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学生部の「青年平和意識調査」共催団体に聞く マーシャル諸島教育イニシアチブ事務局長
学生部の「青年平和意識調査」共催団体に聞く マーシャル諸島教育イニシアチブ事務局長
2025年8月11日
男女学生部は本年、海外の団体と共同で「青年平和意識調査」を実施した。ここでは、共催団体の一つであるマーシャル諸島教育イニシアチブ(MEI)の事務局長を務めるベネティック・カブア・マディソン氏のインタビューを掲載する。
男女学生部は本年、海外の団体と共同で「青年平和意識調査」を実施した。ここでは、共催団体の一つであるマーシャル諸島教育イニシアチブ(MEI)の事務局長を務めるベネティック・カブア・マディソン氏のインタビューを掲載する。
マーシャル諸島の核実験の歴史について語るベネティック・カブア・マディソン氏
マーシャル諸島の核実験の歴史について語るベネティック・カブア・マディソン氏
――核兵器廃絶の運動を始めたきっかけを教えてください。
ベネティック・カブア・マディソン氏 私はマーシャル諸島共和国で生まれ、6歳の時にアメリカに移住しました。母国で核実験が行われたという歴史的事実は認識していましたが、深くは知りませんでした。しかし、マーシャル諸島の国民の祝日である「核被害者追悼の日」のMEI主催イベントに招待され、歴史を学ぶきっかけを得ました。
マーシャル諸島では、1946年から58年までに、アメリカによって計67回の核実験が行われ、多くの人が被ばくしました。
放射線の影響を受けた魚などを、知らぬ間に食べた人も多くいます。さらにマグロ漁船「第五福竜丸」をはじめ、ビキニ環礁周辺を航行していた多くの日本籍漁船の乗組員も被ばくしたと言われています。
強制的に移住しなければならなかった人もいました。私の親戚も、ビキニの土地を追われ、戻ることができないかもしれません。土地の喪失、強制移住、それに伴う伝統の喪失は深刻です。
母国の文化が失われていく危機感と悔しさが原動力となり、核兵器廃絶運動に取り組んでいます。
――MEIの活動を教えてください。
マディソン氏 MEIは、2013年の設立以来、マーシャル諸島の核実験の歴史についての意識向上に取り組んできました。
また、アメリカに住んでいるマーシャル諸島の人々の健康・教育支援、文化継承、公共サービスへのアクセス支援など、地域社会を支える取り組みを多面的に展開しています。核実験の影響に関する研究も進めています。
――核実験の歴史や核兵器廃絶の重要性を訴える際、最も重要なことは何だと思いますか?
マディソン氏 重要なことはストーリーテリング(物語を語ること)だと思います。人々の証言や体験をストーリーとともに語り継いでいく中で、人々の心が変わっていきます。
私はアーカンソー州に暮らしていますが、現地の人が、「なぜ多くのマーシャル諸島の人たちが米国にいるのか」と尋ねてきました。私たちは彼らに核実験の歴史について話をします。それを聞くと、相手の考え方が変わります。
核兵器にまつわる私たちの物語を共有し続けることが重要です。
――核兵器廃絶の運動を始めたきっかけを教えてください。
ベネティック・カブア・マディソン氏 私はマーシャル諸島共和国で生まれ、6歳の時にアメリカに移住しました。母国で核実験が行われたという歴史的事実は認識していましたが、深くは知りませんでした。しかし、マーシャル諸島の国民の祝日である「核被害者追悼の日」のMEI主催イベントに招待され、歴史を学ぶきっかけを得ました。
マーシャル諸島では、1946年から58年までに、アメリカによって計67回の核実験が行われ、多くの人が被ばくしました。
放射線の影響を受けた魚などを、知らぬ間に食べた人も多くいます。さらにマグロ漁船「第五福竜丸」をはじめ、ビキニ環礁周辺を航行していた多くの日本籍漁船の乗組員も被ばくしたと言われています。
強制的に移住しなければならなかった人もいました。私の親戚も、ビキニの土地を追われ、戻ることができないかもしれません。土地の喪失、強制移住、それに伴う伝統の喪失は深刻です。
母国の文化が失われていく危機感と悔しさが原動力となり、核兵器廃絶運動に取り組んでいます。
――MEIの活動を教えてください。
マディソン氏 MEIは、2013年の設立以来、マーシャル諸島の核実験の歴史についての意識向上に取り組んできました。
また、アメリカに住んでいるマーシャル諸島の人々の健康・教育支援、文化継承、公共サービスへのアクセス支援など、地域社会を支える取り組みを多面的に展開しています。核実験の影響に関する研究も進めています。
――核実験の歴史や核兵器廃絶の重要性を訴える際、最も重要なことは何だと思いますか?
マディソン氏 重要なことはストーリーテリング(物語を語ること)だと思います。人々の証言や体験をストーリーとともに語り継いでいく中で、人々の心が変わっていきます。
私はアーカンソー州に暮らしていますが、現地の人が、「なぜ多くのマーシャル諸島の人たちが米国にいるのか」と尋ねてきました。私たちは彼らに核実験の歴史について話をします。それを聞くと、相手の考え方が変わります。
核兵器にまつわる私たちの物語を共有し続けることが重要です。
3月に開催された核兵器禁止条約の第3回締約国会議(アメリカ・ニューヨークの国連本部で)
3月に開催された核兵器禁止条約の第3回締約国会議(アメリカ・ニューヨークの国連本部で)
――核兵器廃絶運動における若者の役割や使命について、どうお考えですか?
マディソン氏 次世代を担う若者の役割は非常に重要だと思います。しかし、マーシャル諸島の若者の多くは、核廃絶が何であるかを完全に認識していません。核兵器禁止条約についても知らない人が多いです。
来年(2026年)はマーシャル諸島で最初の核実験が行われてから80年です。ワークショップなどを通して、さらに多くの若者や団体に核実験の歴史を伝えていこうと思っています。
若者世代が核兵器の問題について積極的に学んでいくことも大切です。一人一人の行動が、良い方向にも悪い方向にも大きな変化につながります。
例えば、政治においても然りです。政治家を選ぶ際には、しっかりと情報を得て人物を見極めることが大事です。もし核兵器の使用を支持し、軍事行動を支持すると知っていながら、そのような人物を選挙で選ぶということは、選んだ人自身も核兵器を支持していることになります。
日本の政治家の中には、日本も核兵器を保有すべきだと考える人もいるようですが、広島と長崎の悲劇を真摯に考慮していないと思います。
以前、日本を訪れ、被爆者の証言を伺う機会がありました。直接被爆を体験した人が少なくなる中、私たちの手で次世代に教訓を語り継ぐことを改めて決意しました。
共に力を合わせ、核兵器なき世界を実現していきましょう。
――核兵器廃絶運動における若者の役割や使命について、どうお考えですか?
マディソン氏 次世代を担う若者の役割は非常に重要だと思います。しかし、マーシャル諸島の若者の多くは、核廃絶が何であるかを完全に認識していません。核兵器禁止条約についても知らない人が多いです。
来年(2026年)はマーシャル諸島で最初の核実験が行われてから80年です。ワークショップなどを通して、さらに多くの若者や団体に核実験の歴史を伝えていこうと思っています。
若者世代が核兵器の問題について積極的に学んでいくことも大切です。一人一人の行動が、良い方向にも悪い方向にも大きな変化につながります。
例えば、政治においても然りです。政治家を選ぶ際には、しっかりと情報を得て人物を見極めることが大事です。もし核兵器の使用を支持し、軍事行動を支持すると知っていながら、そのような人物を選挙で選ぶということは、選んだ人自身も核兵器を支持していることになります。
日本の政治家の中には、日本も核兵器を保有すべきだと考える人もいるようですが、広島と長崎の悲劇を真摯に考慮していないと思います。
以前、日本を訪れ、被爆者の証言を伺う機会がありました。直接被爆を体験した人が少なくなる中、私たちの手で次世代に教訓を語り継ぐことを改めて決意しました。
共に力を合わせ、核兵器なき世界を実現していきましょう。