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〈ヒューマン〉 相撲ライター 飯塚さきさん 2026年6月4日

  • 競技、様式美、伝統…
  • いろいろな角度から
  • 魅力を発信。

 〈力士たちがぶつかり合い、白熱の勝負を繰り広げる相撲。年6回の本場所をはじめ、地方巡業などもある彼らは、日頃どのように移動しているのか。そんな疑問をまとめた『どすこい! 相撲と乗り物』。著者の飯塚さきさんは、いろいろな角度から相撲の魅力を発信している〉

 ――面白い角度ですね。

 元々は出版社から、こういう内容の本を書けないかと話がありました。でも、実際に取材してみると「へー」ということばかり。遊園地のアトラクションは乗れないものもあるし、新幹線や飛行機などは、場合によっては2席を予約しなければなりません。それに、現役力士が車やバイクを運転することも禁止です。

 ――前著では、各部屋のちゃんこのレシピを紹介しています。

 お相撲さんの食事であるちゃんこは、各部屋によって作り方も味も異なります。ただ、レシピとして紹介しようとしても、作り方が大ざっぱ。一度にたくさん作るため、めんつゆを1本入れてとか、調味料をドバーッと入れるとか……。だから、作るときに横にいて、いちいち計量しました。それを4人分の分量に落とし込んでいます。

 ――通訳ガイドもしているそうですね。

 インバウンドとして日本に来る外国人は、相撲のことをほとんど知りません。そこで、様式美や文化的背景から説明します。例えば土俵で踏む四股は、邪気を払う意味があるとか。
 スポーツとしても、見ていると明快なんですが、実はものすごく奥が深い。押し相撲が得意な人と、四つに組みたい人が戦う場合、どうなるか。突き放すのか組むのか。その攻防が見どころになるわけです。

 ――それぞれの力士との距離が近いですね。

 そうですね、弟もアマチュア相撲の選手でしたし、弟と同年代の力士たちからは姉のように思ってもらえるようです。力士は、寡黙なイメージがあるかと思いますが、実は話すのが好きな人も多いんです。次の相手はこういうタイプだから、こういう作戦でいこうと思っているなんて話も出るくらい。
 元々は、誰が優勝するんだろうと、星勘定ばかりで見ていました。でも、力士一人一人から話を聞くにつれ、彼らの努力の過程まで知るようになりました。だからこそ、より熱が入るし、全力士に頑張ってほしいと思っています。(森)

 〈プロフィル〉
 埼玉県出身。作家・相撲ライター。国技館で外国人観光客向けの英語ガイドを担当。著書に『どすこい! 相撲と乗り物』(交通新聞社新書)、『おすもうさん直伝! かんたん家ちゃんこ』(パイインターナショナル)など。

 〈MEMO〉
 3年前に、地域の女相撲に出たという飯塚さん。結果は、一方的な1回戦負け。
 でも、その動画をSNSにアップしたところ、知り合いの親方や力士たちからの反響がすごかったという。
 「素人の私に対して『ちゃんとすり足をしないとね』とか、真剣にアドバイスしてくれたんです」
 日頃からの関係性があるから誰からも愛される。少々無茶でも、思い切って挑戦する姿。それがあるから力士の懐に飛び込む取材ができるのだと実感した。

動画

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