〈教育〉 うちの子、ちっとも勉強しません――勉強を好きになる関わり方とは?
〈教育〉 うちの子、ちっとも勉強しません――勉強を好きになる関わり方とは?
2025年10月30日
「頭を使う楽しさ」を伝えよう
「頭を使う楽しさ」を伝えよう
脳科学者 篠原菊紀さん
脳科学者 篠原菊紀さん
「うちの子、ちっとも勉強しません」――そんな悩みをもつ親御さんも多いのではないでしょうか。実は、「勉強を好きになるかどうか」は、脳の仕組みへの働きかけ次第で大きく変わります。子どもが勉強を好きになる親の関わり方について、公立諏訪東京理科大学の特任教授で脳科学者の篠原菊紀さんに聞きました。
「うちの子、ちっとも勉強しません」――そんな悩みをもつ親御さんも多いのではないでしょうか。実は、「勉強を好きになるかどうか」は、脳の仕組みへの働きかけ次第で大きく変わります。子どもが勉強を好きになる親の関わり方について、公立諏訪東京理科大学の特任教授で脳科学者の篠原菊紀さんに聞きました。
◆良いことが起こる予感
◆良いことが起こる予感
「勉強が好きな子」を分かりやすく言い換えると、「勉強することで良いことが起こる予感をもっている子」といえます。
脳は、「これをしたら褒められた」という経験が繰り返されると、「これをしたら褒められるかも」と予測するようになります。実は、脳は報酬をもらう瞬間よりも「報酬を予測した時」の方が強く活性化します。つまり、褒められた時よりも「褒められそう」と思っている時にやる気が起こるのです。
親御さんはまず、お子さんが勉強を始めたこと自体を褒めてください。例えば、子どもが10分で勉強をやめたとします。親は、つい「どうして10分でやめたの」と言ってしまいがちです。しかし、勉強を続けたこと自体、立派です。「自分から勉強を始められたね」「10分も勉強できたね」と伝えることが大切です。「どうして5分でやめなかったの?」など、褒めることを前提に質問をするのも効果的です。
「字を丁寧に書けたね」「よく集中していたね」など、褒めるポイントを探せばいくらでも見つかります。こうした声かけが、勉強を好きになるきっかけになります。
ただし、「毎回褒めなくては」と思う必要はありません。ある研究によると、5~7割褒めることが効果的といわれています。子どもを褒める姿勢を基本にして、たまに褒め忘れるくらいでちょうどいいでしょう。
「勉強が好きな子」を分かりやすく言い換えると、「勉強することで良いことが起こる予感をもっている子」といえます。
脳は、「これをしたら褒められた」という経験が繰り返されると、「これをしたら褒められるかも」と予測するようになります。実は、脳は報酬をもらう瞬間よりも「報酬を予測した時」の方が強く活性化します。つまり、褒められた時よりも「褒められそう」と思っている時にやる気が起こるのです。
親御さんはまず、お子さんが勉強を始めたこと自体を褒めてください。例えば、子どもが10分で勉強をやめたとします。親は、つい「どうして10分でやめたの」と言ってしまいがちです。しかし、勉強を続けたこと自体、立派です。「自分から勉強を始められたね」「10分も勉強できたね」と伝えることが大切です。「どうして5分でやめなかったの?」など、褒めることを前提に質問をするのも効果的です。
「字を丁寧に書けたね」「よく集中していたね」など、褒めるポイントを探せばいくらでも見つかります。こうした声かけが、勉強を好きになるきっかけになります。
ただし、「毎回褒めなくては」と思う必要はありません。ある研究によると、5~7割褒めることが効果的といわれています。子どもを褒める姿勢を基本にして、たまに褒め忘れるくらいでちょうどいいでしょう。
◆好奇心を伸ばす働きかけ
◆好奇心を伸ばす働きかけ
勉強の「結果」を褒めるよりも、勉強につながる「興味」「関心」「行動」を褒める方が、成績が伸びるということも分かっています。子どもを二つのグループに分け、「成績が良くなったらご褒美をもらえるグループ」よりも「本を読んだらご褒美をもらえるグループ」の方が成績が良くなったという研究があります。直接、読書が勉強に役立たなくても、好奇心を広げたり、「面白い」と思ったりする経験が、勉強好きの土台になるのです。
もし、お子さんから勉強につながるような質問をされたら、「いい質問だね」「よく気が付いたね」といった肯定する言葉をかけてください。親がその場で質問に答えられなくても構いません。「どうしてだろうね」と、一緒に本で調べたり、生成AIに聞いたりするのがいいと思います。親の姿を通して、「頭を使う楽しさ」を伝えることが大切です。
気を付けてほしいのは、高いレベルを設定して「そこに到達しないとダメ」というプレッシャーをかける関わり方です。勉強嫌いになるリスクがあるので注意してください。
お子さんの可能性を信じて、好奇心や自主性を伸ばすような働きかけを心がけていってほしいと思います。
勉強の「結果」を褒めるよりも、勉強につながる「興味」「関心」「行動」を褒める方が、成績が伸びるということも分かっています。子どもを二つのグループに分け、「成績が良くなったらご褒美をもらえるグループ」よりも「本を読んだらご褒美をもらえるグループ」の方が成績が良くなったという研究があります。直接、読書が勉強に役立たなくても、好奇心を広げたり、「面白い」と思ったりする経験が、勉強好きの土台になるのです。
もし、お子さんから勉強につながるような質問をされたら、「いい質問だね」「よく気が付いたね」といった肯定する言葉をかけてください。親がその場で質問に答えられなくても構いません。「どうしてだろうね」と、一緒に本で調べたり、生成AIに聞いたりするのがいいと思います。親の姿を通して、「頭を使う楽しさ」を伝えることが大切です。
気を付けてほしいのは、高いレベルを設定して「そこに到達しないとダメ」というプレッシャーをかける関わり方です。勉強嫌いになるリスクがあるので注意してください。
お子さんの可能性を信じて、好奇心や自主性を伸ばすような働きかけを心がけていってほしいと思います。
【お悩み相談】
【お悩み相談】
Q 集中力がありません。
Q 集中力がありません。
A そもそも人間の集中力は15分程度しか続きません。短時間でも勉強できたら褒めましょう。集中力アップには、ノートなどの四隅を右上→左上→左下→右下と、順番に視線でなぞる「目玉グルグル運動」もおすすめです。「集中したい場所」をじっと見るだけでも効果があります。ただし、「もう集中できない」と思ったら、休憩してください。
A そもそも人間の集中力は15分程度しか続きません。短時間でも勉強できたら褒めましょう。集中力アップには、ノートなどの四隅を右上→左上→左下→右下と、順番に視線でなぞる「目玉グルグル運動」もおすすめです。「集中したい場所」をじっと見るだけでも効果があります。ただし、「もう集中できない」と思ったら、休憩してください。
Q ゲームばかりしています。
Q ゲームばかりしています。
A ゲームを始める前に、「どのタイミングなら、やめられる?」と聞くとともに、「ゲームが終わったら、いすに座って、あのページを開いて勉強しよう」など、次の行動をできるだけ具体的に伝えてみましょう。
脳内でイメージできると、次の行動に移りやすくなります。「スーッと立って、ダダッと机に行って、ガバッと教科書を開こう」など、オノマトペ(擬音語・擬態語)を使うと、よりイメージしやすくなり、やる気が引き出されます。
A ゲームを始める前に、「どのタイミングなら、やめられる?」と聞くとともに、「ゲームが終わったら、いすに座って、あのページを開いて勉強しよう」など、次の行動をできるだけ具体的に伝えてみましょう。
脳内でイメージできると、次の行動に移りやすくなります。「スーッと立って、ダダッと机に行って、ガバッと教科書を開こう」など、オノマトペ(擬音語・擬態語)を使うと、よりイメージしやすくなり、やる気が引き出されます。
Q 分からない問題は、時間をかけて考えさせるべき?
Q 分からない問題は、時間をかけて考えさせるべき?
A 分からない時は、積極的に答えを見て、知識をインプットしましょう。脳にとって「分からない」は、フリーズ(停止)状態に近く、むしろ「答えを見て考えている時」の方が、思考に関わる脳の前頭葉が活性化することが分かっています。
A 分からない時は、積極的に答えを見て、知識をインプットしましょう。脳にとって「分からない」は、フリーズ(停止)状態に近く、むしろ「答えを見て考えている時」の方が、思考に関わる脳の前頭葉が活性化することが分かっています。
近著『ハマリスイッチで勉強が好きになる』(高橋書店)
近著『ハマリスイッチで勉強が好きになる』(高橋書店)