昭和の人気作家・水上勉氏は長く病床にあった時、枕元でよくラジオを聴いたという▼ある日、子母沢寛の『父子鷹』を朗読するラジオ小説に魅了された。そして、病が治った後に原作を読み、感動を新たにする。登場人物の勝小吉・麟太郎親子の描き方をはじめ、「なんでもない町の風景や、歩いている人や、馳けこんでくる人が息づいているのに私は瞠目させられた」(『子母澤寛全集』発刊に寄せた月報から。講談社)▼そんな細部にまでこだわり、自分の思いを込めた文章を書く大切さを、水上氏は、先輩作家の宇野浩二氏から教わったという。“本の途中をパッと開き、その著者が誰か分かる文でなければならない”と(同月報)▼池田先生がつづった小説『人間革命』と『新・人間革命』。ともに聖教電子版では今、朗読音声の配信(有料プラン会員限定)が行われているが、音声で耳にしても、書籍を読んでも、当時の情景や登場人物の姿を生き生きと想像することができ、触れる人を奮い立たせずにはおかない。それは先生が一文一句に“戸田先生を慕う心”“広布を託す弟子への思い”を込めたからだろう▼師の心が凝縮された言葉をわが心に刻み、きょうも進みたい。5月18日は「ことばの日」。(白)
昭和の人気作家・水上勉氏は長く病床にあった時、枕元でよくラジオを聴いたという▼ある日、子母沢寛の『父子鷹』を朗読するラジオ小説に魅了された。そして、病が治った後に原作を読み、感動を新たにする。登場人物の勝小吉・麟太郎親子の描き方をはじめ、「なんでもない町の風景や、歩いている人や、馳けこんでくる人が息づいているのに私は瞠目させられた」(『子母澤寛全集』発刊に寄せた月報から。講談社)▼そんな細部にまでこだわり、自分の思いを込めた文章を書く大切さを、水上氏は、先輩作家の宇野浩二氏から教わったという。“本の途中をパッと開き、その著者が誰か分かる文でなければならない”と(同月報)▼池田先生がつづった小説『人間革命』と『新・人間革命』。ともに聖教電子版では今、朗読音声の配信(有料プラン会員限定)が行われているが、音声で耳にしても、書籍を読んでも、当時の情景や登場人物の姿を生き生きと想像することができ、触れる人を奮い立たせずにはおかない。それは先生が一文一句に“戸田先生を慕う心”“広布を託す弟子への思い”を込めたからだろう▼師の心が凝縮された言葉をわが心に刻み、きょうも進みたい。5月18日は「ことばの日」。(白)