時計の針は午後8時。「では始めましょう!」と、マシューさんの進行で、座談会が幕を開けた。
イギリスの座談会には、式次第がない。60分間、一つのトピックをもとに、皆が自由に語り合う、まさに“座談”の場。主題となるのは、イギリスSGIの機関誌「アート・オブ・リビング」に掲載される月間テーマだ。
この日のテーマは「対話」について。式次第がない分、座談会の成否は司会者にかかっている。だから、草創の同志はよく言った。“司会者は責任重大。役割を受けたその日から、座談会の成功を誰よりも真剣に祈ろう”
皆が嫌な思いをしないように、広布の勢いを加速させられるように――この日、進行を務めたマシューさんも、当日まで唱題を重ねてきた。
マシューさんは、機関誌に掲載された池田先生の指針を紹介し、「対話」にまつわる自身のエピソードを話し始めた。
実は、10年前に仏法対話をした友人から、先日、突然の連絡が。聞くと、娘が乳がんの宣告を受け、絶望の日々の中で、当時のマシューさんの言葉を思い出したという。